はじめに
就活をしていく中で避けることができないもののひとつに「webテスト」というものがあります。
「周りの友人もそろそろ対策し始めてるけど、実はどう対策したらいいかわからない」「むしろそもそもwebテストが一体どういうものなのか、まだいまいちわかっていない」という方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、webテストの基本知識から具体的な対策方法まで詳しく解説していきます。
今回ご紹介する内容を参考にし、自身の就活の準備を進めていくようにしてください。
【webテストを知りたい】webテストとは?
そもそもwebテストとは、元々は就職や転職を希望する方の選考を行うための採用テスト及び適性検査を目的としたものになります。
以前はペーパーテストが主流でしたが、現在はほとんどの企業でwebを通じて行うようになったことからwebテストと呼ぶようになりました。
このテストは、必要な学力を有しているかを測る能力検査だけではなく、考え方や性格といった人物像が自社とマッチングしているかを測る性格検査の2つによって構成されています。
現在では大手企業のみならず、多くの中小企業でも実施されるようになっています。
【webテストを知りたい】webテストの種類について
webテストは、各社で独自に用意するようなことはなく、また1つの形式に統一されているわけでもありません。
日本の企業で多く採用されているwebテストの形式は主に5種類あり、テストを実施する企業はこの中から選んで自社の採用試験に導入することになります。
各テストによって難易度や特徴、必要な対策が変わってくるため、自身が志望する企業がどの形式を採用しているのか、具体的に調査して対策を講じましょう。
以下に、各形式の特徴について解説していきます。
SPI
SPIは、国内にある企業が最も多く採用しているポピュラーなwebテストです。
リクルート社が提供しており、受験方法にはテストセンター受験とwebテスティングサービスの2種類があります。
このSPIは、能力テストと性格テストの2つで構成されており、さらに能力テストは「言語分野」(≒国語)「非言語分野」(≒数学)の2つに分かれているのが特徴です。
おおよそ中学校〜高校で学習する程度の範囲になっており、レベルは高校受験程度に設定されています。
また、性格テストでは自身の日常での考え方や価値観を測るので、深く考えずに直感で答えるのがコツです。
ボーダーラインは企業によってさまざまですが、大手有名企業だとおおよそ7割程度、中小企業では6~7割と言われています。
玉手箱
玉手箱もSPIに次いで多くの企業が採用しているwebテストです。
場所を問わず自宅で受験ができる形式のwebテストとしてはトップシェアを誇っており、金融業界や証券会社に多く採用されている日本エス・エイチ・エル社が開発したテストです。
SPIよりはわずかに難しく感じる程度の難易度であり、その要因として考えられるのは英語が必要なこと、そして問題数に対して制限時間が短いということの2点が挙げられます。
そのため、SPIで要求されることにプラスして、スピード感を持って問題を解くことが求められます。
出題傾向も玉手箱独自のものがあるので、試験を受ける可能性がある方は事前の対策を怠らないようにしてください。
なお、ボーダーラインは6~7割と言われています。
TG-WEB
上記2つに次いでポピュラーなwebテストがTG-WEBです。
こちらはヒューマネージ社が開発したテストで、近年では外資系企業を中心に導入する企業が増えています。
気をつけるべきこととして、同じTG-WEBの能力テストでも「従来型」と「新型」の2つがあるので、事前に志望する企業がどちらを採用しているのかを確認しておきましょう。
従来型は問題の難易度が高く、他のwebテストに比べて独特な問題構成になっており、対策をしていないと対応が難しいとされています。
それに対して新型は、問題一つひとつの難易度は低めですが、制限時間に対して問題数が多く、そのため問題を解くスピードが重要と言われています。
そして、TG-WEBのボーダーラインもおおよそ6~7割なので、事前の準備が必要と言えるでしょう。
GAB
主に新卒の総合職採用において、コンサルから業界から商社・金融・証券といった業界に広がっていったwebテストがGABです。
SPIと比較したとき、大きな違いとして挙げられるのは「問題数が多く回答時間が短い」という点です。
そのため、素早い状況判断と問題解決方法を見つけるという思考能力が試されるwebテストとなっています。
難易度は他のものと比べて高めなので、しっかりと対策をして本番に臨みましょう。
また、GABには企業で受験する「GAB」、テストセンターで受験する「C-GAB」、自宅で受験できる「Web-GAB」の3種類があります。
能力テストの出題科目に英語があるかどうか、電卓が使用可能かに加え、問題数も異なりますので、自分が受けるGABがどのタイプになるのかを併せて確認することが大切です。
CAB
CABは、元々「コンピューター職適性診断テスト」という意味を持ち、その名のとおりコンピューターに関連する職種の採用に用いられるwebテストです。
テスト方式は2種類あり、試験会場で受験する「CAB(筆記)」と「WebCAB」であり、現在はweb形式が増えている傾向にあります。
試験の内容は、「暗算(筆記)or四則逆算(web)」「法則性」「命令表」「暗号」の4種類の形式であり、いずれも知的能力を問う内容になっているのが特徴です。
問題数が多く難易度も高いため、まず正答率を上げその後に問題を解くスピードを上げることを意識して勉強しましょう。
なお、性格テストではSEやプログラマーといった職業に必要なバイタリティーやストレス耐性について見られます。
【webテストを知りたい】受検方法はwebテストだけ?
