はじめに
せっかく内定を得られて、あとは卒業論文を提出する以外特に忙しいことも無く、楽しい時期を過ごせると思っていたにもかかわらず、なぜか内定ブルーになってしまう人も多いです。
そこで今回は内定ブルーとは何なのか、どのような人が経験するのか、そして解消するにはどうすれば良いのかについて解説します。
内定ブルーの原因が言語化できない方はもちろん、そろそろ就活が終わりそうな方も、ぜひ納得した形で就活を終えるため、内定ブルーについて知っておきましょう。
内定ブルーを経験する就活生は多い?
まず結論として、内定ブルーを経験する就活生はかなり多いです。
学生の65%近くが内定ブルーを経験したことがあるというデータもあります。
さらにその中でも就活を再開した人の割合は22.7%とかなり多いです。
よって、「自分は内定ブルーかもしれない」と思う人は、自分だけでなく他の人も感じていることであり、珍しいわけではなく、重く考えすぎる必要はないということを覚えておきましょう。
そもそも内定ブルーとは
本記事は内定ブルーについての解説や対処法について紹介しますが、まず内定ブルーという言葉が何であるのかについて簡単に理解を深めておきましょう。
「内定ブルー」とは、学生が就職活動で内定を得て、承諾した後に、自分の選択に疑念を抱いたり、社会人生活への不安などにより気分が落ち込んだりする状態のことを指します。
「内定を得られたのに何かしら不安を感じている」という人はこれに当てはまるといえます。
内定ブルーに陥りやすい時期
内定ブルーには陥りやすい時期があります。
大きく分けて2つあり、内定を承諾した直後と入社前です。
「まだ就職活動を続けなければならないのではないか」「本当にこの企業で良いのか」と多くの人が思う時期であるため、あなたが就活ブルーを感じていたとしても、珍しいことではありません。
内定ブルーに陥る原因
では、なぜ内定ブルーに陥るのかについて、原因を一緒に考えましょう。
原因を理解しておけば、対処法もおのずと見つかります。
就活の結果に納得していない
就活の結果に納得していない人は内定ブルーに陥りやすい傾向にあります。
内定を得たものの、希望していた企業や職種でなかった、第一志望の企業の選考がまだ残っているなどが原因として挙げられます。
完全に悪い結果ではないものの、「就職活動においてまだ頑張れることがあったのではないか」「まだ工夫できるのではないか」と思っている場合、内定ブルーを感じることが非常に多いです。
納得できていない場合はまだ就活を続けても良いですし、将来的に転職や独立なども視野に入れて、早い段階でスキルを磨くことを心がけることもおすすめです。
社会人になることへの不安
社会人になることへの強い不安を感じている場合、内定ブルーを感じる人も多いです。
職場での人間関係や仕事への責任、日々の業務の圧力など、学生生活と大きく異なる様々な要因が不安を引き起こします。
特に、実務経験がない新卒の人たちにとってはこれらの変化が大きなストレスとなり得ます。
現代では働くことに対して恐怖を感じている人が非常に多いため、このような不安を感じる人が多いです。
対策としては、あらかじめインターンに参加する、もしくは業務内容についてしっかりと理解を深めておく、スキルを身につけておくことなどが挙げられます。
企業の悪評を目にした
特に現代においては企業の評判などをかなり気にする人が多いため、企業の悪評を目にしてしまい、本当に就職して良いものなのかどうか不安を感じている人も多いでしょう。
内定を得た企業の悪評を目にしてしまい将来に対する不安や後悔が生まれ、内定ブルーが引き起こされてしまうのです。
特にインターネット上での評判は真偽のほどを確かめることが非常に難しいため、1つの悪評を見てしまうだけで過剰に心配になってしまう人もいます。
このような情報に触れることで、自分が選んだ企業が本当に自分にとって最適な場所なのかどうか、悩みや不安を感じることは珍しいことではありません。
ただし、いくら評判が良くても、いざ働いてみると大変な職場もありますし、評判が悪くとも素晴らしい待遇が得られる場合もあります。
よって、最も信じられるものは「自分の目で見たもの」であることは忘れないようにしましょう。
別にやりたいことが見つかった
別にやりたいことが見つかることも、内定ブルーの原因の1つです。
内定が出た後に、本当に情熱を感じる仕事や興味がある分野が見つかってしまった場合、すでに得られた内定に対して心が揺れ動いてしまうことも多いです。
このような状況は自分のキャリアを考え直さなければならない場面の1つであり、「自分の将来をどのように形作っていきたいのか」と悩むことも多いでしょう。
このような場合「自分が本当にやりたいこと」が自分に向いていることなのか、そしてそれを自分の一生の仕事にして良いのかについて考え、もし納得できる場合は内定を辞退することも選択肢の1つです。
内定を取ることが目的になっていた
内定を取ることが目的になっていた人の場合、いざ内定を得てしまうと、内定ブルーに陥ってしまうことは非常に多いです。
多くの就活生は就活を通じて単に内定を得ることを最終の目的と考えてしまいます。
そのような状況においては、内定を得た後、目標を失った感覚や虚無感を覚えてしまうこともあるのです。
