はじめに
総合商社から転職をしたいと考えているけど、転職市場での評価がわかりにくく、悩んでいる方もいるでしょう。
実際に総合商社出身は幅広い分野で仕事を行うため、転職市場での評価はさまざまです。
そのため「別の業界への転職もしにくい」と考えている人もいるでしょう。
実際に別業界への転職は困難かもしれません。
しかし、総合商社での経験を活かせる業界はいくつもあります。
転職で評価される、商社マンが持っているスキルの中に営業があることを忘れてはいけません。
また総合商社からの転職のときに、気をつけるべきポイントについても説明します。
総合商社出身者が転職市場で評価されるポイント
総合商社出身は、その仕事内容から営業が得意と評価されやすいです。
幅広い業界の企業同士の仲介を行っているため、業界への知見が深いのも特徴的でしょう。
受け持っている業務内容も人によって大きく変わることはありません。
また、完全に専門的な仕事と違い、業務内容がさまざまです。
そのため、際立った専門性は身につきにくいともいわれています。
しかし、凡庸的な能力であるさまざまな環境で行った営業や投資能力は、転職市場で評価されやすいでしょう。
その凡庸的能力は、幅広い分野から転職先の業界を選べる理由にもなります。
ただし、同じ総合商社でも人それぞれ得意とする業務内容は違うでしょう。
別の業界を選ぶ際は、自身の強みに合わせた業界を転職先に選びます。
すると、転職先の企業に何が得意か明確になるため、印象も良くなるでしょう。
また海外事業をしていたのであれば、グローバルな企業からもその経験を評価されやすくなります。
その際に語学能力も求められるため、海外と提携している企業では必須なスキルです。
総合商社出身者におすすめの業界と職種
総合商社での営業は、一般的には無形商材の営業とされています。
そのため転職する際には、無形商材の営業能力を活かせる業界にスライドをすると行いやすいです。
特に営業をメインとする業界へ転職をすると、総合商社の経験が活かせるでしょう。
総合商社でどの営業を行っていたかは人によって違うため、自身の行っていた業務と照らし合わせます。
また、企業同士の仲介や採用に関する業務を行っていた人は、人材業界への転職がおすすめです。
人材業界は企業への採用コンサルティングを行います、その際に営業力が求められるため、能力を活かせるでしょう。
事業投資や、企業への幅広い商材の売り込みを主にしていた人には、広告業界がおすすめです。
広告業界では、広告の代理を受けて売りたいものに対して、どのようにスケジュールを行っていくかなど調整力も求められます。
IT業界ではWebマーケティングなどの営業が必要です。
近年Saasなど、Web上のサービスを売り込む営業も増えてきています。
どの業界でも営業というスキルは評価されることでしょう。
人材業界
人材業界は人をコンサルティングする営業のため、総合商社からの転職が行いやすいです。
たとえば企業へ採用のコンサルティングを行う際に、商社で仲介の仕事をしていたときの企業へ売り込むスキルが使えます。
また採用を求めている人に向けた営業のため、コミュニケーション能力やお客様のニーズに合わせた接客も求められるでしょう。
総合商社で働いているときに、採用に少しでも関わった経験があれば重宝されやすいです。
また仕事内容として企業向けの研修を行うこともあれば、求職者への営業を行う日もあるなど、企業への営業だけではありません。
近年日本人向けの企業採用以外にも、海外人向けの採用コンサルティングを行っている人材業界もあります。
この際も、総合商社で海外経験があれば、語学能力と海外渡航の経験が大いに役立つことでしょう。
仕事内容として、自身の担当したお客様がどれだけ採用につながったかなど、実績で見られる実力主義の業界です。
広告業界
広告は宣伝するものが物だけにとどまらず、無形商材も含めてさまざまなものを紹介します。
そのため広告業界といっても多様な種類があるでしょう。
その中でも、総合商社からの転職でおすすめなのが広告代理店です。
広告代理店では、企業から依頼を受けて、代わりに各メディアへ広告を行います。
アカウントプランナーとして、企業への営業や制作側の管理など、クライアントの窓口になるでしょう。
その際に総合商社で身につけた、企業との調整や管理能力が役に立ちます。
いつ、どの広告をどの媒体で出すのか、スケジュール管理も行うこともあります。
広告を代理店に依頼ができるのは、大手の企業が多いでしょう。
そのため顧客も大手の企業になるため、厳格なビジネスマナーも求められます。
ただし、直接の物の値段ではなく、依頼の手数料として稼いでいくということは意識する必要があるでしょう。
