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物流業界とはどんな業界なのでしょうか。
就活を進めていく中で、物流業界という分野が気になっている人も多いと思います。
よく聞く名前ではありますが、実際にどのような業態があるのか、どのような人がその業界に向いているのかはあまりイメージできないかもしれません。
今回は、そんな物流業界の概要や、物流業界に向いている人などについて詳しく解説していきます。
物流業界を視野に入れて就職活動を行っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
・物流業界について
・物流業界に向いている人
・物流業界に就職するためにするべきこと
・物流業界について知りたい人
・物流業界に向いている人の特徴を知りたい人
・物流業界に就職するためにするべきことを知りたい人
目次[目次を全て表示する]
【物流業界とは】物流業界とは
物流業界の主な仕事は、商品を生産者から消費者まで運んで届けることです。
物流業界は、企業間の商品の取引を行う企業、企業と個人間を結ぶ企業、個人間の取引を行う企業などさまざまな形態に分かれています。
商品を運搬する手段は「陸運」「海運」「空運」「鉄道」と多種多様であり、商品の内容や規模によってやり方は大きく変わってきます。
また、物流業界は商品の運搬を行っているだけではなく、倉庫での保管や商品の包装など、物の管理に関する業務を幅広く行っていることも知っておく必要があるでしょう。
生産者から消費者まで、物が届けられる大きな流れに関わる業務全般を指して「物流」と呼んでいるのです。
このように、物流業界が物の流れ全体を扱う業界であることをまず頭に入れておきましょう。
・ビジネスモデル
・市場規模
・就職難易度
物流業界のビジネスモデル
物流業界のビジネスモデルが何であるのかについても理解しておきましょう。
物流業界は主に生産者、メーカー、商社、卸売会社からの依頼を受け、その商品を効率的に消費者や他の企業へ届けることを目的としています。
物流業界は依頼を受けた商品を集荷し、保管、仕分け、配送の各プロセスを経て最終的な目的地まで郵送します。
そして仲介手数料や郵送料、配送料などを元請けの企業から受け取ることで収益を出しているのです。
物流業界の市場規模
日本の物流業界は年間約25兆円規模とされており、国内産業全体において非常に重要な位置を占めています。
また、近年ではEコマースの拡大やグローバル化の進展により、物流業界の需要はさらに増加しています。
特にEコマースの台頭は物流業界に大きな変化をもたらしました。
オンラインショッピングの普及により、少量多頻度の配送が主流となり、ラストワンマイル物流の需要が急増しています。
今後も物流業界は社会の基盤として成長を続ける見込みです。
また、国際物流市場では新興国の経済発展に伴い、日本企業が海外市場への展開を強化しています。
これにより、物流業界全体の市場規模はさらに拡大していくと予想されています。
物流業界の就職難易度
物流業界全体の就職難易度は他業界と比較すると極端に高いわけではありません。
特に中小企業や地域密着型の企業では求人数が安定しており、採用ハードルは比較的低めです。
しかし、大手物流企業や商社系の物流部門は別です。
むしろ、競争率が高いと言えるでしょう。
大手物流企業が人気を集める理由として、福利厚生の充実や安定した収入、研修制度の整備が挙げられます。
これらの企業では総合職から専門職まで幅広いポジションがあり、自分のスキルや適性に合ったキャリアを築ける環境が整っています。
ただし、入社するには業界研究を徹底し、志望動機を明確にすることが欠かせません。
一方で、中小、またはベンチャーの物流企業では即戦力を求められるケースが多いため、実践的なスキルがあれば就職が著しく難しいわけではないでしょう。
業務の流れ
物流という業界の規模の大きさは理解できたかと思いますが、それでは物流業界の実際の業務についてはどうでしょうか。
物流業界全体については何となく想像できても、業務の詳しい流れについてはわからないという人も多いでしょう。
ここでは、私たちの暮らす社会を取り巻く物流業界のさまざまな業務について詳しく説明していきます。
物流業界への就職を視野に入れている人は、業務の流れを知って就職活動をスムーズに行えるよう準備しておきましょう。
・保管
・荷役
・流通加工・包装
・輸送・配送
・情報管理
1.保管
物流業界の主な業務のひとつに、商品の「保管」があります。
生産者から受け取った商品を、自社や専門業者の倉庫で保管するという業務です。
商品運搬のタイミングを調整したり、適切な条件を整えたりするという役目を担っています。
食品輸送の場合、冷蔵・冷凍保存技術で品質を保つ必要があるため、一定の管理技術が必要となります。
また、パソコンをはじめとする精密機器なども温度管理が必要であるため、専用の保管技術が必要です。
2.荷役
「荷役」も物流業界が担う重要な業務のひとつです。
さまざまな状況下での荷物の積み込み・積み下ろしや保管倉庫への入出庫など、商品の持ち運び全般を行う業務のことを指します。
もし商品が輸出入品の場合は、通関手続きなどもしなければいけません。
また、商品の上げ下ろしや持ち運びを行うため、体力が必要となる業務です。
人の手では扱えない大きな荷物も運ばなければならないので、フォークリフトやクレーンなどの資格を持っていると就職で有利となるでしょう。
港湾作業員や郵便集配員、倉庫作業員といった人が行う業務、あるいは引越し業者がトラックに大型家具や家電製品を積み込むところをイメージしてもらえると、イメージがしやすいかと思います。
なお、業務の中にはピッキングなども含まれることがあります。
3.流通加工・包装
物流業界の業務には、「流通加工・包装」といった分野も含まれます。
物流センターや倉庫などで、商品の内容を示すラベルを貼るといった業務が一般的です。
また、物を運びやすいようにそれぞれの大きさに合った段ボールに箱詰めするなど、送り主の依頼に応じて製品を加工したり包装したりすることも少なくありません。
具体的な作業の例として、値札付けやタグ付け、ラベル貼りや箱詰め、袋詰めといったものが代表的です。
これらの作業は、主に商品が輸送中に破損してしまうことを防ぐために行われます。
また、商品を正しい組み合わせでセットする「セット組み」の業務も含まれますが、いずれもコロナ禍におけるステイホームの浸透で通販の需要が高まっており、常に人手不足となっています。
なお、基本的に大きなセンターで大規模なライン作業として行っているところが多いです。
4.輸送・配送
物流業界という言葉を聞いて、多くの人が想像する業務が「輸送」でしょう。
宅配の荷物を運ぶトラックがまさにその「輸送」です。
商品を倉庫や問屋・小売店へ届ける荷物をトラックや船舶、飛行機、鉄道などで運び出荷する業務全般のことを指します。
トラックや船で商品を物流センターなど拠点まで運ぶことを「輸送」、宅配便を家へ届けるなど拠点から最終目的地に運ぶことを「配送」と呼びます。
現代の経済活動に大きく関わり、重要視されているのが輸送の業務です。
また、日夜トラックを走らせるドライバーなど多くの人員が関わっている業務でもあります。
日本の経済を支える重要なラインのひとつであり、インフラと言っても差し支えがありませんが、業界の拡大により人手不足が叫ばれています。
5.情報管理
物流業界で重要な業務のひとつが「情報管理」です。
「インターネットを使って荷物が今どこにあるのかを把握する」「輸送経路や輸送の状況を管理する」など、物流におけるプロセスの情報を管理する仕事のことを指します。
倉庫の商品の在庫を管理する倉庫管理、配車の状況の把握や配車への指示を出す配送管理、現状の管理を行う運行管理などがあり、非常に多岐にわたる業務です。
特に食品の場合、賞味期限なども関わってくるため、より適切な運用が求められるでしょう。
また、輸送ルートを改善し、業務を効率化させるのも大事な仕事です。
なお、情報管理はIT技術の活用が必須の分野で成長が著しいため、この仕事に就く方は毎日の勉強が重要と言えるでしょう。
