はじめに
グループワークは、就職活動やインターンシップで重要な評価項目の一つです。
企業は、候補者の協調性、リーダーシップ、問題解決能力などを評価するためにグループワークを実施します。
この記事では、グループワークの進め方や評価されるポイント、心構えについて詳しく解説します。
これからグループワークに臨む方や、対策を練りたい方にとって、有益な情報を提供します。
グループワークとは
グループワークとは、複数の人が一つのグループとなり、共通の課題に取り組むプロセスです。
課題解決やアイデアの創出、プロジェクトの計画など、さまざまな形式があります。
グループ内でのコミュニケーションや役割分担、協力が求められます。
評価は、成果物だけでなく、過程や各メンバーの貢献度も重要なポイントとなります。
グループワークの目的
グループワークの目的は、主に2つあります。
本選考では候補者の協調性やリーダーシップを評価し、インターンでは実際の業務体験を通じて企業文化や仕事内容を理解してもらうことが目的です。
これにより、企業は候補者の適性やポテンシャルを見極めることができます。
本選考：人柄を確認するため
本選考におけるグループワークは、候補者の協調性、リーダーシップ、問題解決能力などを評価するために実施されます。
チームでの作業を通じて、メンバー間のコミュニケーション能力や、役割分担の際のリーダーシップ、チーム全体をまとめる力が見られます。
また、課題解決の過程での論理的思考や創造力も評価の対象です。
面接官は、各メンバーがどのように議論に参加し、どのように貢献しているかを観察し、その人柄や能力を判断します。
インターン：業務を体験してもらうため
インターンシップにおけるグループワークは、参加者に実際の業務を体験させることが主な目的です。
これにより、学生は企業の業務内容や職場環境を具体的に理解することができます。
評価も行われますが、本選考とは異なり、主にフィードバックを通じて成長の機会を提供することが目的です。
企業は、インターンを通じて優秀な人材を見極め、将来的な採用につなげるための貴重な機会としています。
グループワークの種類とテーマ
グループワークは「作業型グループワーク」「プレゼン型グループワーク」「ゲーム型グループワーク」の3つに大きく分けられます。
それぞれのタイプに応じた評価ポイントや進め方を理解することが重要です。
作業型グループワーク
作業タイプのグループワークでは、メンバーと協力して作業をおこない、成果物を完成させます。
プラン形成型と実物作成型の2つに分けられます。
プラン形成型
プラン形成型では、企業の製品やサービスをPRするプランを作成します。
役割分担が重要で、アウトプットイメージを一致させることが求められます。
具体的なテーマとしては、「新商品のチラシを制作する」などがあります。
実物作成型
実物作成型では、目に見える形で成果物を作成します。
例としては、「A4用紙を使ってタワーを作成する」などがあります。
最初にすり合わせた目標が失敗する場合もあるため、柔軟な対応が求められます。
プレゼン型グループワーク
プレゼンタイプのグループワークでは、与えられた課題に対して解決策を議論し、プレゼンテーション形式で発表します。
課題解決型、ディベート型、自由討論型、ビジネスケース型の4つに分けられます。
課題解決型
課題解決型では、企業から出された課題を議論し、結論を導き出します。
例としては、「残業時間を減らす方法」などがあります。
議論をスムーズに進めるために、役割分担と課題の原因を明確にすることが重要です。
ディベート型
ディベート型では、複数の選択肢から一つの結論を出すために討論を行います。
例としては、「電子書籍と紙の本のどちらが良いか」などがあります。
自分の意見を論理的に説明し、相手の意見を理解することが求められます。
自由討論型
自由討論型では、比較的抽象的なテーマについて議論します。
例としては、「良い会社とはどんな会社か」などがあります。
先に判断基準を作り、議論の方向性を明確にすることが重要です。
ビジネスケース型
ビジネスケース型では、実際のビジネス課題を議論します。
例としては、「新規事業を立ち上げる方法」などがあります。
事前に企業や業界の研究を行い、具体的な提案を行うことが求められます。
ゲーム型グループワーク
ゲームタイプのグループワークでは、ゲーム性の高い課題に取り組みます。
例としては、「ペーパータワー」や「レゴブロックゲーム」などがあります。
チームワークとコミュニケーション能力が評価されます。
グループワークの進め方
グループワークを成功させるためには、進め方が重要です。
役割分担、議論の方向性のすり合わせ、意見の出し合い、意見のまとめ方など、基本的なステップを押さえて進めましょう。
Step1.役割分担
グループワークでは、効率的に議論を進めるために役割分担が重要です。
各メンバーの得意分野を考慮し、ファシリテーター、タイムキーパー、書記などの役割を決めます。
