はじめに
就職活動が始まった当初は、就活生は初めての経験に戸惑いながらも必死でエントリーシートを作成し、これまでにない緊張感の中で面接を受けていました。
そして、就活が進んでいくにつれ、志望先の企業から無事に内定をもらって就活を終えたり、複数の企業から内定を獲得したりする就活生が増えていきます。
一方「無い内定(NNT)」という言葉があらわす通り、どの企業からも内定をもらえず、持ち駒がなくなってしまって焦る就活生も出てくるでしょう。
内定が取れない人には、必ず何かしらの原因があり、それを改善すればチャンスはまだたくさん残されています。
今回は、就職活動で内定が取れない原因とその対処法について解説します。
まだ内定をもらえていない方は、ぜひ参考にしてください。
【内定ない】そもそもNNTとは?
就活を進めていると、NNTという言葉を目にすることがあるかもしれません。
NNTとは「無い内定」の略で、就職活動を行っているにもかかわらず、いまだに1社からも内定が獲得できていない学生をあらわす造語です。
正式な内定通知書を出す前に、企業が口頭で採用の旨を伝える「内々定」にかけて作られました。
実際にまだ1つも内定のない学生が自虐的に使うことが多く、SNSなどでお互いの就活の進捗を伝え合うような場面で耳にします。
「周囲は着実に内定をもらっているのに自分は落とされてばかり」といった焦りや、絶望的な気持ちが込められていることもあるでしょう。
早い人では春の段階ですでに内定を得ており、10月になってもNNT状態である方はなんらかの対策が必要です。
【内定ない】無い内定になってしまう原因
自分では必死に就活しているつもりであっても一向に内定が出ない場合、何かしらの根本的な問題があると考えられます。
その問題を解決できれば、どこかしらの企業から内定をもらえるはずです。
やみくもに就活を行うのではなく、今までの活動内容を振り返って、どのような問題があったのか検討してみてください。
そして、その問題点を解決するための努力を惜しんではなりません。
以下で、いつまで経っても内定を獲得できない学生の特徴をあげます。
ご自分に当てはまる点がないか、振り返ってみましょう。
そもそもエントリー数が少ない
行きたい会社だけに絞ってしまうと、無い内定になってしまう危険性があります。
もちろん、就活の成否はエントリー数で決まるわけではなく、ただ選考を受ける会社の数を増やしただけでは、内定獲得につながるわけではありません。
しかし、最初からわずかしかないチャンスだけに賭けているようでは、不採用だったときの替えが利かず、すぐに持ち駒がゼロの状態になってしまいます。
そのときになってはじめてほかの企業を受けたいと思っても、すでに募集を打ち切っている可能性も十分にあるでしょう。
また、ほかの企業に目もくれないことで、一種の視野狭窄に陥っていることも考えられます。
就活中は可能な限りたくさんの企業を知り、なるべく広い視野をもてるように意識すると良いでしょう。
競争率が高い人気企業ばかりにエントリーしている
誰もが名前を知っているような大企業ばかりを狙ってはいませんか。
多くの学生が集まる人気企業の倍率は100倍を超えることもあり、書類選考を突破するだけでも至難の業です。
したがって、確実に内定を手にしたいのであれば、自分が行きたいと思った企業ばかりをねらうのではなく、ほかの企業にも視野を広げるべきです。
たとえば、大手企業のグループ会社であれば、親会社ほど知名度はなく学生が集まらないこともあり、採用される可能性は高くなります。
また、まだ無名のベンチャー企業も必死に優秀な学生を探している場合があり、比較的採用されやすい傾向にあるでしょう。
知名度などに縛られず、さまざまな企業に目を向けると、自分に合った企業との良い出会いがあるかもしれません。
企業研究が足りない
企業研究が不十分であると、就職活動はうまくいきません。
志望企業に関する知識が足りないと、企業の求めている人材の把握ができないため、自分自身の何を企業にアピールすれば良いのかわからないまま選考を受けることになってしまいます。
企業研究が足りないと、ありきたりな志望動機しか作れないでしょう。
就職活動においては、企業研究と自己分析は決しておろそかにできない作業です。
今一度、企業についての知識を整理し、あわせて自己分析をして企業へのアピールすべき部分を明確にするなど、事前準備をしっかり行いましょう。
将来のビジョンがはっきりしていない
企業に高く評価されるためには、自分が将来その企業で何をしたいと考えているのかを明確に伝えなければなりません。