物流業界の主要企業
物流業界には多くの企業がありますが、その中でも特に大きな役割を担う企業があります。
規模が大きく、国内外で広く事業を展開し、日本の物流を支えている企業は、就活生にとっても働く環境や将来性を考えるうえで重要な存在になります。
ここでは物流業界を代表する企業を取り上げ、それぞれがどのような特徴を持ち、どのような強みを発揮しているのかを分かりやすくまとめます。
・日本通運
・日本郵船
・ヤマトホールディングス
日本通運
日本通運は国内の物流を支える中心的な企業であり、幅広い輸送手段を持っている点が特徴です。
陸上輸送、海上輸送、航空輸送まで自社で網羅しているため、荷物の種類や距離に応じて最適な運び方を選ぶことができます。
また国内だけでなく海外にも拠点を持ち、世界各地の企業とつながりながら物流を組み立てています。
多様な分野の荷物を取り扱うため、仕事の内容も幅広く、専門的な知識が必要になる場面も多いです。
一方で国内に強い基盤があるため、安定性の高さも大きな特徴になっています。
企業との契約が長く続くことが多く、景気に左右されにくいところも魅力の一つです。
社員は協力しながら現場の状況を整え、複雑な案件でも調整を重ねて進めています。
物流の最前線を広く経験できるため、成長したい学生にとってはやりがいのある環境です。
日本郵船
日本郵船は海上輸送を中心とした企業であり、船を使った大規模な物流を担う会社です。
輸送の対象は自動車や資源などの大きな荷物が多く、長距離の輸送を支える重要な役割を持っています。
世界の港を結ぶ事業を展開しており、海外とのやり取りが多いため、国際的な視点が求められる場面が多いことも特徴です。
また海運に加えて陸上輸送や倉庫の管理など、海を中心にしながらも幅広い物流を展開しています。
規模の大きな荷物を扱うため、時間管理や安全管理が非常に重要で、現場の判断力や計画性が求められます。
船の運航は多くの人が関わりながら進めるため、一つの仕事を協力して進めたい学生には向いている環境です。
世界を相手にした仕事ができることから、挑戦したい学生にとっては魅力の強い企業でもあります。
ヤマトホールディングス
ヤマトホールディングスは宅配サービスで知られ、個人の荷物から企業の荷物まで幅広く扱う企業です。
全国に拠点を持ち、地域に密着した形で荷物を届ける体制を整えています。
スピードや正確さが求められる場面が多く、現場で働く人の判断力や丁寧な対応が物流を支える力になっています。
また近年は企業向けのサービスにも力を入れており、働き方に合わせた配送方法やシステムを提案する取り組みも行っています。
再配達の減少や効率化に向けた対策にも積極的で、現場の負担を減らし、働きやすい環境をつくるための改善も進めています。
地域ごとの特性を理解しながら動く必要があるため、人との関わりが多い仕事をしたい学生には向いています。
物流の中でも生活に近い部分を支える企業のため、人々の暮らしを支える実感を持ちながら働ける点も魅力です。
物流業界の職種と業務
物流業界のおおまかな流れについては、以上の説明で理解できたと思います。
しかし、具体的な業務内容に関しては、「まだよくわからない」という人も多いのではないでしょうか。
ここからは、さらに詳しい職種と業務について説明していきます。
物流業界への就職を考えている人は、具体的な職種を知ることでイメージがしやすくなるでしょう。
また、自分の個性に合った職種があるかどうかを知ることも大切です。
自分の個性と照らし合わせて、この業界を目指すつもりがあるかどうかを考え、深掘りしていきましょう。
・営業
・管理
・ドライバー・パイロット
・人事
・総務
・物流コンサルタント
・システム開発
営業
物流業界の職種として、「営業」が挙げられます。
主に法人顧客を中心に、物流に関する課題要望を顧客から聞いて、物流会社のサービスを活かし顧客が抱える課題を解決していきます。
近年、コロナ禍における巣ごもり需要などで通販サイト事業は拡大の一途をたどっていますが、サイト運営会社は商品を自社内で保管することができません。
そのため、サイト運営側から物流会社に商品の保管を依頼しなければならない必要性が高まってきました。
物流会社の営業では、サイト運営を行う企業へ自社サービスの提案、新規開拓をして契約を目指す既存顧客のサポートなどの業務を行っています。
営業は物流における売上に関わる重要な業務であるため、責任も重大と言えます。
管理
物流業界における重要な職種のひとつに「管理」があります。
取り扱う商品の入荷や保管、出荷といった物流業務のプロセスを管理することが主な仕事です。
具体的な作業を挙げると、まずは商品の状態に異常や破損がないかどうかを検査する「検品」が挙げられます。
ほかにも商品が破損しないようにするために行う「梱包」、倉庫や物流センターに届く商品を適切に分類する「仕分け」、必要な品物をピックアップする「ピッキング」、運送車に商品の積み下ろしをする「荷役」など細かく分かれています。
管理業務は作業量が多く、人員コストがかさみがちなので、機械やシステムで自動化し、金銭コスト・人員コストの削減に励む企業も少なくありません。
また、全体に体力が必要な作業が多いので、体力のある人が向いているとされる職種です。
ドライバー、パイロットなど
物流業界と聞いて特にイメージしやすい職種は「ドライバー・パイロット」ではないでしょうか。
ドライバーやパイロットは、大切な商品を消費者のもとまで届ける大事な仕事を行う職種です。
商品を物流センターのような拠点に運ぶ「輸送」と、宅配物など個別の消費者に届ける「配送」の2つに分かれています。
輸送の場合、長距離トラックや航空機、貨物船、貨物列車など長距離間を運ぶことができる運搬方法が使われます。
一方、配送は輸送に比べると規模が小さいため、主に宅配トラックが使われるのが一般的です。
なお、ドライバー業務を行うには、自分が使う乗り物に合わせた専用の免許が必要となる点に注意しましょう。
また、長時間にわたって勤務しなければいけないため、体力に自信のない方は慎重に検討してみてください。
人事
物流業界における人事部門は、企業の人材戦略を支援して組織全体の人材関連のニーズに応えます。
採用活動では適切な人材を募集し、面接や評価を通じて最適な候補者を選定します。
さらに、研修プログラムの設計や実施を通じて、従業員の能力開発と組織文化の醸成を担うのもこのセクションです。
従業員のモチベーションやエンゲージメントが向上し、組織全体の目標達成に向けた努力が促進されている点も見逃せません。
労働法や規制への適合や労務管理も重要な役割であり、社内の労働環境を健全かつ安全に保つことに貢献しています。
労働災害や健康問題の発生を予防することで、組織は労働者補償や医療費などのコスト削減ができているのです。
生産性や従業員の満足度が向上することにより、従業員の定着率が改善されるという効果をもたらしています。
総務
総務の役割は単なる事務作業や電話対応に留まらず、企業の円滑な運営を支える重要なポジションを担っています。
たとえば、労働法や規制に関する情報の管理、従業員の福利厚生の整備などがあげられます。
労働法や規制の変更点を把握し、それに基づいて企業の方針や手続きを適切に更新する責任があるからです。
また労働法に関連する書類や契約の作成や管理、従業員の権利や義務に関する情報提供も役割に含まれます。
これにより企業は法的リスクを最小限に抑え、従業員に公正で安全な労働環境を提供することができるのです。
さらに、社内コミュニケーションを促進することにより従業員間の情報共有や連携が強化され、業務効率やチームワークの向上に貢献している点も大切な役割のひとつでしょう。
物流コンサルタント
物流コンサルタントは、顧客の物流活動を改善するための戦略やプロセスを提案し、実装支援を行っている部門です。
効率性や正確性だけでなく、コスト削減やサービス品質の向上まで様々な面におよびます。
物流プロセスや手順を見直し効率化することによって、物流の流れがスムーズになり時間と労力を減らし、物流コスト削減から利益を最大化できるでしょう。
