はじめに
転職を考えている人の中には、「ベンチャー企業の年収はどれくらいあるのだろう」「ベンチャー企業なら高額を稼ぐことが可能?」とベンチャー企業に関心がある人もいるでしょう。
本記事では、ベンチャー企業に転職した際の収入やその内訳について解説します。
そのほか、ベンチャー企業へ転職する際に、収入面で注意しておきたいポイントについても紹介しています。
最後までしっかりとお読みいただき、転職先を決める際の参考にしてください。
【ベンチャー転職の収入】ベンチャーに転職すると収入が上がりやすい
ベンチャー企業とは、日本政策金融公庫の資料で「ベンチャー企業とは、革新的な技術・製品・サービスを開発し、イノベーションを生み出す企業であり、設立数年程度の若い企業。」と定義づけられています。
20~30代の若い人材が中心となって活躍していることから勢いがある企業が多く、業績好調により、年収もほかの企業に比べると高い傾向にあります。
幹部クラスでは年収1,000万円ほどが見込まれ、企業によってはスタートアップでも、720万円と高額を提示する企業もあるようです。
実力やスキルを重視することが多いベンチャー企業に転職したことで、収入がアップしたという人も多くいます。
完全実力主義
ベンチャー企業では、年功序列制で昇格・昇給する従来の企業とは異なり、成果報酬や完全実力主義を採用している会社が多く見られます。
そのため、実力さえあれば年齢に関係なく重用され、若い年代でも昇格や昇給のチャンスを多く与えられます。
ベンチャー企業は、社員一人に与えられる裁量が一般企業に比べると大きく、オリジナルのアイディアをもとにプロジェクトを企画し、成功させることも可能です。
成功によって、昇給やインセンティブが発生する可能性があります。
つまりベンチャー企業では、本人の努力と頑張り次第によって、いくらでも収入をアップさせることが可能になるでしょう。
年功序列制で自分の昇給の順番を待つよりも、実力で自分から攻めていきたいタイプの人にぴったりです。
スキルが身につく
ベンチャー企業では、大企業のように組織化されているところが少なく、社員一人一人に割り当てられる仕事量も多くなります。
割り当てられた仕事を全うするためには、知識や技術が必要となってくるため、職務の中でさまざまなスキルが身につきます。
また、少人数の企業であればあるほど、経営者のすぐそばで会社の運営を見ることになります。
将来独立・企業を考えている人はもちろん、ひとつの会社で長く働きたいと考えている人についても、これは大変恵まれた環境といえます。
経営者の近くで自社の経営理念や将来の展望を見据えることができ、企業が一丸となって創意工夫を行っていくことで、企業の業績アップ、ひいては自身の収入アップにつなげられるでしょう。
【ベンチャー 転職の収入】ベンチャーの給与制度は特殊
企業で働いた分の報酬を示す言葉に「給料」と「給与」があります。
この違いをはっきりと知っているでしょうか。
所得税法28条では、「給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る所得をいう」と定められています。
つまり給料は「勤務時間中の労働に対する報酬」、給与は「残業代や諸手当、ボーナスなどを含めた会社から支払われる報酬すべて」を指す言葉です。
ではベンチャー企業の指す「給与」には、どのようなものが含まれているのでしょうか。
福利厚生は基本給に含まれる
福利厚生は、企業が従業員やその家族の健康や生活を保障し、向上させるための取り組みの総称です。
福利厚生には「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2つがあります。
法定福利厚生とは、法律で定められた福利厚生で、導入・実施が義務付けられているものです。
健康保険や介護保険・厚生年金保険、子ども・子育て拠出金といった「社会保険」と雇用保険、労災保険の「労働保険」に大きく分けられます。
また「法定外福利厚生」には、通勤・住宅手当や短時間勤務制度、資格取得支援、社員旅行など、幅広い分野の手当やサービスが含まれます。
ベンチャー企業では、それぞれの福利厚生のシステムが整っていない場合も多いのが実情です。
そのため、基本給に福利厚生の費用が含まれることになり、給与明細などの額面だけを見ると、ほかの一般企業よりも高額になっている場合があります。
残業代がしっかりしていない場合がある
ベンチャー企業に限らず、企業の運営や業務遂行に置いて、イレギュラーな事態が発生します。
ある程度の業務フローや運営方針を定めていたとしても、ベンチャー企業にはハプニングに対し、マルチに対応できるだけのノウハウがありません。
そのため、ベンチャー企業では残業が多くなる傾向にあります。
なかには、やむなく行った残業が、サービス残業とみなされる場合もあるでしょう。
企業によっては、基本給の中に一定の残業時間を想定した金額を加算する見込み残業制をとっているところもあります。
見込み残業制をとっている企業については、残業をしても給料が増えないという事態も起こりうるため、転職時には残業時間と、残業代の確認が必要です。
仕事量が多く労働時間が長い
ここまで見てきたように、ベンチャー企業では、まだ組織化が確立していないため、仕事量が多く労働時間が長時間になるケースがあります。
