はじめに
IT業界で働きたいと考えているものの、どのようなキャリアパスがあるのかよくわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、IT業界のキャリアパスについて徹底的に解説し、スキルアップ方法などについても詳しく紹介していきます。
キャリアプランとは
キャリアプランについて考える前に、そもそもキャリアプランとは何なのかについて考えていく必要があります。
キャリアプランとは、目標達成に向けた行動計画のことであり、自分なりの指針を持って仕事に取り組むことでよりモチベーション高く成長を目指していくことができるものです。
まずはキャリアビジョンを考える
キャリアプランについて考えるにあたっては、まず、そもそもキャリアビジョンについて理解しなければなりません。
キャリアビジョンとは、平たく言うならば、あなたのキャリアについての未来ということを指しています。
例えば、あなたが将来どのようになりたいのかということについて考えてみると、「自分は営業の仕事をしてどんどん成績を上げていきたい」「エンジニアとしてプログラミングスキルを磨いて独立したい」「一生懸命働いている人のサポートをしたい」というような考え方が出てくるはずです。
このような自分の仕事の方針や、将来的にどのようになっていたいかということを考えることがキャリアビジョンです。
キャリアビジョンは、今まで目を向けてこなかった自分の仕事における計画について考えることができますし、どのように働きたいのか、人生について考えるきっかけにもなります。
その他にも、新しい自分に気づくきっかけになりますし、将来の自分について考えることで思考の幅や視野が広がるというメリットもあります。
そして、今やるべきことが何なのかについても明確になるので、必ず補っておきたい対策の一つです。
キャリアビジョンについてはこちらの記事で詳しく紹介しているのでぜひ併せて確認してみてください。
キャリアビジョンからキャリアプランを考える
キャリアプランとは、先ほども説明したように、キャリアビジョンを実現するための計画のことを指しています。
つまり、順番としてはまずキャリアビジョンを設定して、そこからキャリアプランを考えるという流れになります。
ということは、キャリアビジョンを考えなければ、キャリアプランを考えることもできないのです。
キャリアプランをしっかりと作成することができれば、スムーズにあなたのキャリアについて考えることができますし、どのような対策をしなければならないのかについても考えていくことができます。
しかし、何度も繰り返しますが、そのキャリアプランを考えるためにはまずキャリアビジョンを作成しなければならないのです。
よって、まずは自分がどのようになりたいのか、仕事において何を成し遂げたいのか、はもちろんのこと、いくら稼ぎたいのか、どのくらい休みが欲しいのかなどといった具体的な仕事と生活に関連している目標について考えてみるのも良いでしょう。
目標を立てること自体は自由ですし、誰かに言わなければならないわけではないので、まずは自分が理想とする姿がどのようなものかについて考えてみると良いでしょう。
なぜキャリアプランが必要なのか
今回の題材であるキャリアプランですが、そもそもなぜ必要なのかについて納得していなければ、あまり理解することもできないでしょう。
そこで、ここからはキャリアプランが必要になってきている理由について説明していきます。
終身雇用や年功序列が崩壊しつつある
なぜキャリアプランが必要なのかという理由の一つとして、終身雇用や年功序列が崩壊しつつあるということが挙げられます。
近年の社会の変化の代表例として、終身雇用制度や年功序列という考え方が壊れつつあることがあります。
終身雇用などの制度は、安定した経済成長期においては効率的であり、従業員と企業の双方にとって多くのメリットがありました。
従業員にとっては生涯の雇用保証と年齢に応じた給与の増加が保証されており、企業には熟練した労働力の維持が可能でした。
しかし、景気の悪化や経済のグローバル化などの理由で、企業は効率化やコスト削減が求められるようになりました。
これにより終身雇用の制度や年功序列は導入している企業が少なくなり、既存の職種がなくなることも多くなってきています。
つまり、就職してしまえばキャリアは一本道という時代はほとんど終わりを迎えていると言え、自分でキャリアを築く必要があるのです。
IT業界の業務内容が多様化しているから
キャリアプランを立てなければならない理由の一つとして、IT業界の業務内容が多様化していることが挙げられます。
近年では、技術や科学革新のスピードが速く、新しい技術を学ぶ必要があります。