さらに、在庫管理や配送手配などの課題解決に向けてシステムを構築することにより、誤りやミスを減らして顧客満足度の向上にもつながるのです。
このように市場動向や技術の進化をつねに把握することで、最新の物流テクノロジーやベストプラクティスを導入して競争力を高める支援も行っています。
システム開発
物流業界におけるシステム開発者は、効率的な物流プロセスを実現するための情報システムを開発しています。
倉庫管理や顧客管理などのシステムを設計し実装しますが、それだけではありません。
業務フローの改善や最適化に向けた提案も行い、実際の業務ニーズにマッチしたシステムを構築します。
さらに、システム障害や改善点を把握し、迅速かつ適切な対応を行うことで物流プロセスの円滑な運営に貢献します。
そのため、つねにシステムの稼働状況やパフォーマンスをモニタリングし、異常が検出された場合には速やかに対処しなければなりません。
監視ツールやログの解析を行って、問題の原因を特定して適切な対策を講じることも含まれます。
そうした保守と監視を通じて、物流プロセスの安定性と効率性を維持しているのです。
物流業界の労働環境と数字
物流業界の働き方を理解するためには、現場で働く人たちの年齢構成や労働時間の実態、有効求人倍率、退職率といった数字を知ることが欠かせません。
数字を見ることで、この業界がどのような状況にあり、どんな特徴を持ち、どんな働き方になりやすいのかが具体的にイメージできるようになります。
以下では物流業界の労働環境について紹介します。
・年齢構成
・労働時間
・有効求人倍率
・退職率
年齢構成
物流業界の労働環境を考える上で、年齢構成はとても重要な指標です。
この業界は働き手の高齢化が進んでおり、運送を中心とした現場では中高年の比率が高くなっています。
若い世代が少ない背景には、体力を求められる業務が多いことや、勤務時間が不規則になりやすいことが影響しています。
年齢層が高い職場では、経験豊富な人が多く、現場の判断が早いという強みがあります。
一方で人材の入れ替わりが進みにくく、将来の人材不足が予測されるという課題も抱えています。
こうした状況は、若手が活躍しやすい環境づくりの必要性を示しており、企業も働きやすさの改善に力を入れ始めています。
年齢構成の偏りは業界全体の大きなテーマであり、若手が入ってきやすい環境が整うかどうかが今後の安定に大きく関わっていきます。
労働時間
物流業界の労働環境を語る際に避けて通れないのが労働時間です。
現場の多くは荷物の増減や交通状況に左右されやすく、計画通りに業務が進まないこともあり、その結果として勤務時間が長くなりがちです。
特に運送に関わる人は道路事情や突発的な依頼の影響を受けやすく、時間の予測が難しい場面が少なくありません。
倉庫作業では繁忙期に業務量が増えることがあり、一時的に長時間の勤務になることもあります。
ただし業界全体では負担を減らす取り組みが進んでおり、荷待ち時間の短縮や作業の効率化、自動化などが徐々に広がっています。
また法改正によって時間外労働への規制が強まり、企業側も働き方の見直しを進めざるを得なくなっています。
労働時間は改善すべき課題として扱われていますが、その一方で、取り組みが確実に広がっているポイントでもあります。
有効求人倍率
物流業界の有効求人倍率はほかの業界と比べても高く、人が足りていない状況が続いています。
これは働き手が不足していることを示す数字であり、多くの企業が採用に力を入れている理由にもなっています。
特に運送に関わる職種では求人が多く、求職者一人に対して複数の企業が応募をかける状態が続いています。
こうした倍率の高さは業界の需要が大きいことを示しており、働き手が不足している状態でも荷物が減らないため、採用ニーズが強くなる傾向があります。
有効求人倍率の高さは就職しやすいという面ではメリットになりますが、その裏側には現場の負担が大きいという課題もあります。
企業は働き方を改善し、人材が定着しやすい環境づくりを進めていますが、今後も人材確保は業界の中心的なテーマとして続いていきます。
数字として倍率が高い状態は続く見込みであり、安定した仕事量がある業界としての特徴が読み取れます
退職率
物流業界は退職率が高くなる傾向があり、長く働き続ける難しさが指摘されています。
退職率が高い理由の一つは、体力的な負担が大きい業務が多いことです。
荷物の扱いや長時間の運転など、体力や集中力を必要とする仕事が続くため、人によっては負担が大きく感じられることがあります。
また勤務時間が不規則になりやすいことや、繁忙期に仕事量が増えることも退職率に影響しています。
ただし退職率が高いという数字だけを見るのではなく、その背景で起きている改善にも目を向ける必要があります。
最近では、作業の自動化やロボット導入、業務の分担方法の見直しなど、負担を減らす取り組みが広がっています。
退職率の高さは課題ではありますが、働きやすさを高めるための取り組みが加速していることは、今後の業界の変化を期待できるポイントになっています。
物流業界の事業分類
以上の説明で、物流業界の職種について理解が深まったことだと思います。
ここからは、さらに詳しく業界について知るために、物流業界の事業分類について見ていきましょう。
ここでは物流業界を、陸・海・空・鉄道の4つに分け、それぞれの特徴について詳しく説明します。
メリット・デメリットを理解して、上記4つに関する知識を深めましょう。
また、この4つの分類は業界における特に大事な基礎知識なので、この業界を目指す方はぜひチェックしてみてください。
・陸運
・海運
・空運
・鉄道
・倉庫
陸運
陸運とは、主にトラックを使って輸送する陸上の輸送方法のことです。
商品を物流センターに輸送する長距離トラックと、宅配物など個別の顧客に配送する小型の宅配トラックの2つに分かれています。
扱う荷物は産業資材から宅配便までと大変幅広く、現代の経済を支える重要な業務です。
空運や海運とは異なり、陸運では直接個別の顧客に届けられます。
飛行機や船では難しい農村地域まで届けることができるため、配送の細かな需要に応えることができます。
そのため、通販サイト事業が拡大している現代では大変重宝されている一方、常に人手不足となっている点がネックです。
また、ドライバーの高齢化も問題になっており、若手の働き手の募集が急務とされています。
デメリットは、飛行機や船と比べて、一度に輸送できる量と距離に限界があることです。
陸運における配達業務は、ロボット化やドローンの利用なども検討されており、今後はデジタル技術の活用も見込まれる成長著しい分野と言えます。
- ヤマトホールディングス 平均年収:1142万円
- 日本郵便 平均年収:475万円
- 佐川急便 平均年収:約500万円
海運
陸運に続いて挙げられる物流業界の主要事業が「海運」です。
海運とは、貨物船を利用して商品を海上輸送する業務全般のことを指します。
海運のメリットは、一度に大量の商品を輸送できることと、石油や鉄鉱石のような資源や自動車といった重量の大きいものも輸送できることです。
資源や重量の大きい商品は船でしか輸送できない場合が多く、国外輸出入が活発な現代ではニーズが高い輸送手段と言えるでしょう。
また、ほかの輸送手段よりもコストが低いことも特徴です。
一方、輸送に時間がかかってしまうことが主なデメリットとして挙げられます。
空運より輸送スピードが遅いほか、商品の移動が難しいため積み下ろしにも時間がかかってしまうのです。
日本は海に囲まれた島国であるため、海運の重要度は非常に高いです。
また、食品をはじめとした多くのものを輸入に頼っているため、海運業界はあらゆる分野で重要な役割を担っていると言えるでしょう。
なお、日本海事広報協会によれば、日本の船会社が保有する船腹量はギリシャに次いで2番目です。
- 日本郵船 平均年収:約800万円
- 商船三井 平均年収:1517万円
- 川崎汽船 平均年収:約700万円
空運
空運も物流業界においては重要な事業です。
空運は、基本的に飛行機を用いて航空輸送をすることを指します。
空運のメリットは、何といっても速い輸送スピードで長距離の輸送が可能という点にあります。
