はじめに
就活に欠かせないものといったら履歴書です。
書類選考を通過するための判断材料としての役割があることから、その重要性がわかるでしょう。
今回はそんな履歴書を書いて提出するまでのマナーについて解説していきます。
マナーを疎かにすると、履歴書の内容を見る前に選考から落とされる危険性もあるのでしっかり理解しておきましょう。
また、すでにマナーは大丈夫と思っている人も、最終チェックの意味で今回の記事を役立ててみてください。
【履歴書のマナー】転職用の履歴書の選び方
履歴書が特に重要なのは転職時です。
人事が扱う公的な書類なので、間違いがないようにチェックすることが重要です。
しかし、履歴書には種類がいくつかあるため、どれを選んだら良いか迷う人もいるでしょう。
基本的にはどの履歴書を使っても良いのですが、次では主な転職向けの履歴書の種類を紹介します。
履歴書の種類によってそれぞれの項目に設けられている幅が異なる場合や記載できる項目も違う場合があります。
自分にとって適切な種類を選択することで、書類選考を有利に進められることや上手にアピールすることが可能でしょう。
企業から特に指定がなければ、サイズはA4がおすすめです。
指定がある場合は、必ず指定の書式やサイズの履歴書を選びましょう。
JIS規格の履歴書
JIS規格の履歴書は学歴・職務欄が長く、フリースペースが少ないことが特徴です。
このタイプの履歴書のメリットは自身のキャリアを十分にアピールできる点です。
さまざまな業務や仕事を経験している人や社会人経験が長い人にとって、自身の経歴をしっかり記述できるJIS規格は向いているでしょう。
今までの経験や職歴を重要視する企業を選考する場合も好印象を与えられる規格であると言えます。
しかし、フリースペースが短いことで、自己PRや長所などのアピールには弱い場合もあります。
人柄やその人らしさを大事にしている企業にとっては、個性がわかりづらいJIS規格は不利な点もあるため注意が必要です。
職歴自体がアピールになる人はこちらの規格を選ぶと良いでしょう。
転職者用の履歴書
転職者用の履歴書では職務経歴用紙がセットになっている、または退職理由を記載できる項目があります。
転職で重要になるのは、今まで自身が経験した仕事によって得られた知見や技能が転職先で活かせるかどうかでしょう。
転職者用の履歴書では幅広い仕事を経験しており、転職回数が多くJIS規格では書ききれない人におすすめです。
アルバイト経験が多い人もこちらの履歴書を用いると、転職先の企業で自身が活かせることの幅を広げられます。
興味を惹く技能や経験があれば、面接でも深掘りしてアピールすることが可能になるでしょう。
転職するにあたっての理由が後ろ向きなものでないならば、こちらの履歴書で記述することにより納得度を上げることにもつながります。
【履歴書のマナー】履歴書を書く時のマナー
履歴書を書く際はマナーに気を付けなければいけません。
企業に提出する公的な書類に不備があると、社会人として最低限のルールやマナーが備わっていないと思われる可能性もあります。
自身の経歴や技能にかかわらず、そういったマナーが欠けていることにより一緒に働きたくないと思われてしまう場合もあるのです。
次からはそういった事態を防ぐために、履歴書を書いて提出するまでに気を付けるべきことを細かく解説していきます。
選考で悪い印象を与えないため、しっかり理解しておきましょう。
黒のボールペンを使用
履歴書は公的な書類であるため、文字の書き換えができる鉛筆やシャーペン、消せるボールペンなどを使用することは一般的にマナー違反となってしまいます。
ほかの候補者と差異を出そうとして色付きのボールペンを使用する人もいますが、公的な書類で色付きのペンを使うことは基本的にないので違和感を与えます。
また、色付きのものでは見にくい場合や良くない印象を与えてしまうおそれもあるため、必ず黒のボールペンを使うようにしましょう。
御社ではなく貴社
「御社」と「貴社」はどちらも相手方の企業を指す敬称ですが、「御社」は話し言葉で「貴社」は書き言葉です。
履歴書で用いる場合は書き言葉の「貴社」が適しています。
よくある間違いの一つですが、ビジネスマナーにおいては常識とされています。
細かいことですが、こういった部分からマナーを判断する企業もあるので間違えないようにしましょう。
また、病院は「貴院」、銀行は「貴行」と呼ぶので、自身が志望する業種によって使い分けることが大切です。
間違えたら書き直す
履歴書は公的な文書なので、偽りや間違いがあってはいけません。
書いている途中や見直しの段階で間違いを発見した場合は、絶対に修正テープや二重線での訂正をせずに新しく書き直しましょう。
