はじめに
将来的に、ベンチャー企業で働いてみたいと考えている方は意外に多いです。
「何となく大企業からベンチャー企業への転職って需要が高そうだけれど、実際どうなのだろう」と考えることもあるかもしれません。
今回は、大企業からベンチャーへ転職する場合のメリット・デメリットをご紹介します。
ベンチャー企業が持つ特色のほかに、転職することによって大企業時代とどれほど差があるかなどの厳しい面も併せて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
【大企業からベンチャーへの転職事情】大企業からベンチャー転職で幸せになれる?
結論から言えば、大企業からベンチャーへの転職で幸せになれないということはありません。
幸せというのは当然人によって定義が異なり、一概には言えないからです。
自分の満足のいく人生を歩むためのより良い選択として、ベンチャーへの転職を決めるのであれば、幸せを感じることはできるでしょう。
感情面だけではなく、失敗しない転職ができた場合は、キャリアアップにつながるというメリットもあります。
大切なのは、自分がどうしてその企業へ転職したいのかという軸を持つことと、失敗しないための情報収集を行うことです。
【大企業からベンチャーへの転職事情】ベンチャー企業の特色
ここからは、ベンチャー企業というものがどのような特徴を持っているのかを解説します。
ベンチャーというものがある程度わかっていたとしても、具体的にどのような企業なのかがイメージできていない方はぜひチェックしてみてください。
自由度が高い
ベンチャー企業の特徴は、その自由度の高さ、個人の裁量の大きさにあります。
大企業とは異なり、ベンチャー企業は設立から年数が浅いこともあって、社内ルールが明確に決まっていない場合が多く、その分自由度の高い仕事が可能となっています。
個人に任される仕事の大きさや、その内容などの裁量も大きく、業務内容が多岐にわたるため、意欲次第ではどんな仕事にもチャレンジできるでしょう。
もちろんその分責任も大きく、やらなければならない仕事の量も多くなります。
また、実力主義の世界でもあり、より高い成果を求められる傾向があります。
自分が取り組んでいるプロジェクトが成功すれば、昇進や昇給に直結する可能性が高いのもベンチャーの特徴です。
やりたいことができる
ベンチャー企業の多くは発展途上と言われています。
成長段階の会社のため、仕事を遂行するうえでのルールやマニュアルなどが厳密に決まっていることは少なく、自分で考えたやり方で仕事を進めることが多いです。
成果が出る、企業にとって必要だと判断されたものなら、積極的に新規プロジェクトの企画が通り、実行することが可能です。
自分がやりたいと考えたものをスムーズに進めていけるので、仕事の充実度が高いと言えるでしょう。
ただ言われたことや指示されたことを行うのではなく、自分で仕事を作り出し、世の中にアピールしていくという意識で働く必要があります。
スタッフ一人ひとりが企業を作っていくという自覚を持ち、能動的に動いていくことが求められるのです。
柔軟性が求められる
ベンチャー企業は、大企業と異なり従業員数が少ないことが多いです。
そのため、スタッフ一人ひとりがやらなければならない仕事が必然的に多くなります。
自分の担当分野でないこともできるようにしておかないと、場合によってはうまく回らなくなる可能性があるのです。
一人で複数のポジション、業務を同時並行でこなしていかなければならない場合があるので、さまざまな仕事を覚えることができます。
積める経験の幅は、そういった意味で大企業よりも広いと言えるでしょう。
与えられた仕事を遂行することはもちろん、状況に合わせて自分がどのように動けば良いのかを判断する必要があります。
柔軟性の高さが必然的に求められるのも、ベンチャー企業の特色です。
場合によっては、大企業で働くよりも忙しいと感じるかもしれません。
【大企業からベンチャーへの転職事情】ベンチャー企業に転職するメリット
ここまで、ベンチャー企業が持つ特徴について解説してきました。
では、大企業からベンチャー企業へ転職するメリットには、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
