はじめに
近年は、多くの企業がインターンに力を入れるようになりました。
インターンと選考・採用がつながっていることも珍しくありません。
そのため、今では人気企業のインターンが本選考のように、大変きびしい競争を勝ち抜かなければ参加できないほどになっています。
エンジニアの長期インターンに合格するには、志望動機の書き方が大切です。
この記事でエンジニアの長期インターンに応募したい方向けに、志望動機の書き方をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
企業は長期インターンの志望動機で何を見ているのか
最初に、企業が長期インターンの応募書類に書かれた志望動機から、何をチェックしているか考えましょう。
大きな目的は、マインド面で学生が自社に貢献してくれそうかどうかです。
インターンの時点では、まだ経験やスキルの高さは重要なポイントではありません。
エンジニアのアルバイトをしていない限り、ほとんどの方が業務未経験で、仕事の実績がないためです。
企業が志望動機から、マインド面で自社に貢献できるかをチェックするポイントについて2点、以下の見出しで見ていきましょう。
学生が目指す将来像と自社の方向性や提供できる環境がマッチしているか
学生がインターンに参加する大きな理由は、プログラムの中で自身を成長させるためです。
そこで、学生が将来こうなりたいと考える姿と企業の現実(インターンのプログラム・業務内容・提供できる環境)が一致していなければなりません。
もしこの部分にずれがあると、学生は高いモチベーションを維持して働くのが困難になります。
それは学生だけでなく、会社にとっても不利益です。
インターン担当者は高いモチベーションで仕事をしてくれる学生のほうが、自社に貢献してくれる可能性が高いと考えます。
長期インターンとなれば、学生も戦力として活躍してもらわなければいけません。
インターンの志望動機を書くときは、自分の目指す将来像をわかりやすく伝えるように意識しましょう。
長期インターンで働くことへの本気度
長期インターンや新卒の就職活動では、企業の志望度・本気度が非常に重要です。
既卒の採用では、前職の経歴や実績というより評価しやすいポイントはありますが、学生の場合はポテンシャルを見なければなりません。
将来長い目で見て、企業に貢献できる能力や意欲があるかがチェックされています。
そこで大切なのが、本当にその企業で働きたいという本気度です。
人事の方は、ここを見間違うと学生の早期退職・内定辞退の可能性が高いと考えます。
そのため、本当に学生が自社を第一志望にしているかは重要なチェックポイントです。
「なぜエンジニアのインターンを希望するのか」ではなく「なぜその企業のインターンでなければならないのか」を伝えて本気度を示してください。
エンジニアの長期インターンの志望動機で重要なポイント
次に、エンジニアの長期インターンに応募する際の志望動機で重要なポイントを3点紹介します。
志望動機欄は単なる応募理由を書くところと認識していると、こうした重要なポイントが抜け落ちた文章になりがちです。
企業に自分の意欲を感じてもらえることが大切で、文章を作るときは理由だけでなく、意気込みや企業に対する思いが伝わるように工夫してください。
これはインターンだけでなく、就職活動のエントリーシートや履歴書を書く際にも共通します。
ポイント①企業側から○○してもらうという姿勢だけではNG
多くの学生が書いてしまう文章に「貴社の素晴らしいインターンプログラム(教育環境)で成長させてもらいたい」といったものがあります。
一見相手企業を立てているように見える文章ですが「教えてもらいたい」「経験させてもらいたい」といった受け身の文章は多くの場合、好印象を与えません。
企業はボランティアでインターンを実施しているわけでなく、優秀な学生を見つけたい・企業に貢献してもらいたいと考えています。
特に長期インターンの場合、多くの企業は学生にも、社員同様企業の利益に貢献するよう強く求めます。
参加するインターン生はお客様として教えてもらう意識ではなく、自分が積極的に仕事を覚えていくための姿勢を見せなければなりません。
そのため、志望動機で「学びたい」という意欲を書くなら「経験させてもらいたい」ではなく「自ら積極的に関わり、自分を成長させたい」といった書き方に変えるべきです。