間違いを手直しした状態で提出すると再提出を求められ、二度手間なうえに、横着な性格という印象を与えてしまうおそれがあります。
ビジネスにおいて、大事な書類を不備なく提出するというのは当たり前にできてほしいこととなり、履歴書というのはそれを最初に判断できる材料となるのです。
【履歴書のマナー】履歴書を入れる封筒のマナー
履歴書を書く際にどのようなマナーがあるか理解できたでしょう。
履歴書を書いた後はそれを封筒に入れて提出しなければいけません。
この時にもいくつか気を付けるべきことがあります。
履歴書を封筒に入れるだけではと思う人もいますが、この段階で見落としていることや見られていることは意外と多いのです。
次では履歴書を書いた後の封筒に入れる時のマナーを解説するので、今手元に履歴書と封筒がある人は一つひとつ確認しながら行ってみてください。
封筒の準備
まずは履歴書を入れる封筒を用意しましょう。
封筒は基本的にどこでも購入できるので、コンビニやスーパー、文房具店で目当ての封筒を探してください。
また、基本的に履歴書は二つ折りで封筒に入れますが、企業から二つ折り不可の指定がある場合は折らずに入れられる履歴書用封筒を選びましょう。
三つ折りや四つ折りなどは扱いが難しくなる場合や減点対象となる場合があるため、企業から許可がない場合はこれらの折り方をしないほうが良いでしょう。
封筒の色は白
履歴書を入れる封筒の色は白・茶・青などがありますが、基本的には白を選ぶと良いでしょう。
茶封筒は企業の一般業務でも使用されるため、業務書類と混ざってしまう可能性があります。
茶封筒だからといって面接に落ちるわけではないですが、こういった配慮や気配りをする姿勢は大切になります。
また、白は茶などの色に比べて清潔でビジネスにふさわしい色という認識があるので、面接官に少しでも良い印象を与えたいと思っている人も選ぶべきでしょう。
添え状を入れる
添え状・送付状とは書類を郵送する際に同封する書類のことです。
日付や氏名・連絡先、宛名や同封書類の一覧などを記載しておきましょう。
封筒を開けて最初に目にする書類となるように、封筒の最前面に履歴書と重ねて同封しておきます。
詳しい書き方についてはテンプレートなどがあるため、それに沿って書くと良いでしょう。
添え状の同封は特に指定がないことも多いですが、書類を郵送する際のマナーの一つなので忘れず封筒に入れましょう。
クリアファイルにまとめる
企業の担当者が書類を扱いやすくするため、必要書類をすべてクリアファイルにまとめておくと良いでしょう。
書類を管理しやすいだけでなく、折れ曲がりや濡れなどから種類を守ることができ、きれいな状態で書類を届けることが可能です。
クリアファイルは封筒の大きさに合ったものを新品で購入し、中の種類が見えるよう無色透明なものを選びましょう。
履歴書を手渡しする場合もクリアファイルに入れておくことで、書類を汚さずそのまま面接をスタートすることが可能です。
添え状、履歴書、その他の書類の順番でまとめましょう。
封筒の記載
履歴書などの書類をまとめて封筒に入れる際のマナーについて理解できたでしょう。
次は封筒自体に記載する内容について解説します。
封筒に記載しておくことで、それがどういった書類か、誰のものかというのが中身を見なくても判断できるでしょう。
重要な書類の封筒に必要な情報を記載しておくのは、提出する際に気を付けるべきマナーと言えるのです。
封筒に何を記載したら良いか、何を記載するべきかわからない人は必ず理解しておきましょう。
表面に宛先を書く
封筒の表面に応募する相手企業の住所を記載しましょう。
封筒の右上に郵便番号、その下に右寄せで住所、中央に履歴書の宛名を書きます。
社名は(株)などと省略せずに、正式名称を書きましょう。
宛名は住所よりも多い文字で書き、全体的なバランスに気を付けると良い印象を与えられます。
送付先の部署が指定されている場合は、「御中」を、個人の場合は「様」を付けましょう。
宛名や住所、会社名に一つでも間違いがあると失礼にあたるので、何度も確認しておくことが大切です。
朱書きする
何が入っているか一目でわかるように、封筒の表面に「履歴書在中」と朱書きして四角で囲みます。
履歴書以外の応募書類が入っている場合は「応募書類在中」と書くようにしましょう。
うまく記載できる自信がない人や赤字のペンが手元にない場合は、「履歴書在中」や「応募書類在中」のスタンプを使うのも良いでしょう。
また、封筒選びの段階ではじめから朱書きが印刷されているものを選ぶの良い方法です。
スタンプなどを用いても印象には特に影響しないので、積極的に活用しましょう。
〆のマークを書く
閉じ口にのりで封をしたら中央部分に〆のマークを書きましょう。