例えば、ビッグデータ、人工知能、機械学習、ブロックチェーン、サイバーセキュリティなど、新たな技術が続々と誕生しています。
これにより、IT業界においては、新しいポストや専門分野がどんどん生み出されています。
ということは、プレイヤーとしての重要性も非常に高まっており、マネージャーやコンサルになったからと言って、プレイヤーよりも稼げる、プレイヤーよりもホワイトに働けるというわけでもなくなってきています。
特に新しいIT系の分野の技術を持っている人材はあまり多くないため、人材不足が顕著です。
学び続ける姿勢があり、学ぶこと自体が楽しいと感じる人の場合、そこまで対応は難しくないでしょうが、新しい技術に対して抵抗がある人の場合は、よりしっかりとキャリアプランを立てておく必要があると言えるでしょう。
キャリアプランを考えておく
キャリアプランを考えておくことはIT業界で働くにあたり、非常に重要なことであると言えるでしょう。
以前までは、開発の上流工程を目指すプランが一般的でしたが、近年では技術革新のスピードが非常に早く、常に新しい技術を追う必要があります。
そのため、プレイヤーとしての重要性が高まっており、自分が管理職につくのか、プレイヤーとして活躍したいのかについて考える必要があります。
専門性を高めてスペシャリストになる
専門性を高めてスペシャリストになることは、IT業界のキャリアプランとして非常に良いものの一つであると言えるでしょう。
マネージャーや管理職ではなく、特定の分野に強いプレイヤーとして戦っていきたい人向けであり、現場志向のある人に向いています。
普段から業務に関係なく、パソコンに触れることが多く、様々な他のプログラミング言語などについて興味を持っている人の場合、専門性を高めてスペシャリストになるという選択肢は非常に有力です。
特定の技術分野や専門知識で高いレベルの専門性を発揮し、その分野でトッププレイヤーとして活躍することができる人物は、これからの時代において非常に重宝される可能性が高いです。
技術的な専門性と実践的なスキルに重きを置き、直接的なプロジェクト実行や問題解決に関与することができる人物は、どのような企業においても引っ張りだこと言えるでしょう。
スペシャリストになるには
では、そもそもスペシャリストになるにはどのような対策をしなければならないのかについても考えておく必要があります。
結論として、最新のトレンドを追い続ける必要があると言えるでしょう。
例えば、新しいプログラミングの言語が出るたびに勉強する、そのような姿勢が必要です。
これに対してあまり苦痛を感じない、むしろ新しいプログラミングの言語が出た時に興味を持ち、自分から勉強したいと思える人はスペシャリストにぴったりであると言えます。
幅広く対応できるゼネラリストになる
幅広く対応できるゼネラリストになるというのも、IT業界におけるキャリアプランとして非常に良いものであると言えるでしょう。
特定の分野に特化するのではなく、幅広い知識とスキルを持ち、多様な業務に対応できる人のことを指します。
ITプロジェクトにおいては、企画から設計、開発、運用保守に至るまで、多岐にわたる業務があり、それぞれが複雑に絡み合っています。
ゼネラリストは、これらのプロジェクトの上流から下流まで幅広い業務に柔軟に対応できるため、プロジェクト全体を見渡すことができ、開発のほとんど全てをお任せされることがあります。
このような能力がある人は、どのようなITの現場においても市場価値が高く、多くの企業から歓迎される傾向にあります。
高待遇で迎えられることが多く、のちにマネージャーなどに昇進する可能性もあるため、年収をどんどん伸ばしていきたいという方に向いています。
ゼネラリストになるには
では、そんなゼネラリストになるためにはどのような対策をしていく必要があるのでしょうか。
ゼネラリストになるにあたっては、一つの分野だけではなく、様々な分野を経験する必要があります。
IT業界においては、転職は珍しいことではないとされているので、転職のたびに違う分野を選んでみるのも良いでしょう。
この時、開発の上流から下流の範囲内で選ぶことをおすすめします。
開発チームをまとめるマネージャーになる
開発チームをまとめるマネージャーになるというのも、IT業界のキャリアプランとして非常に良い選択肢の一つであると言えるでしょう。
開発チームをマネジメントする立場を目指すプランは、最も典型的なものであり、最も安定しているとも言えます。
技術的な知識はもちろん、チームマネジメントやプロジェクト管理、コミュニケーション能力など、多面的なスキルが要求される傾向にありますが、非常にやりがいがあり、待遇が良い場合が多い仕事です。
