はじめに
自己分析や業界分析など、就職活動はやることが多く大変に感じる方も多いでしょう。
その中でも大変に感じやすいのが、企業や業界についての理解を深めるために行うOB訪問です。
OB訪問とは、企業に勤めている社会人を訪問し、働き方や企業の雰囲気、就職活動の進め方などについて話を聞くことです。
就活経験者の生の声を聴ける機会は非常に貴重なので、スケジュールに余裕のある時期にぜひやっておきましょう。
本記事では、依頼メールの書き方や訪問するOBの探し方について詳しくご説明していきます。
【OB訪問の依頼メール】メールの基本の書き方
OB訪問を行う際には、まず依頼のメールを送る必要があります。
相手は社会人ですから、送信する時間帯や文章はビジネスマナーのルールに沿ったものにする必要があります。
内容がわかりやすく、かつ礼儀正しい文章を心がけましょう。
宛先
まずは、訪問するOBの連絡先を宛先に入力します。
OBの連絡先は、大学のキャリアセンターにある卒業生のデータベースなどから入手するのが一般的です。
また、志望する企業や業種のOBの情報がデータベースにない場合、キャリアセンターや企業に直接連絡することで教えてもらえることもあります。
入手した連絡先は、Toの欄にそのまま入力しましょう。
手打ちすると、入力を間違えて正しく相手に送信できないおそれがあるので、コピー&ペーストするのがおすすめです。
件名
件名は「OB訪問のお願い」など、端的で内容がわかりやすいものにしましょう。
社会人は、1日に多くのメールをやり取りしているため、曖昧な件名のメールは見落とされてしまう可能性もあります。
相手の手間を減らすためにも、ひと目でわかる件名にすることがビジネスメールにおけるマナーです。
また、複数の学生から依頼を受けているOBもいるため、件名に大学や氏名を入れておくことで、相手がメールを検索する際に探しやすくなります。
宛名
メールの冒頭には、必ず宛名を記載しましょう。
最初に目に入る部分であり、相手に与える印象を大きく左右するので、失礼がないように注意しなければなりません。
宛名は「株式会社◯◯、△△課部長、◇◇様」というように、企業名・相手の役職・氏名の順で書きます。
この際に、企業名や部署名を省略せず、正式名称で入力することを忘れないようにしてください。
役職名はそれだけで敬称となるので、末尾に「様」をつける必要はありません。
また、相手の名前を間違えることは大変失礼なので、誤字脱字がないよう入念にチェックしましょう。
本文
本文を書くにあたって、忘れてはならないのは「挨拶文」と「名乗り」です。
初めてメールを送る相手であれば「初めてメールをお送りいたします」などの文から書き始め、2回目以降は「お世話になっております」と書くようにしましょう。
また、大学・学部・学科・氏名などを記載し、相手に自分の素性がわかるようにする必要があります。
誰からのメールかをすぐに判断できるよう、2回目以降でも名乗るようにしましょう。
その後にOB訪問をしたい経緯を伝えますが、冗長な文章にならないように心がける必要があります。
このとき、文章全体を見やすくするために数行ごとに一行空けて書くようにすると良いでしょう。
文末
言いたいことを伝えて終わるのではなく、文末には結びの文章を入れるのがビジネスメールのマナーです。
今回のように、相手の返信を求める内容であれば「お忙しいところ大変恐縮でございますが、お返事いただければ幸いです」など丁寧なお願いの文言を添えることで、相手に与える印象が良くなります。
また、やり取りの区切りとなるような内容である場合でも「何卒よろしくお願い申し上げます」などの挨拶を必ず添えるようにしましょう。
署名
ビジネスメールのマナーとして、最後に必ず署名をする必要があります。
署名に書くのは自分の氏名・大学・学部・学科・学年・連絡先です。
連絡先には、すぐに連絡が取れるメールアドレスや電話番号を記載し、緊急の場合にもすぐに連絡を受けられるようにしておきましょう。
また、署名は企業の採用担当者などにメールを送る際にも必要になります。
あらかじめテンプレートを用意しておくことで毎回の手間を省けるため、もし用意していない場合はあらかじめ作っておきましょう。
【OB訪問の依頼メール】依頼メールに記載する内容
OB訪問を依頼するメールには、相手の連絡先の入手経路と候補日を記載しましょう。
以下では、それぞれの内容について具体的に説明していきます。
例文付きで解説しますので、初めてOB訪問をする方はぜひ参考にしてみてください。
連絡先の入手経路を説明する