また、広告というさまざまな人が見る媒体のため、トレンドや流行に敏感でなければいけません。
広告を見た人に印象づけるには新しい発想力も必要です。
IT業界
IT業界でもアプリやWebサービスを売る際は、営業が重視されているため、総合商社出身からIT業界への転職はおすすめです。
IT業界の中でもさまざまなものがあります。
その中でもWebマーケティングなどは、営業の能力を活かせるでしょう。
特に近年ではSaasでの営業が多くあり、活躍しやすいです。
SaasとはSoftware as a Serviceの略語で、インターネットを使ったサービスの提供をあらわしています。
買い切り型の商売ではなく、契約を行うサブスクリプション型のインターネットサービスの提供です。
サービスでの長く契約を続ければ続けるほど、儲けがしっかり出ます。
そのため、商社の業務で長期的に顧客との関係を続けてきたコツや、姿勢を活かしやすいです。
日々進化するITについて、知識を求められるだけでなく、常に新しい情報を手に入れておく必要があるでしょう。
そのサービスを使ってもらえるよう、多様なニーズに応えられなければいけません。
また、サービスを売り込む相手に、大手企業や特定業界への知見が必要になります。
そのため総合商社でさまざまな企業との仲介をした経験も活かしやすいです。
ベンチャー転職後のキャリアプラン
ベンチャー企業への転職を考えているのであれば、そのあとのキャリアプランを計画しておくことが大切になります。
特にベンチャー企業はさまざまなスキルが求められるため、自身の市場価値を高められるのが魅力的でしょう。
反対に自身の目標やプランを立てずに働くと、仕事の安定性がなく、転職を後悔しやすくなります。
そのためベンチャー企業に転職する際は、何を目的として転職をするのか明確にすべきです。
また今ある企業に転職するのではなく、自身で新しく起業するという方法もあります。
自身のキャリアプランをふまえたうえで、どの方法が良いか選びましょう。
より条件の良いベンチャーに転職する
ベンチャー企業は、経営者の考え方に企業の方針が左右されがちです。
さらにベンチャー企業は福利厚生などの整備がままなっていないことも多く、企業ごとに差があるのも現状です。
より条件の良いベンチャーに転職するのも1つの方法と言えます。
ベンチャー企業に入社してからも、取り扱っている事業をふまえつつ、自身で社内の整備をしていくことが求められます。
そのため、自身の求めるものと事業内容が違いすぎると、理想と現実のギャップに悩み、転職を後悔することになってしまうかもしれません。
事前にしっかりと、自身のやりたい事業や求める条件と、企業の社風などが合っているのかを調べることが大切です。
自身の市場価値を上げたいなど、明確な理由があるのであれば、さまざまなスキルが要求される企業を選ぶべきです。
起業
ほかの企業に転職をするのではなく、今までの経験を活かして自分で起業する方法もあります。
総合商社では企業投資を行うため、実際に起業したときは投資の方法が経験としてつながるでしょう。
また、一度ベンチャー企業に転職をしたあとで起業する方法もあります。
ベンチャー企業で培った能力は、事業立ち上げの際の経営面でも役に立つでしょう。
一般社員として働くのとは違って、自身で経営を行っていかなければいけません。
そのため、経営者として企業の社員の管理方法など、一般社員とは違った技量も求められます。
また起業して事業がすぐにうまくいくとは限りません。
経営者としてさまざまな業務の中で失敗もするでしょう。
その経験自体が、キャリアの積み重ねにもなります。
スタートアップのCXO
ベンチャー企業はその特性から企業ごとに組織形態が異なります。
特に創業したての企業は、組織形態が定まっていないことも多いでしょう。
反対に、ベンチャー企業の中でも創業してから年数が経っていれば、組織形態が定まっている可能性は高いです。
そのため組織形態を一緒に作っていきたいのであれば、ベンチャー企業の中でもスタートアップの企業を選ぶと良いでしょう。
スタートアップの企業に参入する際に、CXOの参画をするのもキャリアプランとしては1つの方法です。
CXOとして役職に就けば、ストップオクションを利用できます。
ストップオクションは、企業の役職に就いている社員が、あらかじめ決めた価格で株を購入できる権利です。
そのためスタートアップの企業が上場すれば、安い価格のまま株をたくさん購入できるようになり、莫大な資産を得られるでしょう。
CXOとは
CXOとはChief X Officerの略語です。
CEO(Chief Executive Officer)の最高経営責任者や、CFO(Chief Financial Officer)の最高財務責任者などが該当します。