これは封をした証明と宛先以外で開封されることを防ぐためのビジネスマナーです。
封を先にしておかないとズレて意味がなくなってしまうので、必ずすべての書類を入れ終わり封をした状態で書きましょう。
細かいことですがこういった気遣いは採用には直結しないものの、相手に良い印象を与えるためにも役立ちます。
社会人としてのマナーを見られる場面では細部に気を配ることが大切です。
【履歴書のマナー】履歴書を提出する時のマナー
ここまでで履歴書を書き、書類を封筒に入れるまでのマナーがひと通り理解できたでしょう。
履歴書を封筒に入れた後は、志望する企業へ提出しなければいけません。
履歴書は企業からの指定によって、提出する時の方法が異なります。
そのため、それぞれの提出方法によって気を付けるべきマナーがあるのです。
次では履歴書を提出する時のマナーについて、提出方法別に解説します。
どちらの提出方法でも対応できるように、しっかり理解しておきましょう。
郵送する場合
企業によっては履歴書を当日に提出するのではなく、あらかじめ郵送での提出を求められる場合があるのです。
書類選考を実施している企業では、応募フォームではなく郵送での送付を採用している企業も数多く存在します。
企業側としては、前もって履歴書に目を通せることで志望者の詳細を理解することができ、面接を効率良く進められるというメリットがあるでしょう。
郵送は利用したことがない人も多く、馴染みのない人は特にマナーや手順を確認しておきましょう。
普通郵便で送る
履歴書は一般信書であるため、郵便以外での送付は禁止されています。
メール便や宅配便では受け取ってもらえない可能性もあるため、必ず郵便窓口から郵送しましょう。
郵送する場合は配達状況を確認することができる簡易書留が利用できます。
しかし、ポストではなく直接の受け取りになり相手方の手間となるため、簡易書留はマナー的には控えたほうが良いでしょう。
また、郵便物に貼る切手の種類も間違えないように事前に調べておくことが大切です。
応募期日を厳守する
郵送で送る場合は、当然届くまでに数日かかります。
そのため、応募期日ギリギリに提出したのでは間に合いません。
提出期限を過ぎた履歴書は基本的に受け取ってもらえないため、応募期日を把握し余裕を持って提出しましょう。
また、期日には「必着」と「当日消印有効」があります。
必着はその日までに郵便物が届いた場合のみ受け取り、当日消印有効であればその日までに郵送し当日の消印が押されていれば受け取ってもらえます。
応募企業がどちらかは必ず確認しておきましょう。
手渡しする場合
郵送での送付を求める企業に対して、当日に履歴書を持参して面接にあたる企業があります。
郵送などをする際に準備する手間がなく、人事担当者も書類の管理や準備をしなくて済むというメリットがあるでしょう。
郵送と同様に、履歴書を面接の当日に手渡しで提出する場合も気を付けるべきマナーがあります。
手渡しの際にマナーができていると親切や丁寧などの印象を与え、その後の面接でも有利に働く場合があるので把握しておきましょう。
封筒に入れる
手渡しでも郵送の時と同様に、書類をクリアファイルにまとめて封筒に入れておきましょう。
当日持参の場合はバッグなどに入れて持ち運ぶため、汚れたり折れたりする可能性があります。
封筒に入れずに皺になった履歴書を提出すると、入社してからも重要な書類をずさんに扱うのではないかと思われてしまうでしょう。
履歴書を持参する場合は宛先などを書く必要はなく、裏に住所や氏名などの情報を記載します。
朱書きも忘れずに行いましょう。
提出する際は封筒から取り出す
採用担当者に提出する場合は封筒から出し、封筒の上にクリアファイルを重ねて提出しましょう。
こうすることで採用担当者の手間を省けるので、マナーができていることを印象付けられます。
書類は両手で持ち、相手が文字を読める向きで提出するのもポイントです。
また、受付で提出する場合は封筒から出さないことに注意しましょう。
意外とできていない人や忘れている人も多く、こういった箇所にマナーを求める担当者もいるため押さえておきましょう。
【履歴書のマナー】履歴書を書く時によくある疑問
履歴書を書いて封筒に入れ、志望企業に提出するまでの一連のマナーについて解説してきました。
最後に、履歴書を書く時に多くの人が持つであろう疑問について解説して終わります。
実際に書いてみないとわからないこともあるので、事前に知っておくことで間違った記載や時間の無駄を防ぐことが可能です。
現在書いている途中や書き終わった人も、見直しをして認識違いや知らなかったこともあるかもしれないので、ぜひ最後までご覧ください。
履歴書の日付はいつ?
