はじめに
これから就活を始める人の中には「どうして自己分析をするの?」と疑問をもっている方もいらっしゃるでしょう。
就活において自己分析は非常に重要な役割を担っています。
しかし、自己分析をやる理由が不明瞭で明確な目的も定まっていなければ、いつまで経っても効果的な自己分析はできません。
そこで今回は、就活に活かせる自己分析のやり方について解説します。
必要性や効率の良い自己分析の進め方についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
自己分析とは?
自己分析とは、ワークによって自分自身が物事に対する考え方や、価値観を再認識することです。
人は誰しも自分の中にある判断基準から行動指針を決めており、日々、無意識に取捨選択をしながら生きています。
就活も、こうした考え方や価値観をもとにして志望企業や職種を決めることとなるのです。
しかし、普段無意識にやっている分、自分自身がもっている特徴を言語化したり、他者にわかりやすく伝えたりすることは難しいでしょう。
そこで自己分析を行って自分自身の考え方や価値観を再認識し、強みや弱みをきちんと理解しておく必要があるのです。
具体的な方法は、今までに取り組んできた学校生活やサークル・部活動、アルバイトなどを通じた経験について振り返ることとなります。
自分を深く理解できるため、より説得力のある志望動機が書けたり、魅力的な自己PRができたりするようになるでしょう。
就活において自己分析の目的とは?
自己分析をやる目的は大きく分けて4つです。
1つ目は大事な判断軸となる就活の軸を定めること、2つ目は魅力的なアピールに欠かせない自己理解を深めることです。
3つ目は志望する業界や職種を明確にすること、4つ目は選考対策につなげることとなります。
いずれも就活における行動指針を定めたり、自己PRにおけるポイントを明確にしたりすることへつながります。
つまり自己分析をきちんとすればするほど、就活の進め方はよりスムーズになり、内定へ近づけるようになるのです。
就活の軸を設定するため
就活において自己分析をする大きな理由の1つに、就活の軸の設定があります。
就活の軸とは、志望する企業の決め方や、理想とする働き方やキャリアプランを明確にすることです。
エントリーが始まった途端、就活の目的が内定獲得にすり替わってしまう学生がいます。
しかし、就活はあくまでも通過点にすぎず、これから社会に出て働きだしてからが社会人としての人生の始まりです。
自分が居心地よく働ける会社とはどのような会社か、しっかりと判断軸を設けて、学生の立場からも企業を見定めなければなりません。
こうした企業選びの判断に欠かせないのが就活の軸です。
選考を進めていくとどうしても、企業側から選ばれているような感覚に陥る場合もありますが、信念をもって気持ちよく働けそうな会社を探しましょう。
自己理解を深めるため
就活で自己分析をするのは、自己理解を深めるといった目的もあります。
自己理解とは、自身が仕事を通じてどのような事象にやりがいを感じるか明確にすることです。
どのような場面で仕事にやりがいを感じるのか、仕事を通じてどういった目標を達成したいのかを考えるには、自己理解が欠かせません。
得意とする分野や興味のある分野について理解が深まっていれば、人材としての強みや弱みが明確になります。
自己理解をきちんと深められた学生のアピールには、説得力が生まれるのです。
志望動機や自己PRも、ほかの学生と大差ない内容になることも多々ありますが、自己理解がきちんとされていれば、内容に深みが出ます。
自分をより魅力的な人材としてアピールすることもできるので、選考中に投げかけられる想定外の質問に対しても落ち着いて対応できます。
志望する業界や職種を明確にするため
自己分析がしっかりとできていると、自分の考え方に合う志望業界や職種が目指せるため、内定獲得もしやすくなります。
世の中には、実にさまざまな仕事があり、企業や職種に対する適正も人それぞれです。
多くの場合、学生の身分であれば働いた経験があるといってもアルバイト程度でしょう。
社会人にもなれば、アルバイトよりも格段に大きな責任や役割を担うことは言うまでもありません。
「業界や職種選びがなかなかスムーズに決まらない」「どんな企業で働きたいか明確にならない」という学生は大勢いるのです。
そこでおすすめしたいのは、自分に合う志望企業が見つけられる自己分析です。
自分自身のもっている判断基準や価値観が明確になるため、志望する業界や職種がはっきりと見えてきます。
選考対策に活かすため
自己分析は、すればするほど万全の選考対策が整います。
就活では、面接だけではなくエントリーシート(ES)や履歴書などで、常に志望動機を述べる場面や自己PRを書く場合があります。
よっぽど臨機応変な性格でもない限り、準備もなしに、自分に対する質問へ的確かつスムーズに答えられる人はいません。
むしろ、質問項目にしっかりと自分の言葉で答えていかなければならないため、面接の受け答えこそ自己分析を活用した練習が欠かせないのです。
自己分析をしっかりとすれば、自分自身の価値基準や判断軸がしっかりと定まります。
回数を重ねるほど、面接官から投げられる質問にも自分の言葉で答えられるため、就活の面接や書類選考の対策となるのです。
なぜ自己分析が必要なのか?
