はじめに
就活を始めたばかりの人にとって、苦戦することのひとつが自己分析です。
自己分析は自分の興味や性格、傾向などを知るために必要な作業ですが、一から自分で取り組むのは不安に感じるでしょう。
そこで今回は、客観的な分析結果の得られるおすすめの自己分析サイトをご紹介します。
また、慣れていない方でも簡単にできる自己分析の方法にも触れていきますので、これから自己分析を行おうと考えている人はぜひチェックしてみてください。
自己分析サイトとは
自己分析サイトとは、自分一人では難しい自己分析を手助けしてくれるサイトです。
過去の自分の経験や価値観を入力したり、質問に答えたりして自身の性格などを分析します。
なかには、自分が就活の際に注意した方が良いポイントを教えてくれるサイトもあり、長所・短所などもわかりやすく教えてくれます。
自分のことをよく知りたいものの、自分一人では難しいと感じている人は少なくありません。
しかし、自己分析サイトに用意されているツールはいずれも専門家が作ったもので、無駄な項目もなく、スムーズに自己分析を行うことができます。
また、自己分析には時間がかかってしまうこともあるので、手軽に自己分析を終わらせたい人にもおすすめです。
自己分析が必要な理由
まず、就活において自己分析が必要な理由を確認しておきましょう。
就活において重要と言われる自己分析ですが、そもそもなぜ必要なのでしょうか。
主な理由として、「自分の興味を知る」「自分のやる気の源泉を知る」「価値観の言語化」の3つが挙げられます。
自分の興味、やる気の源泉を知ることは、今後の企業選びにおいて特に重要です。
また、価値観の言語化ができることで、面接やESの際、困らなくなるのもメリットのひとつです。
自分の興味を知る
自分の興味がどこにあるのかを知るために自己分析は必要と言えます。
自分の興味を知ることで、自分に合った業界や企業を選ぶための判断軸ができるからです。
仕事選びは、それまでの高校・大学における進路選択とは少々異なります。
基本的に、入社すると多くの時間を投じて企業に貢献しなくてはいけません。
自分が興味を持てる仕事を選ばないと、仕事は苦痛でしかないでしょう。
自己分析では、自分が今までどんなことに興味を持って行動してきたのかを振り返ることになります。
その判断軸と企業、業界の特徴を比べることで、後悔のない企業選びができるでしょう。
自分のやる気の源泉を知る
次に、自分のやる気の源泉を知る意味でも、自己分析は重要と言えるでしょう。
やる気の源泉がわかれば、自分が仕事に打ち込める業界・企業なのか判断しやすくなるからです。
もし友達と志望する業界が被ったとしても、なぜその業界に魅力を感じるのかは人それぞれでしょう。
魅力を感じることの根本には、その人が何にモチベーションを掻き立てられるのかが関わっています。
また自己分析は、今まで何にやる気を持って取り組んできたかを考えるきっかけにもなります。
アルバイトや部活動など、共通点がなさそうに見える事柄でも、いくつか共通する価値観が見つかるものです。
自分が持っている判断軸と、業界・企業の特徴を調べて総合的に判断することで、納得のいく企業選びができるようになるでしょう。
価値観の言語化
自己分析は、自分が大切にしている価値観を言語化するためにも必要なステップと言えます。
曖昧になりがちな価値観を言語化することによって、面接やESなどで端的に人に伝わる表現ができるようになるからです。
就活を行う前は、価値観など気にせず何気なく物事を判断してきた人がほとんどでしょう。
しかし企業の選考では、自分がどんな人間なのかをはっきりさせ、アピールする必要があります。
このためには、自分がどんな価値観を持っているのかを客観的に知っておかなくてはいけません。
自己分析は、人生の重要な場面でどんな判断をしてきたかを振り返る絶好の機会です。
自分の大事にしているものが何なのか明らかになれば、企業選びの後に待っている面接対策もスムーズに進みます。
自己分析サイトを使うメリット
自己分析にはさまざまな方法があり、どれも有効なものと言われていますが、なぜ自己分析サイトを使う必要があるのでしょうか。
自己分析サイトを使うことで得られるメリットがわからなければ、人によっては「特に使う必要はないのでは?」と感じてしまうかもしれません。
ここからは、自己分析サイトを使うことのメリットを3つ紹介していきます。
たとえば、「客観的な分析結果が得られる」「より深い自己分析ができる」などのメリットがあります。
最終的に他の方法を使うとしても、一度自己分析サイトを使っておくと良いでしょう。
客観的な分析結果を得られる
自己分析サイトを使うことで、客観的な分析結果が得られることが1つ目のメリットと言えます。
最近はAIを用いた自己分析も多く、膨大な蓄積データを活用した分析が行えるからです。
自分だけで自己分析を行うと、どうしても自分が思考する範囲に限られてしまい、ありきたりな結果しか得られません。
