はじめに
女子学生が就活を始めるにあたって、とくに女性管理職の比率はチェックしておいたほうが良い項目です。
女性であるがゆえに正当な評価を受けられないような企業では、労働意欲が低下してしまいます。
しかし、妊娠・出産などのライフイベントが昇進の妨げになってしまうような企業も、いまだに存在するのが現状です。
今回は、就活を始めた大学3年生に向けて、ベンチャー企業における女性管理職の比率や、女性管理職の比率が高い業界について解説します。
【ベンチャーの女性管理職比率は?】女性管理職の現状
平成30年の国内企業における女性管理職の割合は、14.9%でした。
これは諸外国と比較すると、極めて低い割合です。
企業で働く女性の数が少ないからではないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、就業者に占める女性の割合は44%ほどで、決して少なくはありません。
欧米と比べると数%低いですが、アジア諸国の中だけで見ればむしろ高いほうです。
この5年前である平成25年の11.2%というデータと比べれば、着実に上昇傾向にはありますが、まだ諸外国に追いつけていません。
【ベンチャーの女性管理職比率は?】ベンチャー企業の女性管理職比率はどうなのか?
ベンチャー企業は、一般企業に比べて先進的なイメージがあるかもしれませんが、女性管理比率はほかの企業と同様、もしくはそれ以下です。
ベンチャー企業の女性役員の割合は2.7%、女性の代表職の割合は2.8%、女性の役員がまったくいない企業が89%以上を占めています。
新しいビジネスを手掛け、一般企業をリードしているベンチャー企業であっても、女性の登用に関してはまだ遅れているのが現状です。
ベンチャー企業だからといって、女性が働きやすいわけではありません。
【ベンチャーの女性管理職比率は?】女性管理職比率が低い理由
本来管理職となることに性差はあまり関係ないはずですが、日本の女性管理職比率が低い理由はどこにあるのでしょうか。
それは企業風土もあるかもしれませんが、女性が管理職に抱いているイメージも関係しているかもしれません。
目指す人が少なければ、当然比率も低くなります。
管理職に対するイメージ
日本の企業の女性管理比率が低い理由の一つとして、管理職に対してあまり良いイメージがないことが挙げられます。
管理職になると給与自体は上がりますが、その分の背負う責任は非常に大きくなり、幅広い業務をこなさなければなりません。
自分の業務と並行して部下のマネジメントも行わなければならず、仕事量は確実に増えるでしょう。
そのため、管理職は肉体的かつ精神的に厳しいというイメージをもつ人も多いのです。
さらに、管理職になっても給与にあまり変化がない企業もあり、とくにそういった場合は進んで希望する方は少ないでしょう。
「仕事が大変なわりに、負担が給与に見合っておらず儲からない」とういうイメージが、女性管理職比率を下げている一因であると考えられます。
なりたいと思っていない
管理職を目指す女性が少ないことも、日本の企業における女性管理職の比率が低い原因です。
多くの日本の企業は、近年になってようやく女性が働きやすい環境づくりに取り組み始めたとはいえ、妊娠・出産を経ても働きやすい環境とはいえないところもまだたくさんあります。
とくに出産を計画している場合は、ライフイベントが多くなりがちな状況で、仕事と家庭をどう両立させていくのかが問題です。
よほど良い待遇や環境が用意されていなければ、忙しくてプライベートの時間まで削られがちな管理職になりたいと思う女性は多くありません。
また、会社で育休が取りづらかったり時短勤務が難しかったりする場合は、昇進どころか休職や退職を選択せざるを得ない女性もたくさんいるのです。
性役割の考え方がいまだに残っている
以前は「男性が外で働き、女性は家を守る」という性役割の考え方が一般的で、結婚後はパートなどの非正規雇用で働く女性が多くいました。
もちろん性役割については旧来的な考え方となっていますが、いまだそれが根本的に残っているのも、女性管理職比率が低いことの原因です。
社内でバリバリ働くのは男性で、女性はそのサポートといった考え方が残っている企業もあります。
