■設立背景を教えてください
大学までは野球に打ち込み、プロ野球選手を目指していましたが、自身の限界を感じ、就職を決意しました。
早期に社会で活躍したいという思いから、エン・ジャパン株式会社への入社を決意しました。
大学野球が終わり、大学4年生の9月からインターンとして働き始めました。
エン・ジャパン株式会社では、主に採用の求人広告を企業に提案していましたが、
働いていく中で社長になりたいなと思うようになり、色々な社長さんに会って何度も相談しました。
■その中でも教育事業を立ち上げた背景を教えてください
私も学生時代、塾は苦手で、つまらないと感じていました。
進学校に通いながらも、野球に夢中だったあまり、勉強は後回しにしていました。
塾も通っていましたが、子供のころ塾に対して楽しさを感じられなかったです。自分だけと思っていましたが、そういった思いをした人が多いと創業前に知りました。
だったらそういった自分のように勉強が苦手な子に対して、
ちょっとでも勉強が楽しくできるような塾があればいいなと思い、学習塾を始めました。
■「株式会社わ」という名前がすごく親しみやすいのですが、社名の背景をお伺いしたいです
創業前に、色々相談したりしたのですが、ある日、日本政策金融公庫を訪れ、融資を申請しました。
面談の終盤、担当者から「社長就任後、どのような会社を目指しますか?」と尋ねられました。
私は「人との繋がりを大切にしたい」と答えました。
人との縁や繋がりを大事にしたい人の輪と、当時英語の社名などが増えていたのでわかりやすい平仮名一文字の“わ”に決めました。
■創業されてから大変だったことはありますか
23歳という若さで会社を立ち上げることは、想像以上に困難でした。
右も左も分からないまま、政策金融公庫を訪れました。
担当者からの創業計画書に関する質問に、何も答えられず、途方に暮れたことを覚えています。
担当の方は、10回以上にもわたって丁寧に指導してくださいました。
そのおかげで、一から全てを手作りで作成し、ようやく半年後に創業計画書を完成させることができました。
■立ち上げるときにプレッシャーはありましたか
プレッシャーはありませんでしたが、経済的に余裕はなく、ギリギリの生活を送っていました。
知人にお願いをして家に住み込み、大学の同期から3万円ぐらいで購入したバイクで20分かけて現場教室に通っていました。
食費は1ヶ月5千円程度に抑えていました。
米は実家から送ってもらっていたので、主食はインスタントラーメンや卵かけご飯を食べていました。
塾経営に必要な知識やノウハウは、静岡で学習塾を経営している先輩に0から教えてもらいました。
■立ち上げる中で一番大変だったことを教えてください
設立1年目に1教室を開設し、2年目には2教室、3年目には5教室へと事業を拡大しました。
そして4年目には、10教室という目標を達成することができました。
新卒採用を軸に人材を採用し、3年目には社員3名、4年目には中途採用を含めて一気に10名規模の組織へと成長しました。
経営危機に直面した時に、日本創造教育研究所主催の経営者研修に参加し、経営ノウハウを学びました。
また、財務面の見直しとチーム編成を行い、資金調達体制を強化することで、経営危機を乗り越えることができました。
■しんどかったことを乗り越えられた理由はありますか
勉強したことと、社員さんがいるから、会社は潰せないという責任ですね。
そのときは頑張らないけないなと思いました。
■松田さんが働く上で大事にしている考え方や価値観はありますか
弊社は、「仕事は趣味だ」という独自の価値観を掲げています。
寝る時間を抜いたら、大体7割ぐらいみんな仕事をしているわけです。
育児や家事なども、広い意味では仕事と言えるでしょう。
そう考えると、私達は人生の大半を仕事に費やしていることになります。
多くの人が、仕事に対してしんどい、面倒くさいと感じることがあるでしょう。
しかし、趣味であれば、自ら積極的に情報収集を行い、知識やスキルを向上させようとします。
要は仕事も趣味のように前向きに捉えることで、自ら積極的に課題に取り組み、成長を続けることができると考えています。
例えば仕事を効率よくするためにはちょっとした工夫をすることで、よくなったりします。