一方で、自己分析サイトを使えば、主観を排除した統計的なデータが得られるでしょう。
特に、近年はAIの性能も高くなり、難しい作業をすることなく精度が高い自己分析が叶います。
分析結果を確認すると、今まで自分では知り得なかった一面を発見できるかもしれません。
自力での自己分析に行き詰まってしまった人に、自己分析サイトはおすすめと言えるでしょう。
短時間で自己分析ができる
自己分析サイトを利用すれば、短時間で自己分析できることもメリットでしょう。
多くの場合、事前に用意された質問に選択式で答えるだけで分析が終わります。
自分だけで自己分析を行う際は、表を作ったり年表を作ったりと多くの時間を要します。
また、自己分析に慣れていないとやり直しも多く、余計に時間がかかってしまうケースも珍しくありません。
一方で、自己分析サイトなら比較的短時間で自己分析が完了します。
蓄積されたデータをもとに結果を出してくれるので、安心して参考にできます。
もちろん、就活を進める中で、自身の価値観や考え方が変わってきたらやり直しもできるので、現在の考え方の傾向などを知るために活用するのもおすすめです。
分析結果をもとにより深い自己分析ができる
自己分析サイトは、分析結果をもとにより深い自己分析ができることもメリットでしょう。
自分の性格や価値観をあらかじめ知っておけば、自己PRなどで話すエピソードも作りやすくなるからです。
自己分析サイトで得た結果をチェックし、なぜその企業を選んだかなど、具体的なエピソードで肉付けをすると良いでしょう。
しかし、仮にエピソードを作ったとしても、そこから自分のどんな強みをアピールすべきか迷ってしまう方も少なくありません。
このとき、自分の価値観や性格がわかっていれば、それらを参考にして具体的なエピソードが作れます。
効率的に自己アピールを作成するためにも、ぜひ一度自己分析サイトを利用し、自分にまつわるデータを集めてみてください。
自己分析の方法
ここまで自己分析サイトを使った分析をおすすめしてきましたが、それ以外の方法も知っておくと良いでしょう。
なぜなら、就活を進めるうえでは、自己分析サイトを使うだけでは不十分だからです。
たしかに自己分析サイトは短時間で客観的な分析結果が得られ、それは大いに役立ちます。
しかし面接で有効な自己アピールには、自分のエピソードをもとにした体験談が欠かせません。
ここでは代表的な自己分析の方法を4つ紹介するので、ぜひ取り組んでみましょう。
マインドマップ
オーソドックスかつ効果のある方法として、マインドマップが挙げられるでしょう。
これは自分の思考や過去の経験などを蜘蛛の巣状に張りめぐらせ、少しずつ整理していく自己分析の手法です。
まずは、1つの問いかけやテーマを中心に書き、そこから回答を思いつく限り書き出していきます。
さらに、回答に対する回答をつなげて書いていくことで、より思考を深められるでしょう。
なかには、最初の問いかけを紙の上部中央に書き、ツリー状にする方式もありますが、それは好み次第です。
時系列や順番などにこだわらず、自分の経験を網羅的に考えたい人にはぴったりの方法と言えるでしょう。
また、1つの問題に何度も問いを重ね、自身の考えを深めたい人にもおすすめです。
自分史
自分の経験を順番に整理したい人には、自分史という方法が向いているかもしれません。
人生でどのような出来事を経験して、そのときどのような気持ちになったのかを時系列順に書き出す方法です。
幼少期・小学校・中学校・高校・大学と、いくつかの節目に分けて書いてみると良いでしょう。
また、世の中でどんなことが流行っていたのかを同時に調べると、自分の価値観を可視化しやすくなります。
自分史で重要なのは、単に出来事を書き出すことではなく、そのときに考えたことをきちんと思い出すことです。
20年以上生きていれば、必ずどこかで自分の転機となったような事件が起こっているでしょう。
そのときにどういう考えでどのような選択をしたのか、このポイントを意識して取り組んでみてください。
モチベーショングラフ
自分史がうまく作れなかった人は、モチベーショングラフという方法を実践してみてください。
これは、今までの人生の中で、それぞれの時期にどれくらいのモチベーションだったかをグラフ化する方法です。
モチベーショングラフを作成することで、いつどんな状況のときにモチベーション高く物事に取り組めたのかが明らかになります。
モチベーションの高い時期、低い時期がわかったら、その高低の要因を洗い出してみましょう。
自分のやる気やモチベーションの源泉がどこにあるのか、明らかになるかもしれません。
モチベーショングラフは、マインドマップや自分史に比べて時間がかからないこともメリットです。
手軽に自己分析をやってみたいと考えている人は、まずはモチベーショングラフを作ることから始めてみてください。
ジョハリの窓
自己分析と同時に他己分析も行いたい人は、ジョハリの窓という方法がおすすめです。
アメリカの心理学者ジョセフ・ルフトと、ハリ・インガムが考案したもので、2人の名前を取って名付けられています。