チームの目標設定やタスクの割り当て、進捗の管理や品質管理など、プロジェクトのありとあらゆる側面を管理し、メンバーのモチベーション維持も重要な役割の一つです。
非常に大変なマネージャーの仕事ですが、その分プロジェクトが円滑に進んだ際のやりがいはひとしおですし、最終的に企業全体のマネジメントができる立場にまで昇進する可能性もあり、キャリアの選択肢としては素晴らしいものであると言えるでしょう。
マネージャーになるには
では、マネージャーになるためにはどのようなキャリアをたどれば良いのかについても考えていきましょう。
マネージャーになるにはまずは、実務として開発経験などをしっかりと積むことが重要です。
プロジェクトマネージャーに関係する資格を取得するのも選択肢の一つです。
このように、専門知識があることを実務経験、もしくは資格などを通じてアピールしていきましょう。
また、最新の技術トレンドをチェックしておくことで、業界に対する熱意のある人材であることもアピールすることができます。
ITコンサルタントになる
ITコンサルタントも多くの現場で求められる役割なので、キャリアの選択肢としておすすめです。
プロジェクトの統括管理に関するプロジェクトマネジメントプロフェッショナル、つまりPMPの資格などを取得することをおすすめします。
コンサルティングファームやシンクタンク、独立した専門家などとして活動し、クライアントのIT戦略の策定、システム導入や最適化、ビジネスプロセスの改善、デジタル変革の推進など幅広い分野でのサポートを行うのが役割です。
技術的な知識はもちろんのこと、ビジネス戦略や業界動向に対する理解が必要とされるため、専門性や分析能力なども求められます。
最新のITのトレンドに常に敏感であり、複雑なビジネス課題を解決するための創造的な思考や、顧客との強固な信頼関係を築くための優れたコミュニケーション能力も必要です。
コンサルタントの経験がなくても、エンジニア経験が豊富な場合は十分に目指せる職業なので、選択肢に入れてみても良いでしょう。
ITコンサルタントになるには
では、ITコンサルタントになるにはどのような対策をしなければならないのでしょうか。
結論としては、ITの知識を生かしてコンサルティングファームやシンクタンクでITコンサルタントとしてジョブチェンジするプランが最も有力です。
年収が非常に高く、多くの企業から求められているため、コミュニケーション能力や問題解決能力に自信があり、ITのスキルが十分な方ならば一気にキャリアアップを目指すことも可能です。
フリーランスとして独立する
ITの知識を磨いたならば、フリーランスとして独立するのも選択肢の一つであると言えるでしょう。
企業でITエンジニアとしてスキルを取得してからフリーランスとして独立することも十分に可能です。
企業から外注された仕事を請け負うのがフリーランスのITエンジニアの仕事です。
フリーランスで働くことのメリットとしては、時間や場所に対する制約がないので、納期までに製品を納品することさえできれば、いつどこで何をしていても誰にも文句を言われないという自由さがあります。
直接企業から案件を受けるので、場合によっては会社員の時よりも高い報酬を得ることができます。
一方、自己管理ができなければ納期に遅れてしまい、信頼を失って継続的に案件を獲得することが難しいので、自己管理能力がある人に向いている仕事であると言えるでしょう。
フリーランスになるには
フリーランスになるためには様々なキャリアパスがありますが、エンジニアとしての知識については基本的にスペシャリストと同じルートで得るのをおすすめします。
いきなり独立するのではなく、まずはベンチャーなどでエンジニアとして働いてからの方がスムーズです。
また、ビジネススキルが求められるので、一般的な社会常識についても理解しておく必要があります。
いくらスキルがあっても、常識がなく感じが悪い人に対しては、企業は仕事を振ってくれません。
その他のキャリアプラン
IT業界のその他のキャリアプランには社内SEやセールスエンジニア、品質管理エンジニアやデータサイエンティスト、フィールドエンジニアなどもあります。
このように多岐にわたる職業があり、いずれにおいても需要がある売り手の業界なので、ITに関する技術を磨き、どのようなキャリアを歩んでいくのか考えることが重要です。
まとめ
今回は、IT業界のキャリアプランを考えるにあたってのポイントや、どのような仕事があるのかについて詳しく紹介してきました。
キャリアプランを立てることで、あなたのビジネスマンとしての設計はもちろんのこと、人生設計についても考えることができます。
ぜひ本記事を参考に、あなたのビジネスマンとしてのキャリア、そして人生がよく運ぶようにプランを立ててみてください。