就職活動における面接では、自身についてさまざまなことが質問されます。
ときには、強みやアピールポイントといったポジティブな部分だけでなく、答えにくい部分について質問される場合もあるでしょう。
留年の理由に関する質問もその1つであり、しっかり準備して回答を考えておかなければ、採用担当者に悪印象を与えてしまうかもしれません。
今回は、面接で留年の理由を聞かれる理由と評価される回答方法、おすすめの構成などを解説し、理由ごとに例文もご紹介します。
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【面接で留年理由は聞かれる？】留年経験は就活で不利になるの？
留年についての質問を答えにくいと感じる人のなかには、留年そのものが、就職活動で不利になる原因だと考えている人もいるかもしれません
しかし実際は、留年していることが就職活動において、直接的に不利な状況を引き起こす可能性は低いでしょう。
留年しているからといって、ほかの就活生と比較して引け目を感じる必要はないので、自信を持って就職活動に臨むことをおすすめします。
むしろ、留年から得た経験を無駄にせず、自身の強みにしていたり、留年の原因を分析して挽回方法を考えていたりする場合は、高評価につながる可能性もあります。
留年をマイナスポイントとして捉えるのではなく、その原因や学んだことにしっかり向き合い、それをアピールポイントの1つとして活用できるような伝え方を考えると良いでしょう。
【面接で留年理由は聞かれる？】面接で留年理由を聞かれる確率
エントリーシートなどで、採用担当者が就活生の留年について知っていた場合でも、必ず面接でそのことが質問されるわけではありません。
実際に、面接で留年について聞かれる可能性は、半分を切っているといわれます。
しかし、就職活動の面接では、あらゆる質問に対して、自分なりの回答ができるように準備をしておくことが大切です。
特に選考の段階が進んでくると、1つの質問に対する答え次第で、内定を獲得できるかどうかが分かれるケースも少なくありません。
留年に関する質問は、アドリブで適切な回答を考えるのは困難なので、質問されることを想定し、しっかり回答を考えておいたほうが良いでしょう。
十分な準備は自信にもつながるので、留年への質問対策を万全にしておくことで、不安を感じることなく面接に臨めるようになります。
【面接で留年理由は聞かれる？】面接で留年理由を聞かれる理由
次は、企業がなぜ面接で留年の理由について尋ねるのか、確認しておきましょう。
面接で尋ねられる質問には、基本的に何らかの意図があります。
その意図に沿わない回答は、採用担当者からあまり良い評価を得られない可能性があります。
逆に企業の意図をしっかり把握できれば、そこまで印象的なエピソードがない場合でも、適切な回答が作成できるようになるでしょう。
今回は、企業が留年について質問する主な理由を3つピックアップしました。
質問の回答を考える際は、以下の質問意図への回答になっているかどうか、意識してみてください。
留年した理由を知りたいから
企業が留年について尋ねる1つ目の理由は、シンプルにその理由が知りたいからです。
就活生が就職活動において、自身の長所や能力を企業にアピールしようと努力しているように、企業側もできるだけ就活生について多くの情報を得ようとしています。
そのため、後述するような明確な意図がない場合でも、プロフィールや経歴について気になる点があれば、質問される可能性があります。
留年は、ほとんどの就活性が経験しないものです。
そのためポジティブに考えれば、経歴において目立つポイントであり、採用担当者に興味を持ってもらうきっかけにもなります。
質問の回答から話題が広がったり、自身の強みをアピールできたりする可能性もあります。
尋ねられたことをネガティブに捉えず、嘘をつかずにしっかり事実を話すようにすると良いでしょう。
人柄を知りたいから
企業が留年について尋ねる2つ目の理由は、就活生の人柄を知りたいからです。
エントリーシートや面接といった各選考において、企業および採用担当者は、就活生の人柄や定量化しにくい内面について特に詳しく知りたがっています。
これは、就活生と企業のマッチ度や、就職への熱意といったポイントを判断するためです。
留年には必ず何らかの原因があるので、その理由について質問することで、就活生の人柄が見えてくる場合もあります。
たとえば、遊んでばかりいて大学をサボってしまった結果の留年であれば、怠惰で不真面目な人間という印象を与えてしまうでしょう。
ただし、どのような理由の留年であっても、改善点や学びを回答に盛り込めば、好印象を与える可能性があるので、正直に話すことが大切です。
留年から学んだことを知りたいから
企業が留年について尋ねる3つ目の理由は、留年の経験をとおして学んだことや、留年を経てどのように成長したのかを知りたいからです。
これは、アルバイトやゼミなど、留年以外の経験についても共通することです。