ジョハリの窓は、複数人でのワークを前提とし、自分の性格を自分自身の視点と、他者の視点のズレを明らかにするツールです。
性格的特徴を自分が認識している・していない、他者が認識している・していないかによって、性格を開放・秘密・盲点・未知の4つに分類します。
この分類によって、自分では気づけなかった特徴や、他の人にあまり知られていない特徴が明らかになるでしょう。
また、自分を客観的に見つめ直すことにつながり、コミュニケーション能力の向上に期待できます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
おすすめの自己分析サイト
ここまで自己分析サイトを使うことのメリット、その他の自己分析の方法などを説明してきました。
最後に、おすすめの自己分析サイトを3つ紹介するので、参考にしてください。
ここで紹介するサイトは、いずれも10分程度で自己分析が完了することがメリットです。
自己分析で行き詰まっている人は、この中から選んで実践してみましょう。
また、それでも不安に感じる人はエージェントを活用する方法もあるので検討してみてください。
キミスカ「適性検査」
まずは、主に9種類の客観的データが得られるキミスカの適性検査です。
キミスカは、適性検査の結果やプロフィールをもとに企業からスカウトが届く逆求人サービスとなっています。
サービスの要となる適性検査にはAIが活用されており、10分ほどで完了するのが特徴です。
たとえば、「性格の傾向」「意欲の傾向」「職務適性」などの項目について詳細なデータが得られます。
項目ごとに数値化されており、データを整理しやすいことも特徴です。
なお、検査の結果は優劣ではなくあくまでも傾向で、自分がどんな考え方のパターンを持っているのかを把握するために使います。
また、検査後は多くの企業からスカウトメールが送られてくるので、企業選びもスムーズに進む可能性があります。
リクナビ「リクナビ診断」
続いて、大手就活サイトであるリクナビが提供する「リクナビ診断」を見ていきましょう。
自分がどんな人間で、働くうえで自分の強みが活かせそうかのヒントが得られます。
リクナビ診断は、リクナビに登録・ログインすると受験でき、約100問の質問に答えていきます。
質問内容は、主に日常の行動や考え方に関するものなので、特に準備することはありません。
回答方式も「あてはまる」「あてはまらない」の2択のみで、約5分で受験完了です。
診断結果としては、向いている仕事のタイプが3つ表示され、考え方の傾向などがわかります。
また診断結果には、自分の強みが発揮される日常のシーンも載っています。
それらのシーンで思い当たるような経験があるか考えつつ、さらに自己分析を進めていくと良いでしょう。
キャリタス「キャリタスQUEST」
一風変わった自己分析をやってみたい人は、キャリタスの「キャリタスQUEST」を試してみましょう。
キャリタスQUESTは、RPG風のキャラクターになぞらえて、自分の強み弱みを診断する自己分析ツールです。
回答は、20個の質問に「YES」「NO」「どちらでもない」の3択で回答するだけで、1分程度で終了します。
キャラクター診断とは、心理学とマーケティングを組み合わせた診断で、テレビやSNSなどでも話題の「ディグラム研究所」が監修しています。
性格や就活力、働き方の傾向、業界傾向など、就活に役立つ可能性の高い16種類の項目を診断可能です。
診断自体は無料で受けられますが、内容をすべて確認するにはキャリタスへの登録が必要なので注意しましょう。
エージェントに頼る
ここまでおすすめの自己分析サイトを紹介してきましたが、就活エージェントに頼るという方法もあります。
プロであるエージェントと話すことで、人事目線でのアドバイスや自己分析をしてもらえるからです。
エージェントは、学生の強み・弱みを見極め、求める企業とマッチングすることを仕事としています。
そのため日々多くの就活生と連絡を取り合っており、学生の自己分析などは慣れたものでしょう。
また、エージェントは企業の人事担当者と顔を合わせ、企業がどんな人材を求めているのか把握しています。
このため、自分だけでは気づけないような就活で活かせそうな人事目線でのアドバイスがもらえるでしょう。
自分の新たな一面を知りたい、自己分析がうまくいかないと悩んでいる方は一度相談してみてください。
おわりに
今回は、就活で自己分析サイトを使うメリットや、おすすめのサイトを紹介してきました。
自分の興味やモチベーションの源泉を知り、価値観を言語化するために自己分析は必要な作業と言われています。
また自己分析サイトを使うと、客観的な自己分析結果が比較的短時間で得られます。
ただし、実際に就活で活用するには、診断結果をもとにさらに深い自己分析が必要でしょう。
目標の内定を得るためにも、今回ご紹介した内容を参考にして、時間や手間がかかりがちな自己分析を進めていくようにしてください。