花や生鮮食品など小型で軽量な商品や、薬品などの劣化が早い商品を運ぶのに適した物流方法です。
主なデメリットは、一度に大量の商品を輸送することができないこと、重量の大きい商品を運べないことです。
また燃料費が高いため、輸送コストがほかの方法に比べると高くなってしまうという欠点があります。
そのため景気の影響を受けやすく、状況によって運送コストの低い貨物船に切り替えられてしまうことも珍しくありません。
日本や他国の経済状況による影響を受けやすいのが空運の特徴です。
なお、空運の仕事は航空機の運転だけでなく、整備や管理などさまざまな業務があります。
空運は天候などによる予定の変更が多いため、臨機応変に対応できる人が向いていると言えるでしょう。
- ANA 平均年収:550万円
- 日本航空 平均年収:約500万円
- スカイマーク 平均年収:385万円
鉄道
次に挙げられるのが、鉄道を使った運送業務です。
主に、貨物列車を使って荷物を輸送するという方法です。
決められた速度やルート、定刻で運行するため時間通りに商品が輸送できること、またCO2の排出量やエネルギー消費量がほかの運送手段に比べて小さく、環境に優しいことなどが主なメリットとして挙げられます。
一方、運行時刻やルートに決まりがあるため、ほかの運送方法よりも融通が利かない点が主なデメリットとなります。
そのため、陸運のトラックなどに比べると細かなニーズには応えることができません。
しかし、多くの荷物を確実に運ぶという点においてはほかの何よりも勝ると言えるでしょう。
降雪や大型台風など天候の変化を受けないわけではありませんが、それでもほかの手段よりは確実性があります。
運転技術者以外には、保線業務、電気・通信設備の保守業務、鉄道車両の整備などの業務が代表的です。
拡大する物流業界において鉄道の重要性は高く、今後も需要があると言われています。
- JR東日本 平均年収:676万円
- 近鉄グループHD 平均年収:597万円
- JR東海 平均年収:650万円
倉庫
物流業界における重要な職種のひとつで、商品管理に関わる領域では受け入れから保管、さらに出庫までを担当します。
倉庫内では商品の整理や保管方法の最適化が求められ、レイアウトを考案するなどスペースを効率的に活用しなければなりません。
場合によっては商品の特性や耐久性に応じて適切な保管方法を選択し、安全性や衛生面に留意しながら商品の品質を保護することも重要です。
たとえば、食品や化学製品などの商品は、特定の温度や湿度条件下で保管する必要があります。
さらに商品の取り扱いや移動のプロセスを配慮しながら、在庫の回転率を向上させることも欠かせません。
このような取り組みによって倉庫内の効率性が改善されて、コスト削減や顧客サービスの向上に貢献しています。
- 三井倉庫 平均年収:790万円
- 住友倉庫 平均年収:753万円
- 三菱倉庫 平均年収:876万円
物流業界の現状
物流業界の大きな枠組みや仕組み、業種についてはここまでの説明でおおむね理解できたかと思います。
ここからは、そんな物流業界の現状について説明していきます。
物流業界は、現在の社会においてどのような状況に置かれているのでしょうか。
世の中はコロナ禍を経て、大きな変動の中にあります。
また、世界的にグローバル化の波が押し寄せ、IT技術の進化やAIの導入などで社会は大きく変容しています。
物流業界の最新の状況について知っておくと、今後の就職活動で大いに役立つことでしょう。
・持続可能性への取り組み
・サプライチェーンの不安定性
・2024年問題
持続可能性への取り組み
持続可能性への取り組みも、物流業界においては見逃せないトピックの1つです。
物流業界は大量のエネルギーを消費し、温室効果ガスの排出量も非常に多いため、エコフレンドリーな配送方法の導入や再生可能な材料の使用が求められています。
例えば、EVトラックやハイブリッド車の導入は燃料消費量を削減し、CO2排出量を大幅に減少させられるため、注目されています。
また、太陽光発電システムの導入やエネルギー効率の良い設備の使用も進められています。
さらに、リサイクル可能な梱包材料を利用することで廃棄物の削減を目指している企業も多いです。
ただし、物流業界における持続可能性の取り組みは課題が多いのも事実です。
例えばEVトラック1つとっても最長でも航続距離が400kmほどであり、充電に長い時間がかかることや販売価格が高く導入コストがかかることなどが課題とされています。
したがって物流業界にEVトラックが普及するにはこれらの技術的な課題を克服する必要があるでしょう。
サプライチェーンの不安定性
サプライチェーンが不安定であることも、物流業界において大きな課題の1つです。
特に近年のコロナウイルス流行や自然災害はサプライチェーン全体に大きな影響を及ぼしました。
物流の遅延や供給不足が発生し、企業活動全体に多大な影響が出たのです。
物流業界では、このような予測不可能な事態に迅速かつ柔軟に対応することが求められています。
したがって、リスクマネジメントの強化は非常に重要です。
複数の供給元を確保し、1つの供給元に依存しない体制を構築することや、在庫管理の精度を高めることはもちろん、デジタル技術を活用してリアルタイムでの情報共有や迅速な意思決定を可能にすることも求められています。
また、災害が発生した際にも迅速な復旧計画を実行できるように事前にシミュレーションを行うなど、物流の安定を確保するためには様々な取り組みが必要とされています。
2024年問題
2024年問題は物流業界において最も注目されている課題の1つです。
2024年4月から適用された時間外労働の上限規制により、トラックドライバーの労働時間が年間960時間に制限されることになりました。
これに加えて、改正改善基準告示により、休息時間や運行管理の基準が厳格化され、業界全体に大きな影響を及ぼしています。
この規制の背景には、長時間労働が慢性的に続いている物流業界の労働環境改善が挙げられます。
これまで多くのトラックドライバーは過酷な労働条件のもとで勤務しており、その結果として人手不足が深刻化していました。
新たな規制は働き手の負担を軽減し、業界全体の健全化を目指したものですが、一方で新たな問題も浮き彫りになっています。
輸送能力の低下、運賃の上昇など、利用者と雇用者に大きな負担となっているのです。
物流業界の課題
物流業界には多くの人が日常的に利用する仕組みがある一方で、現場ではさまざまな課題が明らかになっています。
特にアナログな作業が残りやすい環境や、積載効率の問題、複雑な下請け構造は業界全体の負担につながっています。
これらの課題は働く人の環境や企業の収益にも影響し、改善が急がれています。
・アナログ業務の多さ
・積載効率の低下
・多重下請け構造
アナログ業務の多さ
物流業界では、手書きの伝票や紙での管理が依然として残っている場面が多く見られます。
荷物の受け渡しの確認を紙で行うことや、情報の更新を現場で手作業で行うことが続いており、作業効率が落ちやすい状況が続いています。
このようなアナログな作業は人の手が必要になるため時間がかかり、確認の抜けや情報の重複などミスが起こりやすい点が課題です。
また現場の状況をリアルタイムで把握することが難しく、急な対応が必要な時に情報がそろわないこともあります。
さらに顧客や荷主とのやり取りが紙のままだと、記録の管理や検索にも手間がかかり、全体の流れが遅くなる原因になります。
業界全体の質を高めるためには、作業のデジタル化や情報の共有の仕組みを整える取り組みが求められています。
積載効率の低下
積載効率の低下は、物流業界が直面している大きな問題の一つです。
トラックの荷台に荷物を積み込む際、スペースを十分に活かせないケースが増えており、運んでいる量と移動距離のバランスが悪くなることで負担が大きくなっています。
積載の効率が落ちる理由には、荷物の大きさがそろわないことや、届ける場所が細かく分かれていることがあります。
荷物の形がさまざまで隙間ができやすいため、荷台全体を均等に使うことが難しく、結果として運ぶ回数が増えてしまいます。