このようにXに入る文字で各それぞれの役割・機能をあらわしており、その役割の組織の責任者です。
これらの役割は、常務や専務などの組織機能と違って、Xに入る文字でどの部門の担当なのかわかりやすいのが特徴でしょう。
この言葉はもともと外資系企業で多く扱われていましたが、近年日本企業でも組織形態として取り入れられています。
CXOの中身は企業ごとに細かく決めることができ、法的には決まっていません。
そのため、新しい組織形態を取り入れようとするベンチャー企業などが、この形態を使っていることが多いでしょう。
ベンチャー企業や、グローバル化をうたっている企業が取り入れているか確認することは大切です。
納得いく転職をするために気をつけるべきポイント
納得いく転職をするために、気をつけるべきポイントがいくつかあります。
まず転職前と同じような感覚で仕事をしていくのは好ましくありません。
社風ややりたいことがあっている企業へ転職したとしても、自分が思っていた仕事と違う業務を担当する可能性があります。
そのため、ある程度は妥協することも必要になるでしょう。
また、転職した新しい企業では、今までの立場や役職ではありません。
新入社員としてのスタートになるため、給与はそれまでよりも下がります。
これらのポイントがあることを意識しましょう。
給与の減少は覚悟する
まず転職をすればそれまでの役職がなくなるため、どの業界でも基本的に給与は減少します。
特に転職してすぐの年収は下がりやすいでしょう。
全体的に総合商社は給与が高く支払われています。
そのため、総合商社から別の業界に転職をすると、それまでより給与が下がる可能性は高いです。
また、転職する企業の中でも、ベンチャー企業は福利厚生が安定していません。
ベンチャー企業が倒産などしてしまえば、保証が少なく、生活はきびしくなるでしょう。
今の起業よりも給与が高い企業への転職は、普通に転職活動を行うよりも難しいです。
給与の減少が気になるのであれば、ほかの条件をある程度諦めて、給与が少しでも変わらない企業を選ぶと良いでしょう。
また、転職時に給与を交渉する方法もあります。
自分が仕事に求めるものを得られる環境か
「今の会社に不満がある」という理由だけで転職をするのはおすすめできません。
特に明確な理由がないと、転職先の起業でも納得できず、すぐに辞める可能性が高くなります。
なぜ今の会社で不満なのか、まずは転職以外で解決できないか考えましょう。
環境が合わないなどは、相談すれば他部署への配属など、融通してくれる会社も多いです。
ただ新しいことがやりたいからという理由でベンチャー企業に転職をすると、痛い目にあいます。
なぜならベンチャー企業は求められるスキルも多く、場合によっては自身の裁量以上の業務量を任される可能性があります。
今後のキャリアを決めて転職することで、自身が納得できるか考えましょう。
ベンチャー企業へ転職をする場合、ワークライフバランスを重要視すると実現が難しくなります。
なぜならベンチャー企業は忙しく、残業をする可能性が高くなるからです。
ワークライフバランスを大切にしたいのであれば、大手企業に転職を目指したほうが良いかもしれません。
転職をする際は、このように何を一番大事にしたいかを明確にしてから行動しましょう。
納得いく転職をしたい・1人で転職活動をするのは不安という人はエージェントの活用がおすすめ
転職をするなら、納得のいく企業を選びたいものです。
しかし、1人で転職活動をするのは不安になることもあります。
また、特に仕事をしながら1人で企業を探すのは難易度が高いかもしれません。
そのような人には、転職エージェントサービスの「アゲルキャリア」がおすすめです。
無料でエージェントに相談ができ、自分のキャリアプランと照らし合わせながら、一緒に企業を探してくれます。
このアゲルキャリアは、大手からベンチャーへの転職を目指す場合でも、特に「大きく成長したい」といった目的があるのなら、積極的に利用すべきです。
各企業の事業成長率や、若手育成へどれだけ力を入れているかなどを調べ、求職者に伝えてくれます。
また最短1週間で内定を取得した実績もあり、転職先を短期間で決めたいなら使うべきでしょう。
おわりに
総合商社からの転職は営業スキルを評価されることが多く、人材業界・広告業界・IT業界など、さまざまな業界へ活かせます。
総合商社からよりスキルアップを目指して、ベンチャー企業へ転職をすることも、キャリアプランにおいて重要な行動となるでしょう。
特にスタートアップの企業はCXOなど取り入れていることも多く、早めに参画すれば、多くの株を所有できます。
給与の減少等もふまえたうえで、自身のキャリアプランに適した、納得できる転職を目指しましょう。