将来を見据えて、その企業を志望していることが伝えられなければ、企業は安心して内定を出せません。
企業に自分を採用するメリットを感じてもらうためには、自身の将来のビジョンを明確にし、自身の目指している将来の理想の実現がその企業で叶えられることを伝える必要があるのです。
具体的なキャリアビジョンの作り方については、以下のページで解説しているので参考にしてみてください。
マナーに問題がある
エントリーシートの作成や、面接で語る内容に対する対策が万全であったにもかかわらず、採用につながらないという場合には、マナーが問題である可能性もあります。
書類選考で、どんなに良い評価が得られている人でも、面接で実際に対面したときの印象が悪ければ、採用にいたることはまずないでしょう。
身だしなみや言葉遣い、時間を守るなど最低限のマナーに問題がないか、今一度振り返ってみましょう。
面接ではスキルや経験はもちろん、人間性も見られています。
書類上ではどんなに優秀そうに見えても、社会人として守るべきマナーが守れていない場合は、採用には至りません。
応募書類に不備がある
内定はもとより、そもそも面接までなかなか辿りつけないという人の場合には、応募書類に不備があることで落とされている可能性もあります。
応募書類の内容について、十分に対策をして作り込んだつもりであっても、誤字脱字があったり、文字数の指定が守られていなかったり、細かい部分で不備があったことも考えられます。
企業に評価してもらうためには、一見些細に思えることでも気を抜かずにしっかりと確認をするのが重要です。
落ちた原因を分析しないで選考を受けている
採用選考に落ちたあと、そのまま別の企業の選考を受けようとしていませんか。
残念ながら選考に落ちてしまった場合は、なぜ企業側に認めてもらえなかったのか原因をはっきりさせて、次の対策を練る必要があります。
たしかに、一度落ちてしまった企業の振り返りをしても、その企業に入社できるわけではありません。
しかし、落とされる原因は各社である程度共通していることもあり、良くなかった点を改善しない限り、次の会社も望みは薄いと言って良いでしょう。
落ちた原因を探るのはつらい作業かもしれませんが、就活を最終的に成功させるためには必要な作業です。
採用選考を受けた際は、必ず振り返りを行い、何が失敗だったのかを分析し、それを次へ活かせるようにしましょう。
【内定ない】内定が取れないときのNG行動
周りの友達が内定を獲得していく中で、自分だけがいつまでも内定がもらえないと、焦りから本来の就職活動の目的を見失ってしまうことがあります。
ここでは、内定を取れないときに取りがちなNG行動を確認しておきましょう。
やみくもに企業を受ける
とにかく内定を獲得したがために、内定をもらえそうな企業の選考をやみくもに受けてしまうことは、避けたほうが良い行動です。
就職活動は、自分自身が将来にわたって仕事をしたい企業に就職するための活動です。
何を軸とするかを明確にし、自分の仕事に対する価値観を大切にして企業を選ばないと、たとえ受かったとしても長く勤められないかもしれません。
たとえ内定はもらえても、自分に合わない会社に入社することになるのであれば、就職活動をする意味がありません。
就職活動の目的を見失っていないか、今一度振り返ってみましょう。
1人で就活を進めてしまう
頑張っていても、なかなか頑張りが実を結ばないときには、何か原因があるはずです。
あまりに結果が出ないときには、そのまま1人で就職活動を進めてしまうことは避けたほうが良いでしょう。
良くない状況が続き自信をなくした状態では、表情も暗くなりがちで、面接において良いことはありません。
内定が取れない焦りや自己嫌悪から悪循環に陥ってしまう前に、友人や就活エージェントなど第三者に客観的なアドバイスをもらってみるなどして、内定を取れない原因に気付くことが大切です。
内定が取れた企業を深く考えずに承諾してしまう
内定が取れずに焦っている状態のときに、やっと内定がもらえると、勢いにまかせてその企業への入社を承諾してしまう人もいます。
もちろん、志望度の高い企業からの内定であれば問題ありませんが、焦りから決断を急いでしまっていないか考えてみることが大切です。
内定をもらえたということは、これまでの問題点が解決できているという証拠かもしれません。
ひとつ内定を取れると自信も付き、これから良い流れに変わっていく可能性もあるため、焦って決めることは避けましょう。
本心からその企業で働きたいのか、落ち着いて考える必要があります。
【内定ない】内定が取れないときの対処法とは?