また消費者の注文が小口に分かれやすくなり、荷物をまとめることができない場合も多く、効率が下がる傾向があります。
このような状況が続くと、燃料費の増加や運転手の負担増につながり、企業全体のコストも高くなります。
効率を改善するためには、荷物の情報を共有しながら配送を調整する仕組みづくりや、複数の企業が協力して配送をまとめる取り組みが必要になります。
多重下請け構造
物流業界では、多くの企業が関わる複雑な下請け構造が続いています。
荷物を運ぶ仕事は元請けの企業だけでなく、その下に複数の企業が連なって担当していることが多く、責任や収益の配分が分かれやすくなっています。
このような構造では、下請けの企業に負担が集中しやすく、労働条件が厳しくなるケースも見られます。
また情報の伝達が複数の段階を通るため、現場に正確な情報が届かないことがあり、作業の効率が下がる原因にもなっています。
多重構造が続くことで、運賃の適正化が進まない問題もあり、本来受け取るべき金額が末端の企業に届かないこともあります。
こうした状況を改善するためには、契約内容の見直しや取引の透明化が必要とされ、行政や業界全体で取り組む動きも始まっています。
多重下請け構造は長年の課題であり、今後も改善に向けた取り組みが求められています。
物流業界の今後の動向
物流業界の現状については、ここまでの説明で理解できたかと思います。
次に気になるのは、やはり業界の今後の動向についてではないでしょうか。
物流業界の今後については、あらゆる視点からさまざまな憶測がなされています。
社会情勢の変化や景気の変動を受けて大きく様変わりする物流業界の動向について、これを機に知っておきましょう。
物流業界への就職を視野に入れている人にはきっと役に立つはずです。
また、情勢は刻一刻と変化していくので、インターネットや新聞などで常に最新の情報を入手することを心がけましょう。
・人材不足
・燃料高騰
・今後も需要が高い
人材不足
物流業界が今直面している最も大きな課題、それは「人材不足」です。
近年の通販サイト事業の拡大に伴い、物流業界は目覚ましい成長を遂げています。
コロナ禍によるステイホームの流れを受け、ネット通販の利用者が爆発的に増えました。
これにより、物流業界への社会全体の需要はさらに高まってきています。
現在物流会社では、物流に関わるさまざまな業務をすべて一括して行うことが多く、こうした状況の中で人手不足という問題が多々発生しています。
特に運送会社では、ネット通販拡大により配送トラックのドライバー需要が大きく増加し、人材の確保が最重要課題であるにもかかわらず、ドライバーの給与はなかなか上がっていません。
また、待遇が改善されないため、仮に募集をかけても人手が集まらないという状況に陥っています。
長時間労働や給与の低さというイメージから若手の人材が集まりにくいほか、既存ドライバーの高齢化も進んでいます。
ドライバー以外の仕事でも体力が必要であるため、ハードワークに耐えられず離職する人も多いのが現状です。
燃料高騰
2020年頃から始まった燃料費の高騰に伴い、トラックや航空機を使うコストも増えてきています。
イラクでの紛争や新型コロナウイルスの影響で、産油国が経済的に打撃を受けたことが主な原因です。
コロナウイルス発生から時間が経ち、再び石油の需要が高まってきましたが、産油国は供給量の増加に対応しきれていません。
これによって需要と供給の差が生まれてしまい、価格の高騰が続いているのです。
トラックや飛行機などは、動力源となる燃料がなければ動きません。
燃料高騰の煽りを受けて、配送料の値上げなどでカバーしていますが、やはり対応しきれていないというのが現状でしょう。
燃料の値下げは今度も見通しが立っておらず、配送システムの効率化やAIの導入による人件費削減などの対応が迫られています。
物流システムやロボットを活用した作業効率化
物流業界では需要の急激な拡大に伴い、業務の効率化が急務となっています。
新しい技術を導入して作業を効率化し、人手不足の問題をカバーしようという動きが活発になっているのです。
具体的には、以下のような方法が挙げられます。
・販売履歴や気象データを分析して、今後の需要を予測する
・在庫情報のデータ共有により、生産計画の精度を向上させる
・GPSなどの活用により、位置情報や積載率といった車両情報を整理する
・ドローンによる宅配や、宅配ボックスの普及を促進させる
・作業を機械に任せることによって、余分な人件費を削減する
実用化にはまだ遠い部分もあるため、すぐに解決とはいきませんが、効率化の流れは今後変わることはないでしょう。
AIを活用することによって需要の予測ができ、無駄な在庫を抱えず効率的に業務を行うことができるようになります。
また、荷主と配送業者を結ぶマッチングシステムも導入が検討されており、AIを使った最適なマッチングにより配送効率を高めるという仕組みが検討されています。
今後も需要が高い
物流業界は今後の需要が高いと言われる業界のひとつです。
2020年から始まったコロナ禍により、人々の暮らしは大きく変わりました。
これまでは個人がスーパーマーケットやドラッグストアまで出向いて買っていたものが、ネットで手軽に注文されるようになり、日用品の個人宅への配送は当たり前のことになりました。
また、アプリの普及によりハンドメイド品の売買も盛んに行われており、今後も配送の需要が大きく伸びると予想されています。
オンラインショッピングが定着した現代において、物流はあらゆる分野に関わってくるため、ライフラインのひとつと言っても差し支えがありません。
個人に対してだけでなく法人に対するサービスも需要が高いため、今後も安定した売上を保つことになるでしょう。
ほかにも、倒産や減給などのリスクが低く、就職後も高い安定性を保っていることが物流業界の強みです。
しかし、高度なサービスを維持し続けるためには人材の確保や待遇の改善などが必要であり、今後は大きな改革が必要とされています。
スマートロジスティクスとは?
スマートロジスティクスは「スマート物流」とも呼ばれ、IoTやAIなどの最新技術を用いて物流管理を効率化する取り組みのことです。
物流はこれまで人の手を介することが一般的でしたが、最先端技術の登場により、自動化や効率化を実現できるようになりました。
郵送IoTは配送ネットワークで管理できるようになり、資材や商品など配送する際に現在地や移動状況など把握でき、郵送配送を効率化できるだけでなく、トラブル回避などにも役立ちます。
また、倉庫IoTも物流業界に大きく貢献している技術です。
倉庫管理や倉庫業務の効率化をネットワークで実現し、そこで行われる検品や仕訳などをネットワークで管理することによって倉庫業務を効率化しつつ、ヒューマンエラーを防止できます。
スマートロジスティクスの重要性
ではなぜスマートロジスティクスが重要かというと、人手不足の深刻化、小口発送の増加に伴い輸送効率が低下したこと、そしてEC需要の増加が挙げられます。
物流業界も少子高齢化の流れを受けて労働力不足が進行しており、効率的な業務遂行のためには自動化技術の導入が不可欠です。
また、少量の買い物をインターネットで行う人が増えたため、少量かつ高頻度の配送が増加し、従来の大量輸送の効率が低下したのも理由として挙げられます。
そして、新型コロナウイルスの流行やAmazonや楽天などのECの需要が増加したことにより、大量のオンラインでの買い物における配送に対応しなければなりません。
したがって、スマートロジスティクスを活用し、人間以外の手で行える部分は任せる重要性が増してきているのです。
スマートロジスティクスの将来性
結論として、スマートロジスティクスの将来性は非常に高いです。
AIやIoTなどの最先端技術を駆使し、業務の効率化を目指し、顧客満足度を高めることが期待されています。
そして何より、先ほども触れた部分ではありますが、スマートロジスティクスを活用すれば少人数で物流作業を運営できるため、少子高齢化に伴う人員不足にも対応できるようになるとされています。
また、機械に単純作業などを任せることで人的ミスを削減することも期待されており、総じてスマートロジスティクスの将来性は非常に高いといえるでしょう。
物流テックとは?