OB訪問の依頼メールで大切なポイントのひとつは、相手の連絡先を入手した背景を明記し、安全なやり取りであると理解してもらうことです。
OBの連絡先は、キャリアセンターや企業のほか、知人の紹介などさまざまな経路から入手できます。
ですから、どのような経緯で入手したのかがわからないとこちらの素性も不透明になり、相手に不信感を与えてしまうおそれがあるのです。
メールアドレスは、仕事上でも重要となる個人情報ですから、勝手に流出していたら不安に感じるのは当然です。
相手によっては迷惑メールだと判断され、返信してもらえないこともあるかもしれません。
相手に不審がられることがないように、信頼できる経路から連絡先を入手しメールを送っていることを伝えましょう。
候補日は複数設定する
訪問の日程は、こちらから複数の候補を提示しましょう。
候補の中から都合の良い日時を選べるようにしておくことで、相手の負担を減らすことができます。
候補となる日程を選ぶ際には、「就業中の時間帯を選ぶ」「メールの送信日から1~2週間先の日を提示する」「幅広い時間帯で提示する」の3点に注意しましょう。
基本的に、社会人に対して就業時間外の対応を求めるのは避けた方が賢明です。
相手から希望がある場合を除き、就業中の時間帯を提示するようにしましょう。
また、直近の日程は相手の都合がつかない可能性が高いです。
質問に対する準備などもあるので、余裕を持った日程を提示しましょう。
そして、相手のスケジュールがわからない状態でアポイントを取ることになるので、相手を困らせないためにもさまざまな時間帯を提示しましょう。
【OB訪問の依頼メール】例文
株式会社◯◯△△課部長 ◇◇様
初めてメールをお送りいたします。
現在xxxx年新卒入社に向けて就職活動をしております●●大学◆◆学部▲▲学科の山田太郎と申します。
この度は大学のキャリアセンターで◇◇様のことを知り、OB訪問をお願いしたくご連絡を差し上げました。
ご多忙中とは存じますが、下記日程候補のうちから◇◇様のご都合の良い日時をお知らせいただければ幸いです。
<候補日程>
◯月◯日 ●時~●時
◯月◯日 ●時~●時
◯月◯日 ●時~●時
私は●●大学で★★分野の研究をしており、◎◎業界を志望しております。
つきましては、◎◎業界でご活躍されている◇◇様のお話を伺い、◎◎業界に対する理解を深めたいと考えております。
お忙しいところ大変恐縮でございますが、お返事いただければ幸いでございます。何卒、よろしくお願い申し上げます。──────────────────────────────
山田太郎
●●大学◆◆学部▲▲学科3年
携帯番号:080-xxx-xxxx
メールアドレス:◯◯@△△.ne.jp
──────────────────────────────
【OB訪問の依頼メール】依頼メールを送る前にチェックすべきこと
繰り返し述べているように、OB訪問の依頼メールはビジネスメールのマナーに沿って書く必要があります。
失礼があっては相手に不信感を与えてしまうので、送信する前に以下の3点をチェックしておきましょう。
読みやすい文章になっているか
まずは、相手が読みやすい文章であるかをチェックしましょう。
ビジネスメールは、文章の内容が重要ですが、ひと目見たときにわかりやすい構成にすることも大切です。
具体的には「一文が長すぎないか」「改行が適切であるか」などがポイントとなります。
適切な頻度で句読点を打ち、一文あたり40~60字になるように心がけると読みやすい文章になるでしょう。
また、改行は句点ごとに行った方が見やすいです。
メールの内容に合わせ、数行ごとに一行空けると文章にまとまりが生まれ、内容の把握がしやすくなります。
また、相手の負担にならないよう、候補となる日程を提示する際には箇条書きにするなど、できるだけ見やすいレイアウトを心がけましょう。
失礼な点はないか
次に気をつけなければならないのは、失礼な点がないかということです。
礼節を欠いた表現は、こちらにそのつもりがないとしても、受け取った相手に不快感を与えてしまいます。
たとえば、敬語表現は正しく使えているかのチェックは欠かせません。
OBの方は目上の相手になるので、「お疲れ様です」などの表現は失礼にあたります。
また、丁寧な表現をしようとするあまり、二重敬語になってしまうこともありがちなミスです。
尊敬語や謙譲語を正しく使えるよう、事前によく調べておきましょう。
また、クッション言葉を文頭につけることで、より丁寧な文章になります。
