はじめに
就職活動において、企業側はさまざまな側面からその就活生が採用するに足る人材なのかを判断しています。
とくに採用担当者と直接対面することになる面接では、質問への回答や自己PR以外の部分が印象を左右するケースも少なくありません。
そのため、就職活動を成功させて内定を得るためには、あらゆる面で万全の準備をして選考に臨むことが大切です。
今回は面接時の服装に着目し、暗黙のマナーや適切な着こなし、状況別の服装やチェック事項などを解説します。
面接時の服装に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
【面接時の服装】面接官が服装から何を見ているのか
面接時の適切な服装について解説する前に、まずは面接官が服装から何を見ているのかを確認しておきましょう。
企業側の視点を把握できていれば、服装を選ぶ際にどのような点に注意すれば良いのかが実感を持って理解できるようになります。
今回ピックアップする2つの視点は、就職活動の面接時だけでなく社会人になってからも重要なポイントです。
単なる就職活動への対策としてセオリーを真似るだけでなく、自分自身の振る舞いとしてしっかり身に着けておくと内定を得てからも役に立つでしょう。
社会人としてのマナーができているのか
ビジネスにおいて、TPOに合った服装で臨むことは重要なマナーの1つです。
不適切な服装で商談や交渉に出向いた場合は、ビジネスの話を聞いてすらもらえない可能性もあるでしょう。
マナー違反の影響は個人の範囲に留まらず、企業全体や扱っている商品に対して悪印象を持たれてしまうケースも少なくありません。
そのため採用担当者は、面接時の服装からその就活生が社会人としてのマナーを備えているかを見ています。
社会人としてのマナーには実際に働かないと身につきにくいものもありますが、服装に関するルールは比較的単純です。
しっかり企業研究や情報収集をしていれば、的外れな着こなしになるケースは少ないでしょう。
つまり、調べればわかることをきちんと調べて実行しているか、真剣に面接に臨んでいるかも見られています。
一緒に働きたいと思えるかどうか
採用担当者が面接の服装から見ようとしているもう1つのポイントは、一緒に働きたいと思えるかどうかです。
社会人は基本的に複数人でチームを組んで仕事をすることになるので、一緒に働きたくない人材の採用は能力が優秀だったとしても企業に悪い影響を与える可能性があります。
ただし、どんな人と一緒に働きたいと考えるかは個人によっても差があります。
今回はそのなかでも多くの人に共通するポイントとして、「清潔感がある」「落ち着きがある」の2つをピックアップして解説します。
清潔感がある
「清潔感」はやや漠然とした言葉ですが、人の第一印象を決める重要な要素の1つです。
別の言葉で表現するならば「清潔なように見えるかどうか」と言い換えても良いでしょう。
身につけている衣服そのものに問題がなかったとしても、着こなしに清潔感が感じられなければ、採用担当者に良い印象を持ってもらうことは困難です。
不潔な印象を感じる相手と、一緒に働きたいと思う人は少ないでしょう。
清潔感を感じさせるためには、みだしなみをきっちり整え、だらしない部分をなくすことが大切です。
具体的には、シャツはシワがない状態にする、ズボンにはしっかりとプレスする、袖口や襟をきれいに保つ、といった点を意識すると良いでしょう。
靴や鞄の状態にも気を配り、なるべく清潔感を感じさせられる状態で面接に臨みましょう。
落ち着きがある
落ち着きがあることも、社会人として一緒に働きたいと思ってもらうためには重要なポイントの1つです。
これは、硬い場面でそれにふさわしいフォーマルな振る舞い、着こなしができることと言い換えても良いでしょう。
もちろん社会人であっても、ときには情熱的な行動やカジュアルな雰囲気が求められる場合もあります。
ただしそれは、必要な場面でフォーマルな振る舞いができることが大前提であり、そのうえで幅を出すことが求められているのです。
面接の場にフォーマルな服装と着こなしで臨むことにより、しっかり落ち着きのあるふるまいが可能だと証明できます。
また、社会人として必要なマナーを理解していること、それを実行する判断力があることも証明できるでしょう。
また、立ち居振る舞いでも落ち着きを意識すると、より良い印象を与えられます。
【面接時の服装】服装の着こなし