物流テックという言葉を聞いたことはあるでしょうか。
「言葉は聞いたことがあるが正確な意味までは知らない」という人も多いでしょう。
物流テックとは最新のテクノロジーを利用し、物流に関するあらゆる業務を自動化、効率化するシステムや取り組みのことを指します。
生産性を飛躍的に高めることができるので、今最も注目されている分野です。
通販の需要増大や、サブスクリプションサービスの浸透に伴った物流業界全体の拡大に合わせ、物流テックの市場規模も成長しています。
物流テックによって人手不足が解決し、サービスの速度が向上することも期待されています。
人力では難しかった分野にテクノロジーを投入する流れは今後も加速していくでしょう。
より詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ。
物流テックのベンチャー企業3選
オンライン通販というショッピング形態が浸透するにつれ、物流テックを導入する企業は徐々に増えてきました。
ここでは、物流テックを実際に導入しているいくつかのベンチャー企業を紹介していきます。
成長著しい分野なので企業の個性もさまざまですが、どの企業も技術をうまく活用しています。
物流業界を目指す人は、実際にどのような企業が物流テックを導入しているのかを知って理解を深めておきましょう。
以下に3つの企業を例に挙げるので、参考にしてみてください。
・株式会社Hacobu
・CBcloud
・カーニバルグループ
株式会社Hacobu
株式会社Hacobuは東京都港区に本社を置き、「運ぶを最適化」することを使命として掲げる会社です。
持続可能な物流インフラを作ることをビジョンとしており、ロジスティクスな世界が社会課題を解決することを信念にしています。
提供しているサービスは多岐にわたります。
たとえば「MOVO Berth」は、車両待機の解消を提案、入出荷作業の効率化するトラック予約受付のほか、物流センター運営にかかるコストを削減し生産性の向上を支援するサービスです。
また、「MOVO Fleet」は物流業界に特化した動態管理サービスで、低価格で豊富な機能を提供するほか、車両管理の効率化によって、荷主と運送会社双方のコスト削減を支援しています。
3つ目の「MOVO Seek」は、かご車やパレットなどの位置情報を見える化し、資材購入にかかるコストを削減する流通資材モニタリングサービスです。
そして「MOVO Vista」は、配車業務をデジタル化し、配車業務の非効率を解消するとともに生産性向上を支援する配送案件管理サービスとなっています。
CBcloud
CBcloudは物流業界での経験やノウハウ、先端テクノロジーを用いて「運ぶ」「届ける」のカタチを変革して物流のスタンダードを再構築しようと試みる企業です。
なかでも配送プラットフォームの「Pick GO」は、軽貨物の配送ドライバーと荷主をマッチングするサービスとして有名です。
軽貨物パートナー数は4万名以上、マッチング率は業界NO.1の99.2%を誇り、依頼からエントリーまで業界最速の56秒で行うことができます。
もうひとつのサービス「SmaRyu」は、ドライバーや管理者など物流に携わる人のスマートな働き方をサポートするサービスで、物流現場で働く人々に寄り添った新たなシステムです。
そのほかにも、熟練ドライバーのノウハウを共有できる「SmaRyuポスト」や、運送会社の煩雑な仕事を効率良くスムーズにする「SmaRyuトラック」もあります。
カーニバルグループ
カーニバルグループ株式会社は、「仕組みを変えて、世界をもっと良くする」を合言葉に、テクノロジーの力で「物流革命」の実現を目指す企業です。
複雑化する日本の物流課題を解決すべく、Zホールディングスの投資子会社とイーストベンチャーズの出資で2021年に設立された日本発の物流テクノロジースタートアップです。
常時300人以上の即戦力ドライバーが登録し、運送会社の地域・ライセンス条件に合った求職者を最短1週間でマッチングする特化型ドライバーの採用プラットフォーム「LAND:PILOT」を持っています。
また、未経験者の育成、就職をサポートする採用プラットフォーム「LAND:PILOT CAMP」(ランドパイロットキャンプ)も運営しています。
物流業界で働くメリット
物流業界の魅力は多岐に渡りますが、もっとも大きなメリットはダイナミズムと成長性にあるのではないでしょうか。
物流業界はつねに進化して技術革新やグローバル化の波に乗り、新たなチャレンジに立ち向かっています。
さらに、物流のプロセスにおける効率化や持続可能への取り組みが求められるなか、創造性や革新性が活かされているフィールドでもあるのです。
ここでは、そのような成長性のある物流業界で働くメリットについて、3つご紹介します。
・仕事がなくならない
・自分のペースで仕事ができる
・日本のインフラを支えている
仕事がなくならない
この業界ならではのメリットとしてあげられるのは、仕事の安定性という面かもしれません。
なぜなら物を買うという基本的なニーズがある限り、商品を輸送するのは必要不可欠であるからです。
この需要は絶えることなく、世界中でますます拡大していくばかりです。
世界中の人口が増加し都市化が進展するにつれて商品の需要が急速に増加し、グローバルな経済発展により国境を超えた貿易がますます活発化しています。
これにより商品の輸送ニーズが増大し、物流業界の重要性がこれから高まっていくでしょう。
さらに、電子商取引の急速な普及や、新興市場での消費の増加も物流需要を押し上げています。
このような背景から物流業界は今後も安定的に成長し、仕事の機会が豊富に存在することが予測されています。
自分のペースで仕事ができる
物流業界ではやりがいや安定性とともに、自分のペースで仕事ができるというメリットがあげられるかもしれません。
とくに検品や仕分けなどの業務では、作業を自分のリズムで進めることができるからです。
集中して黙々と作業を進めたり、効率的にタスクをこなしたりすることが可能です。
この自己管理の余裕がある環境はストレスを軽減し、仕事に集中できるため生産性や満足度が高まります。
また、自分のペースで仕事が進むことで、自己成長やスキル向上にもつなげられることもあるでしょう。
物流業界は変化に富んだ環境でありながらも、自律性を重んじる職場文化が根付いています。
問題や課題に直面した際には、自ら考え解決策を見つけて行動することが求められるものの、自分のペースで作業を進めることができる環境が整っているといえるでしょう。
日本のインフラを支えている
物流業界で働く最大の魅力の1つは日本のインフラを支える重要な役割を担える点です。
物流は消費者の生活を豊かにするために欠かせない機能を果たしています。
全国各地へ商品や資材を届ける輸送網の整備により、日常生活の利便性が保たれているのです。
この業界で働くことで、人々の暮らしを支える大きな責任と達成感を味わうことができます。
物流業界は目に見えない形で社会を支えているため、そこに携わることで間接的に多くの人々の生活を支える喜びを感じられるのです。
「自分の仕事が日本全体のインフラの一部を形成している」という実感は他の業界では味わえない特別なものと言えるでしょう。
物流業界で働くデメリット
物流業界は重要な役割を果たしていますが、その裏側にはいくつかのデメリットも存在します。
ときに非常に厳しいスケジュールに縛られることがあり、急な変更や予期せぬ問題に対応しなければなりません。
つねにリスクと隣り合わせで配送中の商品の破損や紛失などの問題が発生する可能性もあります。
競争が激しくなるなかで、業界内での地位を確立するには努力が必要でありストレスやプレッシャーを感じることもあるかもしれません。
物流業界で働くデメリットも確認しておきましょう。
・体力や精神力が求められる
・繁忙期が忙しい
・計画通りに進まない場合もある
体力や精神力が求められる
物流業界において、ドライバーは1日中運転して荷物の積み下ろしを行うため体力と精神力が求められます。
長時間の運転や重い物の取り扱いは体力を要しますし、物流の現場ではスケジュール変更や交通渋滞など臨機応変に対応する能力も必要となってくるでしょう。
天候の悪化などで計画が乱れたり、荷物の遅延が発生したりすることは稀なことではありません。
このような状況で、効果的な意思決定や問題解決が求められます。
状況を客観的に見極めて感情的にならず冷静に判断する、臨機応変に対処できる柔軟性がなければ務まりません。