クッション言葉とは、「恐れ入りますが」や「ご都合がよろしければ」といった、相手への配慮を示す表現のことを指します。
高圧的な印象になることを避けるために、依頼のメールを送る際はぜひ活用してください。
誤字脱字はないか
構成や文章表現の確認が終わったら、最後に誤字脱字がないかを入念にチェックしましょう。
友人同士などであれば、多少の誤字は問題ありませんが、ビジネスメールの場合は好ましくありません。
訪問する前から悪い印象を持たれるのは非常にもったいないことです。
LINEなどと違い、通常のメールは送信したものを取り消すことができないので、推敲は丁寧に行いましょう。
自分の書いた文章、しかも画面上となると目が滑って誤字脱字を見逃してしまう可能性が高いので、不安な方は印刷してチェックしましょう。
また、家族や友人などの第三者に見せて確認してもらうのもおすすめです。
自分では気づかない間違いを指摘してくれるため、可能であれば相談してみてください。
【OB訪問の依頼メール】ベンチャー企業の方にお話を聞きに行くには
ベンチャー企業を志望している就活生もいるかと思いますが、ベンチャー企業は社員の数が少ないため、OBをなかなか見つけられないかもしれません。
その場合は、SNSやアプリを活用しましょう。
なお、おすすめのアプリもご紹介するので、気になる方はぜひ利用してみてください。
SNSで探す
ベンチャー企業に勤めている方を探すときは、まずSNSで調べてみるのがおすすめです。
最近では、TwitterやInstagramなどで広報活動を行っている企業も多くあります。
キャリアセンターの名簿などには載っていないOBであっても、SNSなら見つけられるかもしれません。
気になった企業がSNSアカウントを設置しているかどうか調べ、もしあればダイレクトメッセージを送ってコンタクトを取ってみましょう。
返信してもらえない可能性もありますが、まずは熱意を伝えることが重要です。
ただし、SNSには偽物のアカウントも多く混じっています。
ただの偽物であればまだ良いですが、詐欺やマルチ商法を行っている怪しいアカウントもあるので、投稿内容などをよく見て正しい情報かどうかを見極めてください。
アプリで探す
OB訪問専用のサービスも積極的に活用しましょう。
それらのサービスにはさまざまな企業のOBが登録しており、就活生から申請を送ってマッチできるようになっているものが多いです。
以下の項目では、その中でもおすすめのサービスを2つご紹介します。
Matcher
1つ目におすすめするサービスは「Matcher」です。
MatcherはOB訪問専用サービスのひとつで、さまざまな業界や職種の方が多数登録しています。
業界や職種、相談内容や地域といった細かい条件を絞って検索することができ、自身が知りたいことを教えてくれるOBに出会いやすいツールだと言えるでしょう。
OBの個人ページには、過去の経歴や相談に関するプランの希望が記載されているため、訪問に先立って相談内容を考えやすくなります。
また、実際に話を聞いた就活生からのレビューも見ることができるので、安心して訪問に臨むことができます。
面倒な手続きは一切必要なく、ワンクリックで訪問の申し込みができるので、興味がある方は下記のURLから登録してみてください。
Wantedly
次におすすめするのは、「Wantedly」と呼ばれるサイトです。
Wantedlyは、IT企業のベンチャー企業を中心にエンジニアやデザイナーなどさまざまな業種の企業が利用しており、キャリアセンターでは見つけられなかったOBとの出会いも期待できるでしょう。
300万人のプロフィールが登録されており、気になる企業を気軽に訪問することができるほか、企業のメンバーやブログも閲覧することができます。
給料や待遇といった条件ではなく、ビジョンやミッションを軸としたマッチングができるので、「自分が本当にやりたい仕事は何か?」を見つけることに役立つはずです。
こちらもMatcherと同じように、メールアドレスなどがあれば簡単にアカウントを作成できます。
興味がある方は、ぜひ下記のURLから登録してみてください。
まとめ
今回は、OB訪問の依頼メールの書き方、OBの探し方などについて解説しました。
依頼メールはビジネスメールのマナーに則り、失礼な表現や誤字脱字に注意して書くように心がけましょう。
また依頼メールには、相手の連絡先の入手経路と訪問の候補日を必ず記載し、不信感を与えないようにすることも重要です。
ベンチャー企業などOBを見つけづらい場合には、SNSやOB訪問専用のサービスを積極的に活用して目当てのOBを探してみましょう。