内定を取ること自体が目標になっていたため、それが達成されると、次は何をすれば良いのか、方向性を失ってしまうこともあります。
長期にわたる就職活動の疲労感と合わせて、このような状態は精神的な落ち込みにつながりやすいです。
もし、まだ就職活動を続けている人は、内定を取ること自体が目的になっていないか再度考えてみましょう。
周囲からやめたほうがいいと言われた
いくら素晴らしい企業の内定を得られて、就職活動が非常に満足できる結果に終わっていたとしても、外野から余計なことを言われてマイナスな感情を抱いてしまう人は多いです。
あまり親しくない人やインターネットでの匿名の口コミなどは気にならないかもしれませんが、信頼する人物から否定的な意見が寄せられてしまった場合、「自分は果たして、本当にそこに就職して良いのか」と不安になることがあります。
しかし、いくら反対意見を寄せてきた人物が自分が信頼している親しい人物であったとしても、自分の就活に対して否定をされる筋合いはありません。
したがって、本当に入りたいと思ってる企業ならば、相手を不快にさせないよう気をつけつつ、適当に相槌を打つ程度にしておき、気にしすぎないようにしましょう。
福利厚生面が整っていない
いくらやりがいに満ちており、素晴らしい目標を達成するための環境が整っている企業であったとしても、福利厚生面に不安がある場合、内定ブルーを感じる人は多いです。
福利厚生は就職後にワークライフバランスを保つための非常に重要な要素の1つであり、健康保険や年金、休暇制度などは生活のクオリティに直接影響を与えるものです。
せっかく内定を得られた企業の福利厚生が期待以下であると知ってしまった場合、「その職場で本当に長く働くべきなのか」と不安に思うことも多いです。
自分がその環境で長く働く自信がない、または評判などを確認した上で、明らかにブラック企業であると判断した場合は、内定を辞退し、就活を続けるのも選択肢の1つであるといえます。
内定ブルーの解消方法
内定ブルーの原因について分析できたところで、続いてそれを解消するためにはどうすれば良いのかについて対策を考えてみましょう。
大きく分けて6つの対策があるため、あなたが納得できるものから始めてみてください。
内定者や社員の方と交流する
内定者や社員の方と交流するのは、内定ブルーを解消するにあたって非常に有効な選択肢の1つであるといえます。
交流を通じて企業の実際の雰囲気や人間関係について詳しく知ることができ、未知の環境に対する不安を軽減できることも多いです。
また、実際に働いている人から業務の詳細や職場での日常生活に関する具体的な話を聞くことで、働く際にどのような環境が提供されるのかについても知ることができ、安心感にもつながります。
そして、社員の方々との正式なミーティングだけでなく、連絡先を知っている場合は交流を取ることもおすすめです。
相手は忙しい場合もあるため、迷惑をかけないように注意しつつ、相手が前向きな場合はぜひ話を聞いてみましょう。
これにより、入社後の環境への適応がスムーズになり、不安や疑念を払拭できます。
内定者インターンシップに参加する
内定者のインターンシップに参加するのも、内定ブルーを解消する上で非常に有効な選択肢の1つであるといえます。
実際の業務を体験して職場の雰囲気や仕事内容に対する理解を深められるからです。
実際に職場で働くことで得られる体験を通じて、仕事への具体的なイメージを持つことも可能です。
また、同じく内定を受けた仲間とのつながりもできるため、共通の不安や期待などについて共有することも可能です。
このような交流を通じて内定後の不安を和らげるだけでなく、新たな社会人生活への積極的な準備ともなり、内定ブルーの解消につながるでしょう。
周囲の人に相談する
周囲の人に相談することも内定ブルーを解消する上で非常に重要な対策の1つです。
家族や友人、学校のキャリアセンター、就活エージェントなど信頼できる周囲の人々に相談してみましょう。
他の人とのコミュニケーションを通じて、自分の感じている不安や悩みを言語化して共有することで、精神的な支えを得ることもできます。
また、異なる視点からアドバイスや励ましを受けることで、自分の状況を客観的に見直すきっかけにもなります。
一方、本当にあなたに向いていない企業であると判断した場合、就職を止めてくれる可能性もあります。
向いている企業である場合は不安を解消するため、向いていない企業であれば間違って就職し、早期離職を防ぐためにも、周囲の人の意見を参考にしてみてください。
就職に対する考え方を変える
就活に対する考え方自体を変えてしまうのも内定ブルーの対策として非常に有効なものの1つであるといえます。
就活は確かに非常に重要なものであり、人生という大きな枠組みから見ても比較的大きなターニングポイントの1つであるといえます。
しかし、「就活は、ただ自分のビジョンを達成するための1つのステップに過ぎない」という考え方もあります。
内定が全てではなく、「自分のキャリアの中で一時的な段階に過ぎない」ということです。
一昔前までは、「一度新卒で入った企業には、定年まで勤め上げる」という終身雇用の考え方が一般的でした。
しかし、現在は転職する人は珍しくありませんし、業界が変わることや独立なども多く見られます。