企業はその経験の詳細よりも、そこから学んだことや成長の結果を知りたがっているケースが多く見られます。
なぜなら、多くの企業において、業務に必要なスキルやノウハウは、入社後に学ぶものだからです。
就職活動時点のスキルよりも、学びの姿勢や成長への意欲、ポテンシャルなどを重視します。
自身の不注意や不真面目さなど、ネガティブな理由で留年してしまった場合でも、そこから学んだ内容を明確に伝え、入社後の活かし方を述べれば、高評価を得られる可能性もあるでしょう。
【面接で留年理由は聞かれる？】留年理由を答える際のポイント
次は、留年についての質問に答える際に、覚えておきたい重要なポイントを解説します。
ここまで何度か触れてきたように、留年したこと自体は、直接的にマイナス要素とはなりません。
留年の経験から得た学びや成長を明確化できれば、むしろ高評価につながる可能性もあります。
しかし、回答の方向性次第では、ほかの質問への回答ではカバーしきれないような、大きな悪印象を与えてしまう可能性もあるでしょう。
以下の4つのポイントを意識したうえで、回答内容を考えてみてください。
嘘をつかないようにする
面接で質問に答える際、避けなければいけないNG行動の1つは嘘をつくことです。
自身をよく見せるために嘘の回答をしても、多くの場合、態度の不自然さやほかの回答、エントリーシートの記述との矛盾などでバレてしまいます。
留年に関する質問で嘘をついたとしても、さらに回答を深堀りされて、バレてしまう可能性が高いでしょう。
もしバレずに入社できた場合でも、嘘をついての入社は企業とのミスマッチにつながり、お互いにとってマイナスになるケースが少なくありません。
答えにくい質問をされた場合でも嘘はつかず、できるだけポジティブな印象を与えるような回答をするように心がけましょう。
そのためには、事前に自己分析や面接練習をしっかり行い、回答内容を考えておくことが大切です。
留年してしまった原因とその改善方法を伝える
留年に関する質問をされた際、嘘をつかないようにするべきなのは、先程説明したとおりです。
しかし、ただ正直に答えればいいわけではありません。
特に、留年の理由・原因について質問された際に「わからない」と答えたり、説得力のない理由を述べたりした場合は、採用担当者にマイナスな印象を与えてしまう可能性が高いです。
一方、ネガティブな理由で留年してしまった場合でも、その原因をしっかり自覚し、その経験をどのように活かしたのかをアピールできれば、良い印象を与えられる可能性があります。
留年した理由が自分のなかで明確化できていない場合は、しっかり自己分析を行い、その原因をはっきりさせておきましょう。
そのうえで、改善に力を入れたことを強調できれば、留年を有力な武器として活用できます。
留年理由を他の人の責任にしないようにする
留年する理由は、人によってさまざまです。
なかには、家族や友人といった自分以外の人間が、直接的な原因となっているケースもあるでしょう。
本来は自分の責任で留年したことを、他人に押し付けるのはもちろんNGです。
正当な理由がある場合でも、他人を原因として挙げるのはあまりおすすめできません。
採用担当者からは、その理由が正当なものなのか、他人のせいにしているだけなのかを正確に判断できないので、どうしてもマイナスな印象を与えてしまうためです。
また、自分に原因がある場合と異なり、留年の経験を活かした改善や成長がしづらいので、回答を自身のアピールにつなげることも難しくなってしまうでしょう。
そのため、多少ほかの人に留年の責任がある場合でも、可能な限りほかの原因を考え、そこからの学びを見つけることをおすすめします。
ポジティブな言葉で言い換える
留年に関する質問に回答する際は、正直に答えようとすると、どうしてもネガティブな言葉を使ってしまいがちです。
しかし、後ろ向きな言葉は、たとえそれが正確な自己分析や客観視の結果だったとしても、採用担当者に良くない印象を与えてしまいます。
先述したように、留年経験はそれ自体がネガティブな要素ではなく、過度に卑下したり、マイナスに捉えたりする必要はありません。
むしろ企業側としては、その質問から、就活生の強みやポジティブな発見を知りたがっているのです。
同じ理由について回答する場合でも、挑戦心や前向きさを感じられる人を採用したいと考える企業が多いでしょう。
そのため、面接に関する質問の回答を作成する際は、可能な限りポジティブな言葉への言い換えを考えることが大切です。
【面接で留年理由は聞かれる？】評価される回答方法
次は、面接で留年について尋ねられた際に、高評価を得やすい回答方法について解説します。
留年に関する質問に対しても、基本的な構成は、ガクチカやゼミなどについて尋ねる質問と大きな違いはありません。
ただし、留年は、ネガティブな印象を与えてしまいがちな話題です。
採用担当者から高評価を得るためには、積極的にポジティブな方向性をアピールする工夫が必要です。