立候補形式で決めるのが一般的ですが、全員が同じ役割を希望する場合は話し合いで決定します。
役割が決まれば、それぞれの役割を果たしつつ、議論に積極的に参加することが求められます。
Step2.方向性をすり合わせ
お題に対する議論を始める前に、言葉の定義や前提条件をメンバー間で統一することが重要です。
5W1H（いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように）に沿って議論の方向性を明確にし、共通認識を持つことでスムーズな議論が可能になります。
これにより、議論の途中での齟齬を防ぎ、一貫性のある意見交換ができます。
Step3.話し合い
議論の方向性が決まったら、メンバー全員が意見を出し合います。
初期段階では制限を設けずに多様な意見を集め、視野を広げることが重要です。
全員が発言できるようにするため、積極的に話を振るなどの工夫も必要です。
これにより、チーム全体での創造的なアイデアが生まれやすくなります。
Step4.意見をまとめる
意見を出し合った後は、それらを整理し、まとめる作業に入ります。
出した意見を検証し、前提条件に合致したものを選びます。
多数決ではなく、合意形成を図りながら意見をまとめることで、全員が納得する結論を導き出すようにしましょう。
意見をまとめるということも重要な評価ポイントになります。
十分な時間をとり、雑にならないようにしましょう。
グループワークの役割
グループワークにはさまざまな役割があります。
それぞれの役割に応じた立ち回り方が重要です。
理解して、その役割がきた際に対応できるようにしておきましょう。
ファシリテーター
タイムキーパー
書記
ファシリテーター
ファシリテーターは、議論の進行役として、メンバー全員が発言しやすい場を作ります。
また、論点を明確にし、議論の合意形成を図る役割も担います。
ファシリテーターの評価は高いイメージがありますが、全体のバランスを取るために中立的な立場で議論を進めることが求められます。
タイムキーパー
タイムキーパーは、グループワークの時間管理をおこないます。
制限時間内で効率的に議論を進めるために、時間配分を計画し、進行状況に応じて調整します。
タイムキーパーは全体の進行を左右する重要な役割です。
書記
書記は、議論の要点をテキストでまとめ、メンバー間の認識のズレをなくします。
議論が早いスピードで進むため、箇条書きで記載し、聞き取れなかった部分は遠慮なく質問し書き留める必要があります。
書記のメモは、最終的なアウトプットの資料となるため、要点をしっかりと捉えた内容で書き残すことが重要になります。
役割なし（フォロワー）
役割がない場合でも、積極的に議論に参加し、役割のあるメンバーをサポートします。
役割がないからといって傍観者になるのではなく、意見を出し合い、議論に貢献する姿勢が求められます。
グループワークで差をつけるポイント
グループワークに臨む際には、適切な心構えが重要です。
結果だけでなく過程を大事にし、チームの一員としての意識を持ち、相手に配慮したコミュニケーションを心掛けることが求められます。
1.成果と過程の2点を大事にする
グループワークでは、成果とその過程の2点が評価されます。
成果はもちろん評価対象になりますが、メンバー全員が積極的に参加し、協力し合う姿勢の過程も重要です。
議論の進め方や役割分担の方法、意見のまとめ方など、全てのプロセスが評価対象となります。
結果だけを追求するのではなく、過程を重視し、各メンバーがどのように貢献しているかを意識し、気を配ることで良い評価を得ることができるでしょう。
自身の活躍だけでなく相手を気遣うことも重要になります。
・コミュニケーション能力
・リーダーシップ
・積極性
2.チームの雰囲気づくりをおこなう
グループワークでは、メンバー間の良好な関係が重要です。
初対面のメンバーとでも迅速に信頼関係を築き、協力的な雰囲気を作ることが求められます。
アイスブレイクや簡単な自己紹介を通じて、緊張をほぐし、リラックスした状態で議論を進めることが効果的です。
メンバー全員が発言しやすい環境を作り、互いに意見を尊重し合うことで、チームの一体感が生まれ、より良い成果が期待できます。
3.集団でのかかわり方を意識する
グループワークでは、限られた時間内で効率的に議論を進める必要がありますが、相手への配慮も忘れてはいけません。
結論を先に述べ、その理由や具体例を説明する「結論ファースト」の話し方が効果的です。
また、感情的にならず、冷静に議論を進めることも重要です。
意見の対立があった場合でも、相手の立場を理解し、建設的な議論を心掛けることで、チーム全体の成果に繋がります。
まとめ
グループワークは、評価されるポイントを押さえて準備することが重要です。
役割分担や進め方、心構えを理解し、事前準備を徹底することで攻略できます。
成功のためのポイントを押さえ、積極的に参加しましょう。