先ほどあげた無い内定になる原因が見当たらないのに、どうしても内定が取れないこともあるでしょう。
そのようなときには、初心に返って就活の大切な部分からやり直す必要があります。
自分には根本的に何が足りていないのか確認し、その点を補うことが重要なのです。
焦ってやみくもにエントリー数を増やすよりも、まずはこれまでのご自分の就活を振り返ってみましょう。
ときには信頼できる誰かに頼ってみても良いでしょう。
以下で、内定が取れないときの対処法を紹介します。
自己分析をやり直してみる
就活がうまくいかず、どこからも内定が取れない場合は、自己分析をやり直してみましょう。
自己分析は、就活の根幹であり、出発点でもあります。
その自己分析をやり直してみることで、新しい気づきがあるかもしれません。
内定が得られないのは、企業にやる気が伝わっていないことを理由の1つにあげられますが、自分自身のモチベーションは高く保てているでしょうか。
自分史やモチベーショングラフなど、基礎的な自己分析をやり直せば、自分が本当にやりたかったことを再発見できるかもしません。
本当にやりたいことが見つかれば、就活へのモチベーションが高まり、面接でも今までとは違った手応えを感じられるでしょう。
面接官にもご自分のやる気が伝わるようになるはずです。
就活のやり方を変えてみる
どうしても就活がうまくいかない場合は、思い切って就活のやり方を変えてみましょう。
これまでのやり方を否定するわけではありませんが、内定が出ないのは、何かしら不足していた部分があるということなのです。
したがって、その不足部分のやり方を変えてみれば、新たに道が開ける可能性は高いでしょう。
これまでのやり方を変えることに不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、心機一転してやり方を変えてみれば、何かしら得られるはずです。
就活の進め方に正解はなく、ぜひ試行錯誤しながら自分に合ったやり方を見つけてください。
企業研究をさらに深掘りしてみたり、自己PRを練り直したりするなど、まだまだできることはたくさんあります。
面接練習を積む
書類選考は通過できても、いつも面接でつまずいてしまうという場合は、面接の練習を積む必要があります。
面接に苦手意識がある人や自信がない人、緊張しすぎて失敗が心配な人は、とにかく練習を積んで面接慣れしておくことが大切です。
面接は回数を重ねるほど、答え方のコツなどが身についていきますが、面接へ進んだ回数が少なければ経験不足のままです。
なかなか面接まで進めないという人も、模擬面接などを重ねて経験不足を補い、いつでも本番の面接に挑めるようにしておきましょう。
企業との相性が悪かったと考える
採用にいたらなかった理由は、そもそも企業との相性が悪かっただけであった可能性もあります。
自身にとってミスマッチな企業に就職が決まったとしても、その就職活動は成功とはいえないでしょう。
企業側でも、ミスマッチな学生を採用してしまえば早期退職につながるため、どんなに優秀な学生であっても、自社に合わない人物だと判断されれば採用にはいたりません。
もちろん反省や振り返りは大切ですが、自分には合わない企業だったのだと、気持ちを切り替えることも大切です。
誰かに相談してみる
無い内定が続いてしまいそうな場合は、早めに誰かに相談してみましょう。
自分1人だけで就活を行っていると、どうしても視野狭窄に陥りやすく、これは内定をもらえない主な原因の1つです。
そこで、友達や大学の先生、サークルやアルバイトの先輩などご自分のことをよく知っている人に相談してみましょう。
そうすれば視野が広がり、考えた方が変わる可能性もあります。
自分自身でも気がついていなかったような可能性に気づけることもあるでしょう。
無い内定が続くと、社会に自分が必要とされていないような気がして、卑屈な気持ちになってしまうときもあるはずです。
しかし、そのような気持ちも誰かに相談することで解決するかもしれません。
行き詰まったら誰かに相談して、打開策を見つけましょう。
一回就活から離れてみる
不採用が続くと、焦りや自己嫌悪から、客観的な分析や振り返りができない状態に陥ってしまうこともあります。
表情や立ち居振る舞いにマイナスな雰囲気が表れてしまうと、悪い状況を脱するのが難しくなってしまいます。
あまりにも思い詰めている状態であれば、一度就職活動から離れてみるのもひとつの手段です。
失敗を次の一歩の糧にする気力がなくなってきたと感じているなら、思い切って期間を置くなど、気持ちのリフレッシュが必要かもしれません。
就活エージェントを利用しよう!