次は面接時に着ていくべき具体的な服装について、男性と女性にわけてご紹介します。
業界や業種によって適切な服装は異なりますが、面接の際は普段の就業時よりフォーマルな服装が求められるのが一般的です。
そのため、今回ご紹介する着こなしを意識しておけば、企業の求める服装と大幅にずれることはないでしょう。
ただし、服飾系を始めとする就活生のセンスが重視される業界ではセオリーが異なる場合があります。
そういったケースでは、OB・OG訪問などを活用し、個別に情報を集めることが大切です。
男性
まずは、面接時の男性の服装について解説します。
男性は基本的に、シンプルかつ清潔感のある着こなしを意識すれば悪印象を与える心配はありません。
フォーマルな着こなしは社会人としても活用する機会が多いので、この機会にしっかり身に着けておきましょう。
スーツ
就職活動の面接では、特別な指定がない限りリクルートスーツを着用するようにしましょう。
スーツを選ぶ際は派手な色や柄物を避けて、黒系統のものを選んでおけば基本的には問題ありません。
ジャケットを着用する際は、一番上のボタンだけを閉めて他のボタンを開けておきましょう。
ポケットには、ハンカチ以外の物を入れないようにするのがマナーです。
ほかの物がある場合は、面接前にカバンにしまっておくと良いでしょう。
シャツ
シャツは想像以上に目立ちやすい衣服なので、上にジャケットを着る場合でも手を抜かずにしっかり気を配ることが大切です。
襟や袖が汚れていないかしっかり確認し、アイロンを掛けてシワのない状態で着用しましょう。
色や形状にはさまざまな種類がありますが、面接の際は柄物を避け、無地の白Tシャツを着用することをおすすめします。
襟のタイプはレギュラーカラーのものを選んでおけば、基本的には問題ありません。
ネクタイ
面接では、基本的にネクタイの着用が必須です。
素材はシルク素材が一般的ですが、色や柄に関しては明確なセオリーはありません。
ただし、冠婚葬祭で使われるイメージが強い白や黒のものは避けることをおすすめします。
また、派手な柄や色はマイナスの印象を与える可能性があるため、こちらも避けたほうが良いでしょう。
無難なところでは、色は青や紺、柄は無地やチェック、小紋などを選ぶのがおすすめです。
ベルト
普段の生活ではあまり注目されないベルトですが、面接の際はしっかり採用担当者にチェックされています。
目立たないからといっておざなりにせずに、しっかり適切なものを着用しましょう。
もちろん、ベルト無しで面接に臨むのは論外です。
面接で着用する場合は、黒色の革製品のベルトが適しています。
茶色などの明るい色はフォーマルな場には不向きなので、避けるようにしましょう。
靴
靴も就活生の印象を左右する重要なポイントであり、面接では入念にチェックされています。
靴にもさまざまな種類がありますが、面接の際は紐付きの革靴を選んでおけば間違いありません。
靴の色はベルトと合わせるのが一般的なので、前述の解説に合わせて黒色を選んでおけば良いでしょう。
靴が汚れていると清潔感がないとみなされてしまうので、しっかり手入れしておくことも大切です。
髪型
正確には服装ではありませんが、面接に望む際には髪型にも気を配りましょう。
男性の場合は、短髪でスッキリした印象を与える髪型が好ましいとされています。
男性の長髪は清潔感がない印象を与える可能性があるので、基本的には避けたほうが無難です。
面接の際は髪をしっかりセットしておくとフォーマルな印象を与えられるので、普段髪をセットしない方もあらかじめ練習しておくと良いでしょう。
腕時計
近年はスマートフォンで時間を確認することも多いので、普段腕時計をつけていない方もいるでしょう。
ただし年配者のなかにはスマートフォンなどのガジェットにあまり良い印象を持っていない方もいるので、社会人としてのマナーを示す意味でも面接の際は腕時計を着用することをおすすめします。
腕時計を選ぶ際は、一目でブランド物だとわかるようなものは避けましょう。
ベルト部分はシルバーか、黒の革製ものが無難です。
カバン
面接の際は資料を渡されることもあるので、特に指定がなくてもビジネスマナーとしてカバンは忘れずに持って行くようにしましょう。
実際の社会人はリュックなどを使う場合もありますが、面接ではA4サイズの書類が入る手持ち型のビジネスバッグを使うことをおすすめします。