その結果、時間換算すると、1時間あたりの金額が少なくなるといった現象が発生する可能性が出てきます。
この点から、ベンチャー企業に転職を希望する際は、提示された金額以外に実際の労働時間や福利厚生の実情の確認が必要です。
しかし、中には仕事量が少なく残業量も少ないホワイトベンチャー企業もあるので、悲観する必要はありません。
また、なかには、フリーランチ制度や、一定年数勤続した同期の人数によって旅行手当の支給、自転車通勤手当など独自の福利厚生で還元しているユニークな企業もあります。
転職先選びの際は、福利厚生にも着目してみましょう。
【ベンチャー転職の収入】転職に失敗しないためのポイント
近年、子どもは親を選べないという意味の「親ガチャ」という言葉が流行しています。
そこから派生して「配属ガチャ」「転職ガチャ」という言葉も生まれました。
転職先が思ったような企業ではなかった場合に使われるようです。
しかし、転職ガチャに関しては、事前に転職先を吟味することで、いわゆる「当たりはずれ」というものは発生しないでしょう。
ここでは、収入面に関してベンチャー企業に転職する際に注意したいポイントについて紹介します。
いずれも、重要なポイントですので、転職のはずれガチャを引かないためにもチェックしておきましょう。
離職率を確認する
転職をする際には、求人情報を確認します。
相場と比べて給料が多い場合は、繰り返し求人が出されている場合には、まずその企業の離職率も確認しましょう。
離職する理由として、「残業が多い」「業務量や勤務時間に対して給料がきちんと支払われていない」などの問題が考えられます。
「心身の健康を害した」という理由についても、労働に対する正当な評価を得られなかったことが原因とも考えられます。
離職率は、企業の公式HPに記載されている場合もありますが、ベンチャー企業では珍しいでしょう。
応募面接時に、人事担当者に採用予定数や募集理由を尋ねたり、口コミサイトやSNSをチェックして、離職数、理由を確認してみたりするのもいいでしょう。
賞与と昇給制度を確認する
一般的に、ベンチャー企業では、入社時の年収から大幅な収入アップは難しいといわれています。
ベンチャー企業ではまだ会社の設備やシステムなどの環境が整っていないことも多く、そちらの設備投資に使用されることが多いためです。
もし応募要項に昇給ありと書かれているのであれば、いつどのようなタイミングで実施したのか、実績を確認しておくといいでしょう。
また、給料には、月々の固定給与のほかに、賞与(ボーナス)やインセンティブ、報奨金、資格手当など、イレギュラーな報酬も含まれています。
募集要項をよく読んで、賞与は年何回、何ヶ月分出るのか、インセンティブや報奨金の有無やその査定方法、資格取得支援制度などを確認しておきましょう。
「一生懸命働いて成果を上げ、収入を増やしたい」という目標は、企業にとっても採用のプラス要因となるため、面接の際に対面で確認してもいいでしょう。
むしろ、明確な回答が得られない場合には、注意が必要です。
将来性を確認する
ベンチャー企業の場合は、大手の企業に比べると経営が安定していません。
たとえばニッチ分野での新製品を製造販売している企業であった場合、最初は競合他社が少なく、一時的に業績が上がることが考えられます。
しかし、その製品の性能やメリットなどが世に広まるにつれ、競合他社が低価格で製造販売などを行うと、一気に業績が下がります。
同じ理由で大手が参入してくることも考えられるでしょう。
そうなると、人件費の削減によりリストラが行われたり、給料がカットされたりということも考えられます。
最悪の場合、企業の倒産ということもあり得るでしょう。
転職を考える際には、その企業の将来性や、業界における立ち位置、競合他社との比較など、あらゆる角度から未来を見据えることが必要です。
【ベンチャー転職の収入】企業選びには就職エージェントを使おう
求人情報には、応募者を多く集めるための美辞麗句が多く並んでいます。
そのため、実際に入社してから「これは思っていた企業とは違うぞ」と気が付くこともあるでしょう。
またSNSや口コミをチェックしていたからといって、すべての情報が公開されているわけではありません。
どの企業を選べばいいか迷ったときには、就職エージェントを利用してみるのも、ひとつの方法です。
就職エージェントには、過去の実績や離職率などなかなか手に入りにくい企業の情報を多くストックしています。
中でもアゲルキャリアでは収入が高かったり昇給などの福利厚生制度が整っていたりするベンチャー企業の情報も多く取りそろえています。
カウンセラーと相談することで「転職したい」と思えるベンチャー企業にも出会えるでしょう。
アゲルキャリアは、こちらからご確認ください。
まとめ
今回は、ベンチャー企業の収入について解説しました。
一般的にベンチャー企業に就職すると収入が一気にアップするというイメージを持たれているようですが、すべてのベンチャー企業でアップするわけではないことが分かりました。
また、場合によっては前職を下回ったり、仕事量に見合った収入を得られなかったりといった可能性も考えられます。
今回、ベンチャー企業に転職する際に注意したいポイントについても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。