就職活動に行き詰まったときには、就活エージェントの利用も考えてみましょう。
就職活動のプロに相談することで、今まで気付けなかった自身の就活の欠点がわかるかもしれません。
そして、自分に合った就職活動のスタイルを確立できれば、状況を好転させられます。
エントリーシート対策や面接練習はもちろん、就職活動にまつわるあらゆることについて内定獲得まで、マンツーマンでサポートしてもらえます。
気になる方は、以下のページから詳細を確認してみてください。
【内定ない】秋冬採用を狙おう!
就職活動は、就職解禁時期である3月から始まる春・夏採用が一般的で、夏までには採用活動がほぼ終了します。
しかし近年は、10月以降から卒業直前まで採用活動を行う「秋・冬採用」を導入している企業も増えています。
内定獲得のチャンスはまだまだあるので、秋冬採用を狙いましょう。
秋冬採用のメリット
一般的に秋冬採用を行うのは、春夏採用で内定を出した学生の内定辞退により、採用人数に達しなかった企業が多いです。
中小企業やベンチャー企業が多いのは確かですが、大手企業であっても競合他社が多い企業では、想定以上に内定辞退者が多く出た場合に、秋冬採用が行われることがあります。
また、大手企業の子会社なども秋冬採用を行うことが多いので、知名度は低くても福利厚生が充実しているなど、優良な企業に出会える可能性があることがメリットです。
急成長中のために春夏採用で採用した人数では足りなくなり、秋冬にも募集を行うことになった、将来へ期待が大きいベンチャー企業に出会える可能性もあるでしょう。
また、入社の時期が近いことから、春夏採用の場合と比較して、選考のフローが短いこともメリットのひとつです。
秋冬採用のデメリット
近年増えてきているとはいえ、春夏採用に比べれば、秋冬採用を導入する企業の数はまだまだ少ないのが現状です。
そのため秋冬採用では、企業選択の幅が狭くなってしまうことが大きなデメリットといえます。
また学業や研究、留学などで春夏採用の就職活動に、十分な時間を割けなかった優秀な学生と出会う目的で秋冬採用を導入している企業では、優秀な学生と採用枠を争うことになります。
内定を持った状態で、より自身に合った企業を求める目的意識の高い学生が応募してくることもあり、選考の基準が厳しくなりやすいこともデメリットです。
加えて春夏採用で採用予定人数を確保できなかった企業では、人手不足であることも考えられ、場合によっては労働条件が厳しいブラック企業可能性もあるので、注意が必要です。
まとめ
就活を行っているのに一向に内定が出ない状態を「無い内定(NNT)」と呼ぶことがあります。
努力しても内定をもらえない理由はいくつか考えられ、有名企業にこだわらず無名な企業でも優良なところを探したり、エントリー数を増やしたりする必要があるでしょう。
また、どうしてだめだったのかをきちんと分析し、次につなげていくための努力が必要です。
就活のやり方や自己分析についても、足りない部分がなかったかどうか検討してみてください。
思い切って誰かに相談してみるのも良い方法です。
そして、今や多くの学生が就活エージェントを利用しており、今は1人で就活を進めるような時代ではありません。
内定の獲得に有効なものは積極的に取り入れていきましょう。