もっともそのような環境で働くことで鍛えられる場合もありますが、この業界を目指すのであればあらかじめ承知しておくべきでしょう。
繁忙期が忙しい
物流業界で働くデメリットとして、繁忙期の忙しさがあげられます。
とくにピーク時には業務量が急増し、ストレスがかかることも少なからずあるでしょう。
たとえば、セールやイベント時には顧客からの注文数が急増し、倉庫や配送センターに多くの商品が一斉に集まります。
需要の増加に対応するため従業員は迅速かつ正確な作業を求められ、作業の効率化や精度の向上が必要とされることがあります。
需要が高まると配送リードタイムが通常よりも短縮されることがあり、顧客からの要求に対応するためより迅速な配送が求められることもあるでしょう。
また、一部の企業では繁忙期にノルマを設定する場合もあり、事前に求人情報や企業の労働条件を確認して自分の適性や生活スタイルにあうか検討しましょう。
計画通りに進まない場合もある
物流業界で働くことのデメリットとして、ときに予期せぬ問題に直面することもあげられます。
荷物の輸送中に交通渋滞に巻き込まれたり、悪天候で運送スケジュールが乱れたりすることもあるでしょう。
また、倉庫での作業中に荷物が破損したり、配送先での受取拒否されたりするなど様々なことが発生するかもしれません。
その影響により他の業務が追いつかなくなる、顧客からの不満やクレームが増える可能性もあるのです。
これらの状況は計画通りに進まないことを意味し、ストレスを引き起こす可能性が考えられます。
イレギュラーなことにも柔軟に対応する能力がなければ務まらないということも、これから物流業界を目指す学生はあらかじめ知っておくべきでしょう。
物流業界に向いている人
ここまでの説明で、物流業界の仕組みや最近の動向についての理解が深まったかと思います。
では、そんな物流業界に向いている人とはいったいどんな人なのでしょうか。
「物流業界に興味はあるけど、自分がこの業界に向いているかどうかはわからない」と悩む人も多いでしょう。
そんな方のために、物流業界に向いていると思われる人の具体的な例を挙げて説明していきます。
自分に向いていそうか、この業界でやっていけそうかを確認して、今後の就職活動の参考にしてみてください。
・マネジメント能力がある人
・コミュニケーション能力がある人
・計画やノルマが守れる人
・柔軟に対応できる人
マネジメント能力がある人
マネジメント能力がある人は物流業界に向いていると言えるでしょう。
マネジメント能力とは言い換えると管理能力のことで、物流業界では物事の管理能力が高い人が求められる傾向にあります。
物流業界の業務はさまざまな業界や職種の人が相互につながって成り立っているため、業務プロセスの中で1つミスが起きると流れが止まってしまい、自社だけでなくほかの職種や業界など事業全体に迷惑がかかってしまいます。
ミスを事前に防いで業務を円滑に進めるためには、業務全体をしっかりと管理する能力が必要とされるでしょう。
また、マネジメント能力の高い人はトラブルが発生した際にも冷静な判断を下し、適切な対応を取ることができます。
トラブルをリカバリーすることで、業務全体をうまく管理することができるのです。
コミュニケーション能力がある人
物流業界で働くためには高いコミュニケーション能力が求められます。
物流業界には営業・管理・ドライバーなどさまざまな職務がありますが、業務の工程はすべてつながっているため、多くの人と連携しながら細かなコミュニケーションを取る必要があるからです。
また、生産者や依頼者など、ほかの会社や職種の人、さまざまな年齢の人とのコミュニケーションを取る機会も多く存在します。
そのため、うまくコミュニケーションを取って誰とでも良い信頼関係を築くことのできる人は物流業界に向いていると言えるでしょう。
逆に、1人で黙々と仕事をこなすような職人タイプの人は、あまり向いていないかもしれません。
人と人とのつながりが大切な業界なので、コミュニケーションを円滑に取れるよう努力できる人が歓迎されるでしょう。
計画やノルマが守れる人
物流業界向きの能力として、「計画やノルマが守れる人」も挙げられます。
物流業界は、さまざまな業種・職種と連携して成り立っている業界です。
誰か1人が遅延すると連鎖的に他人に迷惑がかかります。
そのため、納期やノルマ、締切時間が一つひとつの商品に厳しく定められており、計画通り業務を進めることが求められます。
また、物流業界はほかの業界と比べて業務量が多いため、必然的に時間とノルマに追われることになるでしょう。
クリスマスや正月など季節のイベントの際は、同時期に多くの注文が入ります。
イベント当日までに荷物を運ばなければいけないため、事前のスケジューリングが欠かせません。
計画性がない行き当たりばったりの人には向いていませんが、時間やノルマの制約が厳しい環境でも耐えられる人には向いていると言えます。
柔軟に対応できる人
物事に柔軟に対応できる人は物流業界に向いていると言えます。
物流業界では、業務の中でトラブルに巻き込まれて計画通りに物事が進まないということも決して少なくありません。
万全な準備をしていても、運送中に渋滞や事故に巻き込まれたり、商品の破損や管理システムのトラブルといったイレギュラーな事態が起こったりすることがあります。
台風や地震などの災害で物流が止まってしまい、大きな計画変更が求められることもあるでしょう。
そのため、仮に事前に立てた予定と異なる事態が起こったとしても、臨機応変に柔軟な対応ができる人が求められます。
一辺倒の対応しかできず、イレギュラーな事態に対応できない人はあまり向いていないでしょう。
柔軟性の高い人こそが物流業界で必要とされているのです。
物流業界に向いていない人
続いて、物流業界に向いていない人の特徴について紹介します。
以下の3点が全て当てはまってしまう場合は物流業界以外も視野に入れた方が良いかもしれません。
どうしても物流業界で働きたいという方は少しでも今から改善できるよう取り組んでください。
・チームワークが苦手な人
・注意力がない人
・体力やストレス耐性がない人
チームワークが苦手な人
物流業界では複数の部署やスタッフとの連携が欠かせません。
荷物の管理や配送スケジュールの調整、トラブル対応など、チーム全体で円滑に進める必要がある業務が多いため、協力体制を築くことが非常に重要です。
物流の現場では1人のミスが全体の進行に影響を与えることも珍しくありません。
そのため、個々が自分の役割を果たしつつ、チームメンバーと連携して業務を進める姿勢が求められます。
チームワークが苦手な人にとって、このような環境は大きな負担になる可能性があります。
また、物流業界では忙しいスケジュールの中で緊急対応を求められる場面も多く、その際には特に迅速な情報共有と協力が必要です。
自分だけで問題を解決しようとする姿勢ではチーム全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼすこともあります。
注意力がない人
物流業界では注意力が欠けていることが致命的なミスに直結する可能性があります。
在庫管理や出荷作業では商品の数量や配送先の確認、ラベルの貼り付けなど、細かい作業を正確に行う必要があります。
ほんのわずかなミスでも、顧客への納品遅れや間違った商品が届くといった問題を引き起こすことにつながってしまうのです。
そのため、注意深く作業を進められる人が求められます。
物流の現場では効率性も重要視されますが、それ以上に正確さが優先される場面が多いです。
大量の荷物を短時間で処理する中で、一つひとつの作業を確実に行う必要があるため、集中力と注意力を持続させることが求められます。
注意力が不足していると、業務効率が低下するだけでなく、最終的には顧客の信頼を損なう原因となる可能性もあります。
体力やストレス耐性が低い人
体力やストレス耐性が低い人は向いていないと言えます。
物流業界では体力を必要とする仕事が多く、荷物の積み下ろしや長時間の運転など、身体的な負担が大きい作業が日常的に行われます。
特に運転手や配送スタッフは長時間運転を続けることが求められるため、体力的に厳しい環境に対応できることが重要です。
また、運送業界では予期せぬトラブルや配送遅延が避けられないことも多いです。
交通渋滞や天候不良、機器の故障など、様々な外的要因が影響を及ぼします。
こうした予測不可能な状況に対処するためには冷静に対処する能力が求められますが、ストレス耐性が低いとこうした状況でパニックを起こしてしまい、業務を遂行できない可能性があるのです。
【物流業界とは】物流業界に就職するためには?