就活において必要になるテストの受検方法は、近年はwebでの受検が一般的なものとなりました。
しかし、実際には他にもいくつかの形式が存在しています。
同じ名称のテストであっても、受検方式によって試験内容や問題数が異なることもあるため、事前にきちんと確認しておきましょう。
また、電卓の使用が許可されているかどうかなど、試験当日の持ち物も変わるため注意が必要です。
ここからはSPIにフォーカスし、webテスト以外の受検方法について解説していきます。
ペーパーテスト
ペーパーテストは、文字通りパソコンを使用しないテストです。
主に採用を行っている企業や、その企業が用意した会場でマークシート形式の試験を受ける形となります。
webテストとは違い、開始とともに問題量や概要を把握することができるので、時間配分は比較的しやすいと言えるでしょう。
また、企業に出向いて受験するという性質上、服装や来社時のマナーについてもチェックされているケースもあります。
もしラフな服装で行ってしまうと、悪目立ちしてしまう可能性があるので注意が必要です。
その企業の方に対して失礼がない服装にするのは当然として、周囲の人に対する気配りを忘れてはなりません。
また、受験後に自分の使った場所を掃除するなど、社会で当たり前とされる振る舞いをきちんとできるよう、普段から心がけることも大切です。
テストセンター
テストセンターの場合、各企業の設定した会場ではなく、試験を作成している会社(SPIの場合はリクルートマネジメントソリューションズ)が用意した会場で受験することになります。
受験生は、志望する企業の設定した日程の中で、都合の良い日を予約し受験します。
会場には運営側が用意したPCが設置されており、スタッフの指示に従ってテストを受けることになるため、勝手に行動してはいけません。
また、試験当日には能力検査に加え、「英語能力検査」や物体の構造や関係性を素早く把握し理解する力を測る「構造的把握力検査」を受けることもあります。
なお、事前に自分のPCで「性格検査」を受けておく必要があるので忘れないようにしてください。
【webテストを知りたい】webテスト受検の際の注意点
ここまでwebテストの詳細や、web形式以外における受験方法について解説してきました。
それでは、実際にwebテストを受験する際には、具体的にどのようなことに注意したら良いのでしょうか。
普段なら「当たり前」と思えるようなことでも、いざ受験するとなるとできなくなってしまうことも少なくありません。
特に自宅で受験する際は「ケアレスミス」が起きやすいので、大事な選考を突破するためにも事前の確認は怠らないようにしてください。
電卓
SPIのwebテストなど、場合によっては電卓の使用を前提とした問題が出題される場合があります。
もし電卓がない場合、大きな桁数の計算を暗算や手計算でやることとなります。
回答スピードや正確性に大きく影響してしまうため、手元に電卓を用意することを忘れないようにしてください。
また、電卓の操作に慣れているかどうかという点も重要です。
普段使い慣れていないという就活生は、演習問題などを繰り返し解き、電卓の操作を練習しておく必要があります。
電卓の操作は一見簡単そうですが、一度進めてしまうと手計算と違い過程を振り返ることができません。
そのため、操作の「正確性」が求められます。
操作しやすい電卓を用意し、事前にしっかりと訓練を積んでおく必要があると言えるでしょう。
メモ用紙
意外と盲点となるのがこのメモ用紙です。
webテストはPCの画面上で受験することとなるので、ペーパーテストのように問題用紙に書き込むことができません。
そのため、手元には常にメモ用紙を用意しておくことが大切になります。
また小さいものにしてしまうと、ページをめくるのに時間を取られてしまうので、A4などの大きめの紙を用意するようにしてください。
ただし、問題の種類によっては、計算式を紙に書いている時間がロスになってしまうこともあります。
問題を早く正確に回答する方法が、暗算か電卓か、それとも紙を用いて考える形なのかを判断する訓練をしておくと良いでしょう。
そのためにも、演習問題を繰り返し解くことを普段から心がけるようにしてください。
【webテストを知りたい】具体的な対策方法について
webテストの基本的な知識を押さえたとしても、実際にどうやって試験対策を進めていけば良いのか気になるという方も少なくありません。
有効な対策法は、大きく分けると2つあります。
1つは各試験に対応した対策用の書籍や問題集を活用して勉強する方法で、もう1つはより手軽に取り組める「アプリ」を活用した方法です。
基本的には書籍で勉強しつつ、スキマ時間にアプリを使って知識の定着を図るのがおすすめなので、自分の時間を有効に使うよう意識してみてください。
【webテストを知りたい】テスト別おすすめの対策本