よって、「就職してしまったら、一生そこで働かなければならない」」という考え方は捨てて、「ひとまず自分が身を置く場所である」と考えることで、心が楽になるかもしれません。
就活から距離を置く
就職活動をするにあたっては基本的に就活が中心の生活になるため、他の物事について考える余裕があまりなかった人も多いのではないでしょうか。
そこで一度、就活から距離を置いてみることをおすすめします。
これにより心理的なプレッシャーから解放され、感情をリセットできます。
趣味やリフレッシュなどに時間を費やして、精神的に一度ストレスが強い環境から離れてみましょう。
ストレスから離れることでより冷静な判断が可能となり、本当にその企業に就職するのか、もしくは就職活動をまた続けるのかについても理性的に判断できます。
一定期間距離を置くことで自分の内面と向き合い、これから自分がどうしていきたいのかについて考えてみましょう。
就活をやり直す
内定ブルーの原因には様々なものがありますが、どうしても就活の結果に納得がいっていないならば、就活をやり直すのも十分に有効な選択肢の1つです。
確かに、一度就職活動が終わったと思い、自由な時間を楽しんでいる人にとって、再び就活をすることは辛いかもしれません。
しかし、どうしても納得がいかず、入社する日までずっとモヤモヤするよりは、納得がいくまで就活を続けることをおすすめします。
確かに、現在は転職は珍しくありませんし、定年までその企業で働かなければならないわけではありません。
しかし、「就活について、どこかやり残したことがある」と感じていると、残りの学生生活や卒業旅行も楽しめません。
したがって、どうしても納得できていないならば、就活をやり直すのも選択肢の1つであるといえます。
就活をやり直す場合の進め方
では、就活をやり直す場合はどのように進めていけば良いのかについても理解を深めておきましょう。
大きく分けて4つの対策があるため、それぞれ段階を踏みながら就活をやり直していきましょう。
内定ブルーに陥った理由を明確にする
まずは、なぜ自分が内定ブルーに陥ってしまったのかについて理由を明確にする必要があります。
先ほど紹介した7つの理由がいずれか当てはまる人が多いでしょうが、その中でも特に、自分がなぜ暗い気持ちになってしまったのかについて分析する必要があります。
これは再び同じような状況に陥らないための対策としても有効であり、何より企業選びの軸となる可能性もあります。
せっかく就活をやり直して、再び内定を得られたとしても同じ状況に陥ってしまっては意味がないため、しっかりと、まずは原因から分析しておきましょう。
就活に詳しい人に相談する
就活に詳しい人、例えば就活エージェントなどに相談するのも選択肢の1つです。
自分が内定ブルーに陥ってしまった理由が明確にできれば、その情報を伝えた上で、これからどうすれば良いのかについて相談することをおすすめします。
特に、就活を一度やめてしまった場合、どこからまた始めれば良いのかわからない人も多いはずです。
何をすれば良いのかわからないまま再開しても、なかなか効率よく進めることはできないため、就活のプロに頼ってみるのも良いです。
今後の計画を立てる
理由を明確にし、就活に詳しい人に相談し、アドバイスを得られたら、今後の計画を立てましょう。
再就職活動においては、計画的に進めることが成功の鍵です。
早い段階で再開した人は問題ないかもしれませんが、特に比較的他の企業の選考が終わっている段階で再び就活を始める人は、明確な計画を立てて、それに沿って就活を進めなければなりません。
具体的な目標設定とスケジュール管理を行い、効率的に就活を進めていきましょう。
内定先に辞退の連絡をする
企業によっては、すぐに辞退の連絡をしなくとも良い場合もあります。
しかし、内定先に就職する気が全くないならば、辞退の連絡をしましょう。
「就職をする」と宣言してしまった以上、なかなか連絡する気にならないかもしれませんが、早い段階で辞退を伝えることで、相手側の企業も他の就活生を探すなど迅速に対策できます。
適切なマナーで、誠実かつ敬意を持った対応をすることが大切です。
特に、同じ業界で就活を続ける場合は、将来的に取引先になることや転職先になることもあるため、将来的な人間関係のためにもマナーを守って誠実に対応しましょう。
内定ブルーに陥ったら就活エージェントに相談しよう
今回は内定ブルーの概念について紹介した後に、内定ブルーに陥る原因や対策方法などについて紹介しました。
しかし、本記事を読んだだけでは、自分は内定ブルーなのか、もし就職活動を再び始める場合には何をすれば良いのかわからず、頭を抱えている人も多いはずです。
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まとめ
今回は内定ブルーの概念について説明した後、陥る原因や対処方法、就活をやり直す場合の進め方などについて詳しく紹介しました。
記事の冒頭でも紹介したように、学生の65%近くが内定ブルーを経験したことがあるというデータもあります。
よって、珍しいことではないため、自分を責める必要はありません。
本記事の内容を踏まえた上で自分が納得いく形で就活を終えられるように取り組んでください。