今回は、全体を4つの構成に分けて解説しているので、留年についての質問の回答を考える際は、ぜひ参考にしてみてください。
結論
留年の理由について尋ねられた場合、最初に答えるべき内容は、自身がなぜ留年したのかを伝える結論部分です。
PREP法などに代表されるように、相手に何かを伝える際に最初に結論を述べるのは、ビジネスにおいて基本的なテクニックです。
最初に結論を述べることによって、相手は以降の内容のどこに焦点を当てれば良いのかがわかりやすくなり、より効果的に自身の強みやアピールポイントを伝えられます。
詳細は後の部分で補足できるので、短く簡潔に伝えることを意識すると良いでしょう。
エピソード
最初に結論を述べた後は、次に留年に関する具体的なエピソードを述べましょう。
冒頭で述べた結論を補足するように、どのような背景があって留年することになったのか、相手にわかりやすく伝えましょう。
この際に重要なのは、主観的な視点ではなく、客観的に見て正当性のあるエピソードを用いることです。
自身の置かれていた状況などをしっかり伝えられないと、以降の主張がうまく効果を発揮できない可能性があります。
面接練習をしっかり行い、適切な伝え方を身につけておくと良いでしょう。
改善するための行動
3番目に述べる内容は、留年の経験を受けて、どのような改善・成長を遂げたのかについてです。
ここまでも何度か触れてきたように、採用担当者は留年した事実よりも、そこからの改善や成長といったポジティブな面を詳しく知りたがっています。
留年した理由がネガティブなものや意図しないものであった場合でも、どのように改善したかを伝えることによって、成長性やポテンシャルを感じてもらえるでしょう。
留学などポジティブな理由での留年の場合は、その経験による成長を伝えることで、好印象を与えられます。
入社後の活かし方
最後は、留年によって得た経験や成長を、入社後にどのように活かすのかについて述べましょう。
就職活動の面接は、自身が採用に足る人材であることを、採用担当者に伝えるための機会です。
各種質問の回答も、内定を得ることを最終的な目的にしています。
単に「改善した」「成長した」で終わるのではなく、活かし方や貢献内容を伝えられれば、入社後に活躍してくれる人材だと思ってもらえるでしょう。
また、入社後の活かし方を考えるためには、企業のことを知らなければいけないので、企業研究の成果もアピールできます。
【面接で留年理由は聞かれる？】回答例
次は、面接で留年の理由について尋ねられた際の回答例をご紹介します。
留年にはさまざまな理由があり、状況も個人ごとに異なるものです。
しかし、構成ごとのバランスやアピールするべき方向性は、ある程度の傾向が決まっています。
そのため、適切な回答例を把握しておけば、自分独自の回答も組み立てやすくなるでしょう。
今回は、それぞれ留年の理由が異なる7つの回答例を用意しました。
ここまで解説してきた回答のポイントや、おすすめの構成を意識したうえで、自身の体験を当てはめて回答を作成してみてください。
部活動
私は、スポーツ推薦で進学し、親や友人、チームメイトといった周囲の人々の期待に応えるためにも、朝から晩まで練習やトレーニングに打ち込みました。
その結果、3年時には部のエースを任され、チームとしては10年ぶりの県大会優勝を果たしましたが、学業のほうは留年してしまいました。
これは、部活にのみ注力して視野が狭くなっており、学生という自身の立場や、するべきことの把握が十分にできていいなかったことが原因だと考えています。
御社に入社した際は、バスケットボールで培った体力や集中力と、留年をとおして学んだ広い視野を持つことの重要性を活かして、新規プロジェクトの立ち上げに貢献したいと考えています。
遊んでいた
私は高校時代、いわゆる進学校に在籍し、ほとんど遊ばずに真面目に勉強や部活に打ち込んできました。
しかし、大学に進学して一人暮らしをはじめた後は、その自由さに溺れてしまったのです。
この失敗は、大学は遊ぶ時間がたくさんあるという先入観と、高校時代に自身を抑圧しすぎていた反動から起こったものだと考えています。
留年を知ったときは落ち込みましたが、すぐに長期的な学習プランの作成と徹底的な生活スタイルの見直しに取りかかり、現在は前倒しで単位の取得も進めています。
留年を機に学んだ、自分を甘やかさずに計画的に行動することの大切さを、御社で長期的なプロジェクトに携わる際に活用したいです。
留学
私は大学で、文化人類学研究室に所属して学ぶなかで、広い世界で経験を積むことの重要性を感じ、語学力を身につけて見聞を広めるために留学を決めました。
しかし、次第に現地での語学学習やボランティア活動の比重が大きくなり、必要な単位が取得できず留年してしまったのです。
結果として、語学力やコミュニケーション能力を身につけられたため、留学自体を失敗だとは考えていません。
ただし、するべきことの優先順位を見極められず、留年してしまったのは自身の落ち度だと捉えています。