一口にwebテストといっても、内容や傾向はさまざまです。
「万能な参考書」といったものは残念ながらありませんが、それぞれの試験に特化した対策本は世の中に数多く存在しています。
しかし、実際のところ選ぶのはなかなか難しく、悩んでいる時間も惜しいというのが就活生の本音でしょう。
そこで、以下に各試験それぞれに対応したおすすめの対策本をご紹介します。
どれも使い勝手が良い書籍なので、気になったものがあればぜひ活用してみてください。
SPI
『【主要3方式<テストセンター・ペーパーテスト・WEBテスティング>対応】これが本当のSPI3だ!2024年度版』は、就職試験に関連する書籍の定番として知られている参考書です。
各受験方式に対応しており、SPIの対策をするなら必携の1冊です。
国語や数学に関する丁寧な解説がついているのも特徴で、特に数学に関しては「算数のおさらい」も掲載されており、非常に基礎的な内容から充実したフォローがなされています。
また、より実践的な問題集を選ぶなら『【史上最強】<SPI&テストセンター超実践問題集>2024年度版』がおすすめです。
こちらは素早く問題を解釈する方法や、時間を短縮するためのメモの取り方、計算方法といった具体的な方法の解説が充実しています。
玉手箱
『これが本当のwebテストだ!(1)2024年度版【玉手箱・C-GAB編】』は、自宅受験型ではトップシェアの「玉手箱」とテストセンターで行われる玉手箱とかなり似通った内容の「C-GAB」の両方の対策ができる人気の書籍です。
必要な科目は網羅されており、分野別対策や模擬テストも充実しています。
さらに、「webテストの種類を特定する方法」や、実施企業リストなども掲載されており、これからwebテストを受験しようとしている就活生が欲しい情報が詰まった内容となっています。
玉手箱やC-GABを受験する可能性がある方は、最初の一冊目としておすすめの参考書となっているので、まずはこの書籍から取り組んでいきましょう。
CAB・GAB
『これが本当のCAB・GABだ!2024年度版【web-CAB・GAB Compact・IMAGES対応】』は、日本エス・エイチ・エル社が提供しているさまざまな試験の中から特に使われるテストについて、効率的に対策できるよう内容が編集されています。
また、C-CABの構成はweb-CABとほぼ同じになるので、そちらの対策もこの本で完結できるようになっています。
難易度においても、比較的高難易度の問題を厳選して掲載しているため、この本の学習がしっかりと済めば、試験本番は簡単に感じることができるレベルに到達することができるでしょう。
問題解説も丁寧で読みやすいので、学習の際には非常に頼りになる1冊と言えます。
TG-WEB
『これが本当のwebテストだ!(2)2024年度版【TG-WEB・ヒューマネジー社のテストセンター編】』は、全面改訂によって非常に対策効果の高い構成になっているのが特徴です。
また、テストセンター版の再現問題を掲載しているのはこの本のみという点でもおすすめできる1冊となります。
比較的難易度が高いTG-WEBですが、こちらの書籍を使うと、その「解き方」に焦点を当ててトレーニングを積むことができます。
また、「標準型」と制限時間が短い「時短型」両方に対応しているのも心強いポイントです。
さらに、webテスト実施企業の一覧もついているため、TG-WEBを受験する可能性があるのであれば必携の1冊となるでしょう。
【webテストを知りたい】ベンチャー企業もwebテストを実施しているの?
以前は、「webテストは大企業が実施するもの」という認識が一般的でしたが、現在は状況がかなり変わってきています。
たとえば、DMMやサイバーエージェント、LINEといったメガベンチャーもwebテストを実施していると言われています。
また、特に規模は大きくないものの、業務における基礎的な知識や技能を備えているかを判断するためにwebテストを実施するベンチャー企業は決して少なくありません。
「自分が志望している企業はベンチャーだから大丈夫」と軽く考えず、しっかりと選考方法を調べて自分にできることを行うようにしましょう。
可能な限り早く情報を掴み、必要な対策を行って万全の状態でテストを受験できるようにしてください。
まとめ
一口にwebテストといっても、さまざまな方式がありそれぞれに特徴があります。
「webテストは基礎的な内容だから対策しなくて大丈夫」と油断していた方は、今からでも遅くありませんので参考書など活用して勉強を始めましょう。
多少の難易度の差こそあれ、専門的な知識や技能が問われるわけではないwebテストは、適切な対策を行えば高得点を取ることも夢ではありません。
志望する企業への就職を叶えるためにも、今一度書籍を手に取って学習をしてみることをおすすめします。