そういうところでは、女性の意欲があってもなかなか昇進できず、前例がないという理由で女性は管理職に選ばれない会社もあるのです。
働き方は人それぞれであり、管理職を目指すのも目指さないのも本人の選択次第です。
しかし、昔ながらの考え方に縛られ、女性の昇進が遅れている企業は今でもたくさん存在します。
【ベンチャーの女性管理職比率は?】女性管理職を増やすべき理由
現在の日本では、女性管理職比率が諸外国に比べて低くなっていますが、今後はもっと女性管理職を増やしていかなければなりません。
意欲と能力をもっていれば、性別に関係なく、管理職になれるようにするべきなのです。
その理由を以下でご説明します。
優秀な人材の発掘に繋がる
企業における女性管理職比率の高さは、優秀な人材の発掘に直結します。
向上心や仕事に対する意欲が高い女性は、企業選びの際に女性管理職の割合が高いかどうかに着目するからです。
性別に関係なく、仕事に対する能力や意欲を評価してくれる会社であれば、自然と優秀な人材が集まるようになるでしょう。
また、女性管理職が多い企業は、女性に対して働きやすい環境づくりに取り組んでいるという評価もされやすくなります。
女性が働きやすいというイメージが定着すれば、思う存分働きたいという女性が集まってくるでしょう。
優秀な人材を手放すことのないように、企業側は女性に対して管理職への門戸を広げ、昇進のチャンスにおける性差をなくすように努力していくべきなのです。
企業価値の向上に繋がる
女性管理職を増やし受け入れていくには、職場環境の改善が必要です。
その際には、産休・育休や時短勤務、テレワークの導入などが必要となり、結果的に企業全体の働きやすさが向上します。
産休・育休や時短勤務が必要なのは、管理職の女性だけではありません。
管理職でない女性もたくさん働いているわけですし、男性でも育休を取得して育児に集中することがあります。
これからそういった方の数は、増えていくでしょう。
コロナ禍で一気に普及したテレワークですが、通勤で時間が無駄にならずに済むというメリットは、男女関係ありません。
働き方が多様化することで、さまざまな立場の社員が働きやすくなります。
そういったことが世間にも伝わればイメージが良くなり、企業価値の向上にもつながるはずです。
【ベンチャーの女性管理職比率は?】業界別の女性管理職比率について
政府は、2020年代に女性管理職比率が30%となることを目指していますが、30%を超えている企業は全体の1割ほどです。
これでは、掲げた目標値まではほど遠いといわざるを得ません。
また、女性管理職比率の高さを業界別に見てみると、1位が小売業界、2位に農・林・水産業界、3位に不動産業界がつけています。
3位の不動産業界と僅差で4位になっているのがサービス業界です。
女性管理職比率が比較的高い業界を選べば、女性でも管理職を目指しやすい環境が整っているかもしれません。
さらに、そういった環境が整備されるのが、ほかの業界より早いことが予想されます。
目指す業界や企業がまだ固まっていない方は、女性管理職比率に注目してみてはいかがでしょうか。
【ベンチャーの女性管理職比率は?】活躍したい人にベンチャーはおすすめ
将来的には女性管理職を目指し、バリバリ働いて活躍したい方にはベンチャー企業がおすすめです。
残念ながら、ベンチャー企業も女性管理職が占める割合は高くありませんが、チャレンジできる環境は整っています。
ベンチャー企業は実力主義のところが多く、能力が認められてご自分が望むのであれば、女性の管理職を歓迎する雰囲気があるはずです。
また新しい企業が多く、上層部の年齢層も比較的若いので、女性だからといって不当に評価されることも少ないでしょう。
能力や成果が正当に評価してもらい、将来経営に関わりたいのであれば、ぜひ会社選びにベンチャー企業を加えてみてください。
まとめ
日本の企業の女性管理職比率が諸外国と比べるとまだ低いのが現状であり、ベンチャー企業にも同じことがいえます。
その理由はいくつかありますが、管理職のイメージが良くないこと、管理職を目指す女性が少ないこと、いまだに性役割の考え方が残っていることが挙げられるでしょう。
しかし、女性管理職比率を上げることは、企業にとっても優秀な人材の確保や価値の向上につながるのです。
将来バリバリ活躍したい方には、実力主義のベンチャー企業がおすすめです。