ここまでの内容で物流業界の魅力が具体的に伝わったかと思います。
それでは、物流業界に就職するためにはどのような努力が必要なのでしょうか。
いくら人手不足とはいえ、実際に物流業界の企業に就職するにはいくつかのコツがあります。
ここでは、物流業界に就職するためにすべきことを紹介します。
物流業界に就職したいと考える人は、就職活動の参考にしてみてください。
また、ここに書かれていること以外にもさまざまな方法があります。
最新の情報を常に集め、リサーチを怠らないようにしてください。
・資格を取る
・業界研究をする
・自己分析をする
・他己分析をする
資格を取る
これまで説明したとおり、物流業界にはさまざまな職種があります。
そのため、業務内容によって異なる資格が必要になってきます。
物流業界に就職したい場合、まず自分がどの職種に就きたいのかを決め、その職種でどのような資格が必要かを把握しておく必要があるでしょう。
物流センターや倉庫などの現場で働きたい場合は、フォークリフト運転技能や自動車免許、衛生管理者といった資格が必要です。
一方、物流管理の仕事に就きたい場合は、運行管理者・物流技術管理士・包装管理士・簿記などの資格が必要になるでしょう。
もし国際物流関連で働きたい場合は、通関士や海技士、国際物流管理士といった資格が求められます。
それぞれ資格を取るために必要な知識や技能は異なるので、情報収集して資格の取得に努めるようにしましょう。
業界研究をする
物流業界への就職を目指すなら業界研究をしましょう。
業界研究をすると、自分の価値観と本当にマッチしている業界であるかどうかが見えてくるからです。
ま漠然としたイメージで志望してしまうと、実際に就職したときに落胆することもありす。
イメージの落差があまりに大きいと、早期離職することにもなりかねません。
それを防ぐため、志望業界については深く研究をする必要があります。
業界研究の方法としては、まずインターネットで最新の情報を得ることをおすすめします。
また、新聞を読むと業界についての知識が得られるだけでなく、時事問題にも詳しくなるため定期購入している方も少なくありません。
それ以外にもさまざまな手段があるので、状況によってやり方を使い分けて業界研究を深めてみてください。
自己分析をする
就職する業界を選ぶ際には、自己分析をして自身の特徴や考え方を細かく知っておくという作業が欠かせません。
自分自身を細かく知っておくことで、本当に自分と合っている業界なのかどうかが見えてきます。
また、自己分析がしっかりとできていると、志望動機や自己PRの説得力が増すため決しておろかにしてはなりません。
自己分析の方法として、マインドマップや自分史の作成などが挙げられます。
マインドマップは蜘蛛の巣状に自分の思考を次々に書き出していく方法で、自分の頭の中を「見える化」して整理できるのが特徴です。
自分史とは、これまで経験した出来事を時系列で年表のように書き出す方法で、自分の経験をわかりやすく表にすることができます。
ほかにもさまざまな方法があるので、自分に合った方法を探してみてください。
他己分析をする
就職のための準備として、「他己分析」という方法があります。
自己分析とは異なり、他人に自分を分析してもらうという方法です。
自分自身をより詳細に知るためには、この他己分析も欠かせません。
なぜなら、いくら自分で自分を振り返っても1つの視点からしか観察することができないため、どうしても見方が画一的になってしまうからです。
自分では考えつかないような特徴や個性も、ほかの人から意見を聞けば発見できるかもしれません。
他己分析をすることによって、客観的な視点を取り入れた自己PRができるようになるのです。
家族や親しい友人、教授など、自分を詳しく知る人物に意見を求めると良いでしょう。
また、良い面だけではなく悪い面なども指摘してもらうことでより深く分析することができます。
適職診断ツールを用いる
ここまで物流業界について詳しく紹介はしましたが、果たして自分が本当に物流業界に向いているかどうか、なかなか判断できない人も多いでしょう。
そこでおすすめなのは適職診断ツールを利用することです。
特に「就活市場」公式LINEアカウントなら、自分に向いている職業、向いていない職業をいくつかの質問に答えるだけでスムーズに判断できます。
自己分析はもちろん、企業選びに役立てられるため、ここまで記事を読んで物流業界に興味を持ち、自分が向いているか客観的な意見が欲しい人はぜひ利用してみてください。
完全無料で利用できるため、忙しく、アルバイトをする余裕がない就活生の方にもおすすめできるツールです。
よくある質問
以下では、物流業界に対して就活生が抱くよくある疑問について紹介します。
回答内容も参考にして、実際の業務イメージをつかんでください。
・きついイメージがあるが実際は?
・自分に向いている職種が分からない
・体育会系のイメージだがどうか?
きついイメージがあるが実際は?
物流業界は働く環境が厳しいというイメージを持たれやすいですが、実際は企業によって大きく差があります。
以前は長時間労働が目立つ職場もありましたが、近年は業界全体で働き方を改善する動きが進んでいます。
配送の負担を減らす仕組みづくりや、荷待ち時間の短縮、機械化による作業効率の向上など、環境改善の取り組みが増えています。
ただし現場によって忙しさの度合いは違うため、企業研究で実際の働き方を確認することが大切です。
自分に向いている職種がわからない
物流業界には営業、管理、倉庫、輸送、システム、企画など幅広い職種があります。
まずは自分の得意な行動や性格を整理し、どの場面で力を発揮しやすいかを考えることがおすすめです。
人と話すことが得意なら営業や調整に関わる仕事、コツコツ取り組むことが得意なら管理や倉庫業務が向いています。
仕組みづくりに興味がある人はシステムや改善に関わる職種も選択肢になります。
仕事内容を具体的に知るために、企業説明会や職種別のインターンに参加するのが最も確実です。
体育会のイメージだがどうか?
体力を使う場面があるため体育会出身者が多いイメージがありますが、実際は幅広いタイプの社員が働いています。
配送や倉庫業務は体力が必要な仕事もありますが、管理や企画、営業、システムなど体力より思考力や調整力を重視する職種も多くあります。
業界全体で自動化や機械化が進んでいるため、体力だけが求められる時代ではなくなりつつあります。
体育会出身でなくても活躍できる環境は増えているため、心配しすぎず、自分の強みが生かせる職種を探すことが大切です。
エージェントに相談する
ここまで、物流業界に就職するために役立つ方法を紹介してきました。
物流業界というのがどんなものか理解できたと思います。
しかし、就職活動をするにあたって「まだまだ不安が大きい」という人も多いでしょう。
就活に関して悩みや不安がある方は、エージェントを活用することをおすすめします。
個別にアドバイザーがつき、プロ目線で就活生を支援し、目標の内定まで全面的にサポートしてくれます
自分自身ではわからない自分の強み、あるいは欠点についても指摘してもらうことで、自己理解を深めることができるでしょう。
また、求人紹介やES添削、模擬面接なども行っています。
経験豊富なアドバイザーからアドバイスをもらうことで、自信を持って面接に臨めるようになるでしょう。
エージェントに興味ある方はこちらからどうぞ。
まとめ
今回は、私たちの生活を支える物流業界について詳しく解説しました。
どのような業界なのか、どんな職種があって必要な資格は何なのか、理解が深まったかと思います。
物流業界は現代社会で高い需要があり、これからさらに拡大していく成長著しい分野です。
収入面や安定性といった部分ではほかに勝る強みがある一方で、体力的には高いレベルが求められます。
自分自身をよく分析し、自分にこの業界が合っているかどうかよく考えてみましょう。
また、社会の変動による影響を強く受ける業界でもあるので、常に最新の情報をチェックして流れの変化を読むようにしましょう。
現代社会で生きるためには欠かせない分野、それが物流業界です。
身近な業界であるからこそ、入念に調べて就職活動を行うと良いでしょう。