就活において自己分析が必要な理由は大きく分けて2つです。
1つ目は、就活における目的が明確になるからです。
判断軸を定めることとなるため、就活で何かに迷った際も自分の価値基準をもとにした決断を下せるでしょう。
2つ目は、相手に対して自分の強みを的確に伝えられるようになるからです。
自己分析を通じた過去の経験の洗い出しを行えば、自己PRに説得力をもたせられます。
ほかの学生とも差別化もはかれるため、内定に一歩近づけるでしょう。
就活の軸がぶれてしまい何をしたいのか不明瞭になる
就活に取り組む際は、どのような業界でどのように働きたいかを明確にしておく必要があります。
たとえば職種1つとってみても、総合職か事務職かで働き方は大きく異なります。
どのような業界で何に携わりながら仕事をするのか、やりがいを感じる場面や満足のいく給料も人それぞれです。
こうした、社会人になったらどのように働きたいかを明確にすることで、就活の軸はどんどん定まっていきます。
言い換えれば、就活の軸を定めずにやみくもにエントリーを続けているようであれば、いつまで経っても内定を獲得できません。
書類選考や一次面接は通過できても、二次面接や最終面接での決め手に欠ける受け答えをしてしまうでしょう。
判断基準さえあれば、就活における遠回りを回避し、一歩でも内定へ近づけるようになります。
自分の強みを適切に伝える必要があるため
自己分析をきっちり行っていると、自分自身の強みをより的確に相手へ伝えられるようになります。
就活では面接やES(エントリーシート)で必ずと言って良いほど、自分自身の長所や短所、魅力について聞かれる場面があります。
たとえば、面接の場では「あなたを動物にたとえると何になりますか?」といった想定外の質問が飛ぶ場合もあります。
こうした準備のできていない質問については、自己分析で明確にした自分自身の強みをもとにして対応していきましょう。
自信の強みをリーダーシップとするならライオンが当てはまりますし、信念を貫くとするならイノシシが当てはまります。
このように、自己分析で得た自分自身の特徴さえつかんでおけば、面接での質問は大抵クリアしていけるのです。
自己分析をするタイミングは?
自己分析をすべき適切なタイミングは、なるべく早く・一度で終わらせないことと心得てください。
人によっては留学や部活動などで、就活を始めるタイミングが人より出遅れる場合もあります。
しかし、自己分析は自身の判断軸や価値観を明確にしてくれるため、企業にエントリーする前であっても行っておく価値があります。
極端な話、大学1年生や2年生であっても行う意味はあるでしょう。
特に、自己分析は回数を重ねることで内容や精度が徐々に上がっていきます。
遅くとも、エントリーする段階では一段落させておいたほうが無難です。
早ければ早いほどベスト
自己分析は就活を始める前からでも取り組んだほうが良いほど、取り掛かるタイミングは早ければ早いほど良いとされています。
理由は自己分析に要する時間は、人それぞれであることはもちろん、自己を振り返ることで新たな自分を発見できる場合も少なくないからです。
また、実際に選考が進んでいく中で、自分自身の仕事に対する考え方がより明確化される場合もあるでしょう。
この場合は、再度自己分析に取り組んで、1から自分自身の考えや価値観を洗い出さなければなりません。
就職課での添削やアドバイザーからの指摘を受けて、自己分析をやり直した場合も同じです。
とにかく自己分析は焦って行うものではなく、じっくりと時間をかけて自己と向き合っていく作業だと捉えてください。
1度きりで終わらせない
自己分析を行うタイミングは、何も就活を始めた際の一度きりだけではありません。
誰しも、選考が進んでいく中で自分の考え方の変化や、価値観をより明確に感じる場面があります。
こういった必要性を感じた場面では、必ずその都度、自己分析を再度するようにしましょう。
一度就活が始まってしまうと、履歴書の準備やエントリーシートの記入でかなりの時間を取られてしまいます。
それでも自己分析は複数回行っておくと、自分自身の考え方や判断軸が明確になるのでおすすめです。
重要な面接を控えている、いくつかの企業にエントリーして二次エントリーを考えているなら必ず行いましょう。
より端的かつ的確に自分自身の魅力をアピールできるため、内定へと近づきやすくなることは言うまでもありません。
どのように自己分析を行えば良いのか?