色は黒やネイビー、ブラウンといった落ち着いたものを選び、派手な色や柄のものは避けるようにしましょう。
アクセサリ―
面接では、アクセサリーを付けないことが一般的です。
日常的にアクセサリーを身につける習慣がない男性であれば、面接だからといって特別に意識する必要はありません。
一方、普段ピアスやイヤリングを付けている場合は、悪印象を与える可能性があるので面接の際は忘れずに外しておくようにしましょう。
ピアスを外した穴はそれほど目立たないので、基本的に隠す必要はありません。
女性
女性の服装も、面接の際は男性と同様にシンプルと清潔感が重視されます。
ただし女性の服装は男性の服装に比べると同じフォーマルカテゴリでもやや幅が広めなので、迷ってしまう方もいるかも知れません。
以下のポイントを意識しつつ、自身に合う服装や、志望する職種に合う服装を選択すると良いでしょう。
スーツ
スーツ選びのポイントは、男性と女性に大きな違いはありません。
派手な色や柄物は避け、黒系の落ち着いたイメージのリクルートスーツを着用しましょう。
一方、男性と異なるポイントとして、女性はパンツタイプとスカートタイプの2種類から選択が可能です。
どちらかを選んだからといって採用担当者に悪印象を与えることはないので、自分に合うものを選択すると良いでしょう。
シャツ・インナー
女性が面接に臨む場合、シャツやインナーは白や淡いパステルカラーで透け感があまりないものを選択するのが一般的です。
形状に関しては、第一ボタンを外した際に胸元が開きすぎないものを選ぶと良いでしょう。
カットソーを着用する際は、ある程度厚みのある生地のものを選ぶことによって、カジュアルなTシャツのように見えてしまう事態が防げます。
男性の場合と同様に、汚れやシワに注意することも大切です。
タイツ・ストッキング
タイツやストッキングを着用する場合、色は自分の肌の色に合うものを選ぶようにしましょう。
近年は、秋冬の寒い時期に黒タイツの着用を認める企業も増えてきましたが、面接の際は暗い印象を与えてしまう可能性があるので、黒タイツの着用は避けることをおすすめします。
できる限り伝線しにくい耐久性の高い加工のものを選び、万が一のトラブルに備えて予備も持っていくと良いでしょう。
靴
靴に関する注意事項も、基本的には男性と同じです。
色は落ち着いた印象を与える黒系統、デザインはシンプルなものを選びましょう。
素材に関しては、カジュアルに見えてしまうエナメルを避けるのが一般的です。
ヒールの高さは3~5cmが適切といわれており、少し太いものを選ぶと歩き回ることの多い就活において安定性が高まります。
男性の場合と同様に、汚れにも注意しましょう。
メイク
面接の際のメイクは、派手すぎない自然な仕上がりに見えるナチュラルメイクが一般的です。
ベースを厚塗りしたり、派手な色のメイクを使ったりすると悪印象を与えてしまう可能性があるので注意しましょう。
リップはツヤ感の強いグロスを避け、ピンクやオレンジ系を使うことをおすすめします。
似合うメイクには個人差があり、すぐには技術が身につかない可能性もあるので、なるべく早い段階から練習しておくと良いでしょう。
髪型
女性の場合、髪が長いからといって面接で清潔感がないとみなされることはありません。
ただし、まとまりがなかったりボサボサな状態だとイメージが良くないので、ある程度の長さがある場合は1つにまとめておくと良いでしょう。
また、表情が見える髪型を意識することも大切です。
表情が隠れると暗い印象になってしまうので、前髪が長い場合は横に流してピンで留めることをおすすめします。
腕時計
腕時計に関する注意事項は、基本的に男性の場合と同様です。
一目でブランドものだとわかる時計や、派手すぎるデザインの時計は避け、ベルトは金属か革製のものを選ぶと良いでしょう。
なお、必須ではありませんが、とくにこだわりがない場合はアナログ時計を使うことをおすすめします。
デジタル時計はややカジュアルな印象があり、アラーム等が誤作動する可能性もゼロではないためです。
カバン
カバンに関する注意事項は、基本的に男性の場合と同様です。
黒や茶色、ネイビーの手提げタイプのビジネスバッグを持っていきましょう。
女性はメイク道具などで荷物が多くなりがちなので、バッグの形が崩れたり、必要なものがすぐに取り出せなくなったりしないように注意が必要です。
大きすぎるバッグも面接には不適切なので、サイズ感にも気を配るようにしましょう。