エンジニアの場合、プログラミングスキルを高めるといった目標を書くのが良いでしょう。
ポイント②なぜその企業なのかを明確にする
エンジニアの長期インターンは、IT系を中心にかなりたくさんの企業が実施しています。
数多くの企業の中から、なぜその企業を選んだのかを明確にしましょう。
特に大手ではなくベンチャー企業を選ぶ場合、よりいっそう「なぜあえて大手ではなくその企業なのか」を明確にすることが大切です。
そのためには、自分が長期インターンを希望する目的・なりたい将来像をはっきりさせておく必要があります。
自分が将来こうなりたいので、その実現のためにはこの企業のインターンが一番良いと思った、という説明ができればベストです。
このポイントが満たされている志望動機を書くために、企業研究が欠かせません。
応募先企業の事業内容や社風・掲げている理念などをしっかり把握しましょう。
やりたいことを明確にするのも重要
志望動機で「なぜその企業なのか」を書くのに、その企業で何をしたいのかから考えるのは、非常に効果的です。
エンジニアの場合、〇〇の開発を経験したい・特定のプログラミング言語での開発を学びたいといった目的が考えられます。
プログラミングスキルを高めたいと書くのなら、ぜひもう一歩踏み込んだ具体的な内容にしましょう。
「IT系の企業で経験を積みたい」「実際の開発現場でプログラミングを学びたい」などやりたいことが抽象的だと、どうしても意欲が伝わりにくいです。
もしその企業でなければ経験できないことに魅力を感じ、インターンを志望するのなら、ぜひそのことを強くアピールしましょう。
資格取得や就活につなげるなど、将来について意識した目的を示すのもおすすめです。
ポイント③自ら進んで勉強していることをアピールする
エンジニアのようにスキルが必要な職種の場合、インターン前から自ら進んでその分野の勉強に取り組んできたことを示しましょう。
将来本気でエンジニアになりたいこと・IT系の企業への就職を考えていることが伝わりやすくなります。
特にエンジニアは、就職してからも自分からどんどん知識を吸収していかなければなりません。
IT系の進歩は非常に早く、日々新しい技術やシステム・言語が登場しています。
自分が学ぶ姿勢をもっていること・IT系に強い興味があり勉強に意欲的であることを示すのは、エンジニア適性の高さを示すのにも役立つでしょう。
もしプログラミングスクールで学んでいたり、すでに独学で何かアプリや作品を作っていたりする経験があるなら、その成果を具体的に示す準備をするのがおすすめです。
インターン前の段階から、面接でポートフォリオを提示できる方はそれほど多くありません。
自分の勉強の成果をはっきり示せるポートフォリオや、それに類するものがあれば非常に有利となります。
エンジニア系長期インターンの志望動機を書く際のおすすめの構成
次に、エンジニア系の長期インターンへ応募する志望動機の文章構成について考えましょう。
志望動機に限らず、履歴書やエントリーシートの文章構成は、結論から書くのがおすすめです。
最初に「自分はこうなりたいと思った」「インターンでこのように成長したい」など、要点を示してしまいましょう。
こうすることで読み手がすぐに要点をつかみやすく、相手に論理的な文章を書ける印象も与えられます。
就職活動本番でもこの文章構成が役立つので、ぜひマスターしておきましょう。
①将来なりたい姿/インターンを通して得たいもの
最初に、結論としてその会社の長期インターンを通してどうなりたいか・何を得たいかについて書きます。
相手の興味を惹きつけ、要点を一目で理解してもらうための文であるため、短めの文章にしてです・ます調で言い切ることを意識してください。
その目的のために、インターンのプログラムで何をやりたいかを書くのもおすすめです。
具体的には「私は〇〇開発に携わることで〇〇のスキルを高めたいと考えたため、貴社のインターンを志望します」といった文になるでしょう。
②そこに至った原体験
続いて、最初に述べた結論へ至るまでの原体験を述べるのがおすすめです。
この体験談があると、自分の意欲や目的に説得力が増し、本気度が伝わりやすくなります。
エピソードは大学生活の中からでもかまいませんし、さらに小さい頃からの夢・目標でもかまいません。