ここからは、ベンチャーへ転職した場合のメリットについて説明していきます。
裁量権が大きい
先ほども述べたとおり、ベンチャー企業は個人の裁量権が大きいことが特徴です。
大企業の場合、すでに定められたルールがあり、それに則って仕事を進めていくのが一般的です。
上司や上層部へ自分のアイデアや新しい提案を行っても、それが採用される確率は低く、自分のやりたい仕事を行うことが難しく感じるかもしれません。
一方、ベンチャー企業は規模が小さい分、上への意見が通りやすく、また積極的で意欲的な挑戦は好まれる傾向があります。
自分で責任を持って業務にあたるという意識があれば、やりたい仕事を新人のうちから行うことができるでしょう。
ルールや規則によって縛られた行動しかできないという環境に不満がある方は、ベンチャーでの働き方と相性が良いかもしれません。
業務の幅が広い
ベンチャー企業は従業員の人数が少なく、庶務的なことはもちろん、別部署の対応をその場で任されるといったことも珍しくありません。
そのため業務の幅が広く、さまざまな経験を積むことができます。
社員全員が一丸となって取り組むといったケースは多く、それぞれの仕事で求められるスキルを身につけることができます。
また、ベンチャー企業は、事業展開している業界が1つに定まっていることが多いです。
業界の専門的な知識と、社会人として必要なスキルをどちらも得ることができるので、「仕事ができる人材」が育成されやすい環境と言えるでしょう。
いろいろな仕事をして、自分自身の価値を高めていきたいと考える方は、ベンチャー企業が向いているのかもしれません。
意思決定が円滑
意思決定が円滑に進む点も、ベンチャー企業の特徴のひとつです。
何かしらの業務提案を行う際、大企業であれば、採用までに多くのフローを踏まなければなりません。
さまざまな人がチェックするため、自分の意見が採用されるのは難しいかもしれません。
一方、ベンチャー企業は意思決定のスピードが速く、提案がその場で決まる場合が多いです。
ちょっとしたミーティングで出した意見からアイデアが広がり、そのまま1つのプロジェクトになるといったことも珍しくありません。
非常に速いサイクルで業務が回っていくため、意思決定の質も必然的に高まります。
連絡も密に素早く取れるため、大企業に比べると業務自体は非常に円滑に回ると言えるでしょう。
若いうちから役職を任せてもらえる
ベンチャー企業の社員は、20代前半~30代の若いメンバーが多いです。
そのため、昇進のチャンスは比較的多くあると言えます。
人数も少なく、少数精鋭の企業が多いため、20代のうちからプロジェクトマネージャーなどの役職に就くことも可能です。
大企業では、昇進までに数年~数十年ほどかかるため、それに比べると非常に速いスピードでの出世ができると言えるでしょう。
逆に言えば、ベンチャー企業は年功序列の世界ではありません。
転職して周りが年下ばかりといった状況で、年齢や人生経験などを気にすることは、ベンチャー企業においてほとんど意味がありません。
大企業でよくある年功序列の考え方は、ベンチャー企業に入社したらリセットしましょう。
頑張り次第で収入が増える
ベンチャーは、基本給にプラスでインセンティブを採用している企業が多く存在します。
インセンティブとは成果報酬のことであり、成果が出た際に還元される臨時給のようなものです。
仕事を頑張れば頑張った分、給与に反映されるというのはインセンティブ型の大きなメリットと言えるでしょう。
頑張り次第では、大企業に勤めていたときよりも高い収入を得ることも可能です。
特に営業職などはこの制度が採用されているケースが多く、獲得契約数に応じてインセンティブが増えていきます。
大企業の場合は、昇給がない限り給与が増額されることはめったにありません。
自分の働き甲斐を給与に求める人は、大企業ではなくベンチャー企業の方が合っているのかもしれません。
経営陣との距離間が近い
ベンチャー企業の特徴として、経営陣との距離感が近いことが挙げられます。
自分のやりたいことやキャリアビジョンを直接経営陣に聞いてもらうことができるので、自分の理想とする働き方や、業務の進め方を職場に反映してもらえるかもしれません。
大企業と比べて風通しが良いことが、ベンチャー企業の大きな魅力なのです。