アクセサリー
IT業界や広告業界では私服で仕事をするケースが多く、アクセサリーの着用も問題ないとされています。
しかし、そういった比較的カジュアルな業界を目指す場合でも、面接時にはアクセサリーはつけないほうが良いでしょう。
実際の反応は企業によって異なりますが、良い印象を与える場合より、悪い印象を与えてしまう可能性のほうが高めです。
ふだんピアスやイヤリングを付けている方は、忘れずに外しておきましょう。
香水
香水もアクセサリーと同様に、面接の際は付けないようにしましょう。
また、においは印象に対する影響が大きいので、香水以外についても気を配ることが大切です。
具体的には、スタイリング剤や柔軟剤の香りについても、あまりにおい過ぎないように注意したほうが良いでしょう。
自分自身のにおいは感覚が麻痺して気付けないことも多いので、不安な場合は家族や友人などの意見を聞くことをおすすめします。
【面接時の服装】季節ごとの服装のポイント
次は、面接の季節に合わせた服装選びのポイントについて解説します。
基本的には先述した着こなしのセオリーを遵守すれば問題はありませんが、真夏や真冬の時期の面接はジャケットを煩わしく感じたり、防寒着の着用が必要になったりするケースもあるでしょう。
そのため今回は、夏の面接時と冬の面接時について服装のポイントを解説します。
ただし、季節ごとの着こなしに求めるポイントは企業ごとに異なる場合もあります。
可能であればしっかり企業分析をおこない、どのような服装が求められているのか調べておいたほうが良いでしょう。
夏の面接時
夏に面接を受ける場合、注意しなければいけないのは暑さの問題です。
汗をダラダラかいた状態や、髪が乱れた状態で面接に臨むと、採用担当者に悪い印象を与えてしまいます。
ただし、涼しさを重視した服装はどうしてもカジュアルなイメージを与え、だらしなく見えてしまう場合もあるので、あまり面接にはふさわしくありません。
そのため、服装に関してはある程度我慢する必要があるでしょう。
したがって服装で調整するのではなく、早めに会場近くに到着し、涼しい環境で身なりを整えるといった対策が重要です。
クールビズの指定がある時は?
近年は夏の時期に面接をおこなう際、クールビズの服装を指定する企業が増えています。
もちろん指定があればそれに従うべきですが、困ったことにクールビズの定義や意図している具体的な服装は企業によって異なるのが現状です。
適切な服装を選ぶためには企業分析をしっかりおこない、実際にどのようなクールビズがおこなわれているかを把握する必要があるでしょう。
クールビズでまずイメージされるのはノーネクタイ、ノージャケットのスタイルです。
あえて面接時の服装としてクールビズを指定している場合、ジャケットやネクタイは不要だとみなされているケースが多いでしょう。
半袖のシャツやスニーカーがOKかどうかは、企業分析が必要になります。
ポロシャツやアロハシャツなどカジュアルすぎる服装はクールビズでもNGです。
ジャケットは着たほうがいいの?
とくにクールビズの指定がない場合は、夏であっても基本的にフォーマルな着こなしが求められます。
企業によっては暗黙の了解として夏場はジャケットの着用を不要だとみなしている場合もありますが、面接の際はジャケット着用は必須だと考えたほうが良いでしょう。
ただし、あくまでこれは面接に臨むタイミングに限定した話です。
真夏の高温のなかで面接会場に到着するまでの道のりでも無理にジャケットを着ていると、汗をかくだけでなく熱中症などで体調を崩してしまう可能性があります。
そのため、外を歩き回る際は基本的にジャケットを脱いで持ち歩くようにしましょう。
面接はジャケット着用で臨むことになるので、移動中に汗で汚れてしまったり、折り目をつけてしまったりしないように注意が必要です。
冬の面接時
冬に面接をおこなう場合、重要になるのは寒さ対策としての防寒具の取り扱いです。
フォーマルな服装はある程度温かさが保たれるので、地域や天候によってはそのままの服装で問題ない場合もあるでしょう。
ただし、雪が降るような寒い環境では、防寒具を着ないと風邪をひく可能性もあります。
単調を崩してしまっては元も子もないので、寒いと感じた場合は無理せず暖かくして面接に臨みましょう。
フォーマルな防寒具は社会人になっても使えるので、持っていない場合はこの機会に購入しても良いかもしれません。
コートは着たほうがいいの?