履歴書には日付を記入する欄があります。
この日付には履歴書の提出日を記入しましょう。
郵送なら書類を郵送した日、提出先企業のポストへ投函する日を、持参なら企業に持ち込む当日の日付を書きます。
あくまでも提出する日なので、間違えて履歴書を書いた日にしないように注意してください。
和暦と西暦はどちらを使用しても良いですが、履歴書全体で統一させることに気を付けましょう。
統一させることで時系列の理解がスムーズになり、余計な混乱を防ぐことができます。
数字はアラビア数字or漢数字?
日付はアラビア数字で記載することが原則です。
アラビア数字は横書きで、漢数字は縦書きの時に使うという慣習があります。
履歴書は横書きの書類のためアラビア数字を使うのが普通でしょう。
生年月日や職歴などで和暦を書く際に迷う人もいると思いますが、横書きの場合は一貫してアラビア数字と覚えておきましょう。
ただ熟語や地名などの固有名詞を使う際はアラビア数字だとおかしいため、漢数字が入る一つの言葉として成立する場合はそのまま書いたほうが良いのです。
学歴はどこから書けばいい?
学歴はどこから書けば良いかは明確に定められているわけではないので、疑問に感じる人もいるでしょう。
一般的には義務教育が終了する中学校卒業から書くことが多いでしょう。
特に職歴が長い人は、高校入試より前から学歴を書いてしまうと入らなくなってしまうおそれがあります。
自分がどのような意志や目的で進路を選んだのかが一目でわかるように、中学卒業から書くと効果的です。
学校名を記載する時は省略せずに、正式名称で記入することに注意してください。
写真の服装は?
履歴書の写真で着用するのはスーツが基本です。
皺や汚れに気を付け、清潔感があるような写真を選びましょう。
フォーマルな場にふさわしい落ち着いた色を選び、ネクタイによっても印象は変わるため派手すぎる色は避けましょう。
また、履歴書の写真は相手に与える最初の印象なのです。
そのため、前髪で隠れて顔が見えなくなっていないか、暗い雰囲気になっていないか、逆に表情が明るすぎないかなど、服装と同時に身だしなみや相手に与える印象にも気を付けましょう。
封にテープを使って良いのか?
封をする時にはスティックのりや液体のりがベストです。
ただ、スティックのりは液体のりに比べて粘着性が弱いため、確実なのは液体のりでしょう。
なぜなら履歴書は個人情報も入っている大切な書類なので、剥がれやすいものを封に選ばないほうが良いのです。
両面テープでも代用できますが、剥がれやすく再度封がしやすいセロハンテープは絶対に使用しないようにしましょう。
封をする際は揃っていない場合や雑にやると、悪い印象を与えてしまうこともあるので、丁寧さと確実性が重要です。
おわりに
今回は履歴書を書いて封筒に入れ、提出するまでのマナーについて解説してきました。
履歴書を出すという簡単な作業ですが細かいところでマナーが必要になり、社会人としての振る舞いを判断されるところでもあるため、適当にやらずしっかり押さえておきましょう。
郵送する場合と手渡しする場合では、気を付けるマナーも異なるのでしっかりと理解することが重要です。
郵送する時は提出日に気を付け、手渡しの場合は書類の扱いや提出時に封筒から出しておくことを覚えておきましょう。