また社員同士の仲が良いことも多く、意見交換がしやすいほか、全体的に連帯感がある企業が多いのも特徴です。
リモートワークや時短勤務、フレックスタイムの導入など、働き方に対しても経営陣がそれぞれの出勤状態を管理しやすいからこその柔軟性があるので、気になる方はぜひベンチャー企業への転職を検討してみてはいかがでしょうか。
【大企業からベンチャーへの転職事情】ベンチャー企業に転職するデメリット
ここまでベンチャー企業のメリットをご紹介してきましたが、もちろんすべてが良いことばかりではありません。
ここからは、大企業からベンチャー企業へ転職した際に考えられるデメリットについて解説していきます。
メリットの項目と併せて、自分がベンチャーに向いているかの判断材料として参考にしてみてください。
福利厚生の充実度が低い
ベンチャー企業は、大企業に比べて福利厚生の面で劣っていることが多いです。
人数の少ないベンチャー企業では、大企業に比べ業務量が多くなり、休日出勤や残業などが増えることも珍しくありません。
プライベートを大事にしたいという方は、ベンチャー企業で働くことが大変に感じるかもしれません。
会社が大きくなるにつれて、福利厚生が整備されていくことがほとんどですが、初期段階の企業で働く場合には、忙しくなるということを覚悟しておくと良いでしょう。
もちろん、企業によってはリモートワーク、フレックス勤務の採用など働き方を大切にしている場合もあります。
自分の志望する企業がどのような福利厚生になっているのか、事前にホームページなどで確認しておきましょう。
年収が下がる
大企業からベンチャー企業に転職する場合、今の年収より下がる可能性が高いです。
企業として未成熟なベンチャー企業は、当然ながら大企業と比べて安定さに欠けます。
大企業からの転職を考えている場合、給与の面だけで転職を決めるのはリスクが高いと言えます。
ほとんどの企業は、いわゆる大手企業に比べて従業員の給与を安く設定していることが多いです。
例外的に、一部の有名なベンチャー企業は、大手企業と遜色ない高額な給与設定をしている場合があります。
そういった企業の場合、採用する人数を絞り、能力の高いメンバーを集めた少数精鋭のチームにしているケースが多いようです。
年収が下がることで生活に大きな影響が出るという方は、よく検討してから転職する必要があると言えるでしょう。
安定性に欠ける
ベンチャー企業の多くは成長途中にあります。
そのため、普段の業務が常に大変で、さまざまなことが間に合っていないという状況が毎日のように発生します。
また、会社のお金も十分にないことも多く、経営が安定しないという点もデメリットです。
大企業に比べ、資金力や信用度が低いため、倒産のリスクも頭に入れておかなければなりません。
大企業の場合は、終身雇用などの制度も整っており、さらに企業自体が盤石な場合が多いため、比較的安心して働ける環境と言えます。
ベンチャー企業への転職をするなら、何らかのリスクを伴うということを頭に入れておきましょう。
他責ではなく自責の考えを持ち、転職前にきちんと下調べをしておくことをおすすめします。
ミスマッチのリスクが高い
ベンチャー企業は小規模であることが多く、経営陣の考え方が露骨に反映されることも少なくありません。
経営陣の考え方や特色が色濃く出るため、会社独自の文化が生まれやすく、人によってはその雰囲気が合わないということもあり得ます。
実際、ベンチャー企業は採用選考において、自社とカラーが合う応募者なのか慎重に判断しています。
転職前にその企業のコーポレートサイトなどを見て、経営陣や社長がどんな人間なのかを確認しておくとミスマッチの可能性は低くなるでしょう。
また、多くのベンチャー企業が体育会系だと思っている方も多いかもしれませんが、それは極端な考え方です。
自分に合った会社を見つけるために、気になる企業があれば情報収集しておきましょう。
【大企業からベンチャーへの転職事情】大企業からベンチャー企業への転職で後悔しないために
では、大企業からベンチャー企業へ転職するときには、どんなことに気をつければ良いのでしょうか。
最後に、大企業からベンチャーへの転職で公開しないために必要なことをお伝えします。
以下の4点に注意して、転職を成功させましょう。
年収が100万以上は下がる覚悟を持つ