自己分析の詳細なやり方は、具体的に3つのステップに分かれています。
まず、過去に自分自身が経験したことをしっかりと書き出し、一つずつを深掘りしていきます。
どのような経験であったか、なぜその経験をするに至ったのか、そのときの自分の気持ちにも触れられていると良いでしょう。
次に過去の経験から、自分自身の性質を把握するのです。
考え方や行動指針を背景にした長所や短所、性格的な部分をより具体的に言葉に落とし込みます。
そして、最後に自己分析の結果を第三者に話して客観的な意見をもらいます。
過去を深掘りする
自己分析で欠かせないのが経験の深掘りです。
自己分析では、これまでの経験を通じて自分が感じた思いや物事に対する考え方をヒントに、自分というパーソナリティをより明確なものにします。
過去に自分がどういった物事に取り組んできたのか、なぜその経験をするに至ったかを考えることで、判断基準や価値観を明確にするのです。
また、過去の経験における苦労や困難を乗り切った創意工夫などが考えられると、経験によって得られた学びをよりはっきりさせます。
単純に自分自身の思い出を回想するのではなく、こうしたポイントに注目しながら自分に影響を与えた過去の経験を整理していきましょう。
こうした自己分析ができていれば、パーソナリティや魅力をより的確に捉えたアピールができるようになるのです。
自分の性質を書き出しする
自己分析では、自分の長所や短所、性格的な特徴を思いつく限り箇条書きにして書き出してみましょう。
誰しも、自分自身のことはわかっているようでよくわかっていないもので、はじめのうちは自己PRを文章や言葉にして伝えるのは難しいものです。
むしろ平然と自分自身を売り込めるような学生なら、在学中に起業できるくらいのポテンシャルを秘めているため、就活をする必要もありません。
まずは断片的でもかまわないので、自分自身を構成する要素について思う就く限り箇条書きしてみてください。
こうしたエッセンスが抽出できる作業は、自己分析がしっかりとできているかのセルフチェックにもなります。
いくつかの要素を抽出したうえで、そこからさらにグルーピングや掘り下げを行えば、パーソナリティにおける共通項や新たな気づきがあるでしょう。
人に相談してみる・客観的な意見をもらう
自己分析は、適度に人に相談しては客観的な意見をもらいながら、内容を精査していくのもおすすめです。
就活が始まって以来、自己分析をやり込んでいる人の中には、考えすぎるあまり自己分析が進まず、結果がまとまらないという人も出てきます。
また、自分では気づいていない性格的な特徴や長所・短所は他人のほうがよく理解している場合もあります。
つまり、自己分析は自分でじっくり考え込むことも大切ですが、適度に人の意見を聞くことも必要なのです。
意見を求める第三者についても特にこれといった決まりはなく、親や就職課の先生・アドバイザー・同じ就活中の学生でもかまいません。
むしろ意見がもらえればもらえるほど、自己分析に有益と判断してください。
テンプレートツールなどを活用
自己分析をよりスムーズに進めるならテンプレートツールの活用も検討してみてください。
過去の経験を洗い出し、そこから出来事一つひとつを深掘りするにはある程度のコツが必要です。
それぞれの経験を丁寧に振り返ることも重要ですが、深掘るあまり1つの経験に執着して、自己分析が進まないようでは意味がありません。
自己分析のゴールは、自分自身を正確に理解して、他人へわかりやすくプレゼンテーションできるようになることです。
誰が聞いてもターニングポイントがわかりやすい自分史を作るには、客観的なツールやグラフがあると便利でしょう。
こうした自己分析には、テンプレートを使えばよりスムーズに自己分析を進められます。
より具体的な自己分析の進め方を知りたいという方は、こちらのサイトを参考にしてください。
まとめ
どのような経験をしてきた学生であっても、自己分析を飛ばして就活を進めることはできません。
誰にでも語れる過去の経験やエピソードはありますが、それを自分の性格的な特徴やアピールと結び付けるには、自己分析が欠かせません。
過去の経験を一つずつ振り返るため、相当な時間を必要としますが、きちんとやり込めば、相性の良い職場や仕事と出会える可能性も高まります。
自己分析は、行う目的や進め方をきちんと理解し、必要と感じたときには何度行ってもかまいません。
自分自身をきちんと理解して今後の就活へ活かしましょう。