御社に入社した後は、留年を機に重要性を学んで身につけた計画性と、留学で得た語学力とコミュニケーション力を活かし、営業職で活躍したいと考えています。
転学
当初は文学部に入学していたのですが、教養科目などで経済学の分野に触れるうちに、本気でそちらを勉強したいと考えるようになりました。
当時所属していたゼミの教授や経済学部の先生とも相談し、親ともしっかり協議したうえで転学を決めました。
結果として1年留年することにはなりましたが、転学後はそれまで以上に真剣に授業や研究に取り組めるようになったので、価値のある選択だったと思っています。
留年の経験をとおして学んだのは、自分の意志で自分の行動を決めること、そしてその責任を取ることの大切さです。
これらの意識と、経済学部で学んだ知識やスキルは、御社に入社した後も、新規プロジェクトの立ち上げで活かせると考えています。
事故
自分には過失のない事故だったのですが、2ヶ月ほど入院しなければなりませんでした。
退院後もしばらくは松葉杖が必要で、通院もしなければいけなかったため、結果として留年してしまいました。
当初は、大学生活序盤での理不尽な不幸と留年に自暴自棄にもなりかけましたが、友達や先生の支えもあって乗り越えられました。
この経験をとおして学んだポジティブ思考と逆境を乗り越える力は、その後の学生生活でもさまざまな面で役立っています。
また、人生どんなトラブルが起こるかわからないと知ったため、何事にも臆せずチャレン持するようになりました。
御社に入社した後は、これらの学びを新規市場の開拓や商品開発で活かしたいと考えています。
病気
私は2年生の際に、血液系の病気を発症し、長期入院と自宅療養を余儀なくされました。
現在は完治して薬を飲む必要もありませんが、学校に通えず必要単位が取得できなかったので、留年することになったのです。
しかし、病気自体の辛さよりも、1年間足踏みをしてしまうことを悔しく感じた私は、療養中に資格の取得とオンラインでの語学学習に励みました。
その結果、無事に簿記の資格を取得し、英語とフランス語に関しても、ネイティブと会話できる程度のスキルを身につけています。
どのような状況でも、自分の選択と頑張り次第で人は成長できると気づいたことは、留年をとおして学んだ大きな財産です。
御社に入社した後は、積極的に仕事について学んで成長し、人々を引っ張っていく存在になりたいと考えています。
就活留年
去年の就職活動で、私はなかなか希望する企業から内定がもらえず、焦りを感じていました。
複数社の選考を受けるなかで、ほかの就活生の様子を見て気づいたのが、自己分析と企業研究の浅さ、そして社会人になる認識の甘さです。
そこで、人生において重要な転機となる就活をおざなりにしたくないと考え、留年と就活のやり直しを決めました。
留年した1年間では、より積極的にインターンや説明会に参加して、業界や企業について情報を集め、自分の内面やスキルへの理解を深めました。
現在は、昨年とはまったく違う意識で就職活動を進めています。
社会人としてのスタートは1年遅れてしまいましたが、その差を埋めるために積極的に周囲から学び、御社に貢献したいと考えています。
【面接で留年理由は聞かれる？】就活エージェントに相談してみよう！
ここまで解説してきたように、留年に関する質問は、決してネガティブに捉える必要はなく、むしろアピールの機会として活用できます。
しかし、自身の弱みや失敗に触れるケースも多いので、通常の質問に比べて回答を作成するのが難しいと感じるかもしれません。
また、就職活動中は、自己分析や企業研究、エントリーシート作成などしなければいけないことが多いです。
回答を作成するために、十分な時間を確保するのが難しい人もいるでしょう。
そういった人におすすめなのが、就活エージェントの活用です。
就活エージェントは、就職活動のプロとして、答えにくい質問のへの対策や回答作成のアドバイスを行ってくれます。
エントリーシートの添削や面接練習も可能なので、効率的に就職活動を進めたい人は、こちらの就活エージェントの利用を検討してみてください。
まとめ
留年は、誰もがしている経験ではないので、プロフィールのなかでは目立ちやすい部分です。
就職活動の面接では、留年の理由や経緯について質問されるケースも多く見られます。
しかし、企業が留年について質問するのは、その回答をとおして、就活生の人柄や成長性といった内面を知ろうとしているからです。
そのため、留年について質問されたとしても、萎縮したりネガティブに感じたりする必要はありません。
質問の意図に沿った回答ができた場合は、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。
大切なのは、自身の留年経験をポジティブなものとして捉えること、留年で得た学びや成長を採用担当者に伝えられるような回答をしっかり考えておくことです。
今回解説した内容や就活エージェントを活用し、ぜひ自分なりの回答を考えてみてください。