自分が今までIT系のサービスを使っていて「もっとこうしたものがあれば良いのにと思った」「こういったものを作りたくなった」という書き方もできます。
この原体験をもとに、プログラミングの勉強へ熱心に取り組み始めたことを示すのもおすすめです。
③その会社のインターンでこそ実現できる理由
次に、最初に述べた結論がその会社だからこそ実現できると思った理由について述べます。
近い業務内容の企業でも、インターンのプログラム内容や教育方針・インターン生にどこまで仕事を任せるかなどは、かなり違うでしょう。
インターンの内容や企業の教育プログラムをしっかり把握し、ほかの企業との差別化を意識して文章を作ってください。
「〇〇の分野でトップランナーになっている」など事業の特徴について触れ、しっかり企業研究できていることを示すのもおすすめです。
④自分自身が応募先の企業に貢献できる理由
長期インターンは短期と違い、インターン生も実際に仕事をして、企業に貢献しなければなりません。
「単に興味があった」だけでは採用してもらえず、自分が仕事で貢献できることも示す必要があります。
そのため、自分を取るとこういうメリットがある・こういう形で貢献できるということを志望動機の中で示しましょう。
過去にエンジニアのアルバイト経験や、プログラミングスクールでの学習経験があるなら、ここで何をできるかアピールするのがおすすめです。
エンジニア系長期インターンの志望動機の例文
最後に、エンジニア系の長期インターンで使える志望動機の例文を2例紹介します。
1つめは将来なりたい姿をベースに書いた文章で、2つめはインターンから得たいものを中心に書いた文章です。
どちらの文章も、先述の見出しで紹介したように、最初に結論を述べる文章構成になっています。
その後結論を補足するためのエピソードや、企業に貢献したい意欲につなげていることをご確認ください。
この構成を守れば、300字程度の長さでもわかりやすく説得力ある文章になりやすいです。
将来なりたい姿で書いた例
私は将来スマートフォンのアプリ開発で、人の暮らしを豊かにする仕事に携わりたいと考えており、その経験を積むために貴社の長期インターンを志望します。
このように私が考えるようになったのは、それまで機械音痴だった祖母がスマートフォンを持つことで、ITを活用できるようになったためです。
今までパソコンなどを触ったことのない世代の方でも、直感的に操作しやすいスマートフォンアプリなら、生活の中に取り入れてもらえると実感しました。
貴社はこれまで「〇〇」「××」といったアプリで幅広い世代から感謝されています。
ぜひそうしたアプリをいくつも開発してきた貴社で、現場の考え方や仕事の進め方を学びたいと思いました。
私はこれまでスクールでJava・Swiftを学んでおり、Appleの簡単なアプリ開発を経験しています。
今後も勉強を続け、少しでも貴社の仕事に貢献できるようになりたいです。
インターンを通して得たいもので書いた例
私はWeb系のシステム作りを体験したいと考え、貴社のインターンに応募いたしました。
Web系のシステムに強い興味をもったのは、はじめてSNSに触った小学6年生のときです。
SNSを通して学校の人だけでなく世界とつながれることに感動し、そこからWeb系のシステムを支えるプログラミングがどうなっているのか、調べてみようと思いました。
高校生の頃からHTML・CSSの勉強を始め、そのあとJavaScriptも学び、現在は〇〇や××といったことができるようになっています。
貴社のインターンは学生も役員や代表との距離が近く、マーケティングなどについても学びながら働けることが特徴です。
インターンを通し、ユーザーに選んでもらえるサービスを作るにはどうしたら良いかを考えるきっかけも得たいと思ったため、貴社を選びました。
これまでのプログラミング経験を活かし、自分から積極的に動くことを意識して仕事に取り組みます。
まとめ
エンジニア系の長期インターンを実施している企業は多いですが、人気企業の競争率は本採用と同程度かそれ以上になることがあり、そこに採用してもらうのは大変です。
面接で学生を選ぶ企業でも、まず書類選考に通過する必要があります。
応募書類の志望動機をしっかり書き、自分の意欲や企業に対する本気度を理解してもらわなければなりません。
結論から書き始める文章構成を守り、自分がインターンでどう成長したいか・何をしたいかについてわかりやすく伝えましょう。