まず、一般的な大企業からベンチャー企業に転職する場合、年収が大幅に減ることを覚悟しましょう。
一般企業とベンチャーでは、同じ業界でも年収に100万円以上の差があることは決して珍しくありません。
自分の生活水準が下がるとしたら、どこまで耐えられるのかをよく考えましょう。
また、ベンチャーは昇進しやすいという特徴がありますが、昇進は企業の経営状況によって左右されます。
そのため、活躍したからといって、必ず良い結果になるとは限らない点も頭に入れておく必要があります。
なお、インセンティブを獲得するという方法もありますが、具体的にどれだけ稼げるのか慎重に考えることが重要です。
年収がダウンするということを冷静に捉え、福利厚生の面と併せて考えてから決断しましょう。
情報収集を十分に行う
大企業から転職を考える際、「今よりも良いところだろう」という期待感だけで転職先を考えるのは危険です。
ベンチャー企業は、たしかに大企業にはない魅力がたくさんあります。
しかし、十分に情報収集を行わないと、入社してから企業とのミスマッチが判明して再び転職を考えるという事態になりかねません。
給与や福利厚生、経営陣の考え方などは必ず確認しておきましょう。
自分と相性が良い企業を見つけられれば、転職後も安心して働くことができます。
また、企業に応募する際、1つの企業だけに的を絞るのは賢明とは言えません。
調べる企業は数社に絞らず、数十社ほどに広げて情報収集すると、ベンチャー企業への転職で危惧されるリスクを下げられるでしょう。
プライドを捨てる
ベンチャー企業に転職する際、「キャリアダウンした」といったような感覚は捨てましょう。
有力なベンチャー企業は、世界で通用するような人材が集まるような環境です。
大企業にいたことだけにこだわってしまうと、採用担当者には、自分の持つスキルや能力をアピールできず、実力主義の傾向が強いベンチャー企業にはミスマッチと判断される可能性もあります。
また入社後も、大企業出身であることが自分のためになる場面は、ベンチャー企業においては非常に少なくなるでしょう。
むしろ、今までと異なる仕事の仕方や会社の雰囲気に慣れていくためには、自分のプライドが邪魔になるかもしれません。
大企業にいたことをあくまでも1つの経歴として捉え、それ以外に自分の有用性を示すことが大切です。
優良な就活エージェントを利用する
大企業からベンチャー企業への転職は、難しく感じることも多いでしょう。
求められる資質や評価される部分が、ベンチャー企業は大企業と大きく異なるからです。
転職で失敗したくないという方は、就活エージェントを利用するのも良いでしょう。
会員登録すると、就職活動のプロであるアドバイザーから、就職・転職を成功させるためのアドバイスを受けられます。
また、印象に残りやすい履歴書の書き方などの実用的な知識や、自己分析などのやり方なども教えてくれます。
さらに、精神的な支えとなり、転職活動を全面的にバックアップしてくれるのも魅力です。
ベンチャー企業への転職に特化しているところもあるので、興味がある方はぜひ利用してみましょう。
失敗しないためにもエージェントを利用しよう
アゲルキャリアでは、面接対策や求人情報の提供、書類添削サポートなど、内定獲得までの手厚いサポートを行っています。
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自分に合ったベンチャー企業がわからない、数が多くてどこから手をつけていいかわからないという方は、ぜひアゲルキャリアを利用してみてはいかがでしょうか。
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まとめ
今回は、大企業からベンチャー企業への転職を考える方に向けて、ベンチャーへの転職のポイントをご紹介しました。
大企業にない魅力がたくさんあるベンチャー企業ですが、その分リスクやデメリットもあるということを知っていただけたかと思います。
昨今のベンチャー企業はいずれも人気があり、選考の倍率も高くなっています。
「何となくベンチャー企業に転職したいな」という気持ちだけで転職活動を始めるのは、少々リスクが高いかもしれません。
情報収集をする、就活エージェントを利用するなどして、後悔のない転職活動を行いましょう。