このように、仕事を楽しむことで、自ら積極的に改善に取り組み、より充実した仕事生活を送ることができるでしょう。
大前提人生の7割ぐらいはこれからみんなやっていかないといけないものなので、楽しく充実したものにしたいものです。
「仕事は趣味だ」と言えるような働き方が、人生をより豊かにするのではないでしょうか。
そのため弊社では「仕事は趣味だ」というのが働く上での価値観になっています。
■実際に働かれている社員さんはどういった方が多いですか
弊社に入社される方は基本的に子供達のことを、自分の子供みたいに応援できる人が多いです。
子供や相手のことを思いやれる人が多く、仕事に前向きな人が多いと思います。
■他社様にここだけは負けない!があればお伺いしたいです
学習塾業界の中では、社風や考え方が若いです。
弊社ではスーツではなく、カジュアルな服装で出勤してよいことになっています。
お客様や生徒さんからも学んでいこうというスタイルなので、
従来の「先生」と「生徒」という上下関係ではなく、お客様や生徒さんからも積極的に学び、共に成長していくスタイルを目指しています。
■新入社員に期待していることはありますか
色々なことにどんどん積極的にチャレンジしていってほしいと思います。
会社は生き物のように、時代や環境に合わせて常に変化し続けています。
若い社員さんが増えると、会社全体が活気に満ち溢れ、新しいアイデアや活力をもたらします。
新卒社員のフレッシュさや一生懸命さは、周りの社員さんにも良い影響を与え、モチベーションを高めてくれます。
分からないことは聞いてもらって、一回やってみることが大事だと思います。
■松田さんにとっていい会社とは、一言で言うとどんな会社でしょうか
朝早く起きて、夜もしっかり睡眠をとっている社員さんが多いと感じています。
塾なので終わるのが9時50分とか10時なのですが、すぐに帰ってミーティングは朝早く出てやりましょうと社内で声かけをしています。
塾業界は、夜遅くまで働くことが多いですが、弊社では朝早く出勤し、夜はしっかり睡眠をとることを推奨しています。
■今後会社がどういう状態になっているのが一番理想でしょうか
毎年毎年、少しずつでも教室が増えて、一緒に働く社員さんが増える状態が一番いいと思っています。
将来的にはこのメンバーで学習塾以外の事業も始められたら嬉しいです。
■何かこういうものをやりたいなど、既に松田さんの中にありますでしょうか
現状はまだ決まっておりませんが、社員さん一人ひとりのアイデアを積極的に取り入れ、新たな可能性を探求していきたいと考えています。
例えばコロナ禍において、1ヶ月間オンライン授業に切り替えたところ、緊急事態宣言発令後も売上を維持することができました。
それは、社員さんが柔軟に生徒さんにオンラインを提案してくれて、できたことだと思います。
どの会社も塾だけやっていたら将来行き詰まる可能性が高く、単に塾経営に留まるのではなく、教育という事業ドメインを活かしながら、新たな価値を提供できる会社を目指していきます。
■就活生の方々に向けてメッセージがありましたら、一言お願いします
新卒の就職活動では、できるだけ多くの企業を見学することをおすすめします。
私は学生時代、一社しか就職活動をしなかったことを後悔しています。
就職活動は、様々な企業の人と出会い、自分の将来について考える貴重な機会です。
学生時代に社長と直接話せる機会は、就活以外ではなかなかありません。
この貴重な機会を最大限に活かし、色々な経営者に会って欲しいです。
人事担当者ももちろん大事ですが、社長に会ってその社長はどういう人かっていうのを見た方が私はいいと思っています。
会社概要
会社名 | 株式会社 わ |
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本社 | 愛知県名古屋市緑区赤松716 |
支社 | 【東京本部】東京都杉並区高井戸東3-27-11 |
設立 | 2009年12月8日 |
資本金 | 10,000,000円 |
代表者名 | 松田 考平 |
従業員数 | 正社員70名 アルバイト約280名 |
事業内容 | ■学習塾の運営 ■学習塾のコンサルティング ■学習塾のフランチャイズ販売 ■システム開発 |
URL | https://wa-hd.co.jp/ |