冬に面接を受ける場合、スーツの上にコートなどの防寒具を着ていくことは問題ありません。
ただし、面接を受ける際はコートを着たままではいけないので、会場についた時点で脱ぐようにすると良いでしょう。
面接が始まる前に脱いでしまうので、防寒具は基本的に評価の対象として扱われませんが、万全を期すのであればフォーマルなものを着ていくことをおすすめします。
ブラックやグレー、ブラウンといったシックな色合いのコートを着ていけば、基本的に悪い印象を与えることはありません。
一方で、派手な色合いのコートや、カジュアルな印象を与えるダウンジャケットなどは避けたほうが良い場合もあるでしょう。
また、防寒具が不要だと感じるのであれば、冬の面接でも無理にコートを着ていく必要はありません。
カーディガンは着ていい?
カーディガンは、寒い冬の時期に体の冷えを防止するのに役立つ服装の1つです。
冬の面接時は会場に着くまで体が冷えてしまうこともあるので、カーディガンを着て行ったほうが良いかと考える方もいるでしょう。
しかし、カーディガンはどうしてもカジュアルな印象を与えてしまうので、面接の場にはふさわしくありません。
もし着ていった場合は、面接が始まる前に脱いでおくことをおすすめします。
脱いだカーディガンで荷物がかさばってしまう可能性もあるので、基本的にはカーディガンは着用せず、コートなどの防寒具やインナーで体温調節をするようにしたほうが良いでしょう。
当日になって急に気温が暖かくなったり寒くなったりする可能性もあるので、何パターンか着こなしのバリエーションを用意しておくことをおすすめします。
【面接時の服装】状況別の服装
ここまで解説してきたように、面接ではフォーマルな服装が基本です。
ただし企業によっては、「私服」「服装自由」といったように面接の際の服装が指定される場合があります。
そういったケースでは、前述した標準的なセオリーに従うのではなく、状況に合わせた着こなしが必要です。
今回は、面接時によく見られる4つの状況をピックアップし、それぞれに適した服装の着こなしをご紹介します。
服装の指定に悩んだ際は、これらのパターンを意識して着こなしを選んでみてください。
「スーツでお越しください」の場合
「スーツでお越しください」と指定された場合は、今回解説したようなフォーマルな着こなしが求められています。
セオリーどおりの服装を着ていけばいいので、とくに悩む必要はありません。
カジュアルな服装や派手な色の服装は避け、落ち着いた印象を与えることを意識して着こなしを考えましょう。
仕事時の服装が多様化している現代でも面接時はスーツ着用を求められるケースが多いので、就職活動を始める際にはまずフォーマルなスーツや靴、カバンなどを一通り揃えておくと良いでしょう。
「私服でお越しください」の場合
「私服でお越しください」と言われた場合は、スーツではなく私服での参加が求められています。
スーツを着用していくと指定を守っていないと判断されてしまうので、きちんと「私服用」の服装も準備しておきましょう。
ただし、普段日常的に着ているようなカジュアルな私服をそのまま着ていくのはおすすめしません。
面接はあくまでフォーマルな場なので、オフィスカジュアルを意識した服装を着て行くようにしましょう。
スーツを指定された場合より服装にセンスが出るので、早めに服選びを始めることをおすすめします。
「服装自由」の場合
面接で指定された場合、就活生が一番困るのはこの「服装自由」ではないでしょうか。
ここまで解説してきた内容で察している方もいるかもしれませんが、自由だからといって何を着ていっても良いわけではありません。
回答を言ってしまうと、「服装自由」が指定された場合は、オフィスカジュアルの服装を着ていくことをおすすめします。
また、明確な指定がされているわけではないので、スーツで行っても基本的には問題ありません。
オフィスカジュアルに適した服装が手元にない場合は、フォーマルなスーツを選択するのが無難でしょう。
「指定なし」の場合
企業から服装の指定がなかった場合、あるいは「指定なし」と記載されていた場合は、面接はフォーマルな場であることを意識して服装を選ぶと良いでしょう。
つまり、今回解説したようなスーツやシャツ、靴、カバンといった着こなしで望めば、服装面では問題ありません。
あえて服装を指定しないことによって、企業は就活生が社会人としてのマナーを身に着けているかどうかを判断しようとしています。
しっかり下調べをしてスーツが適切だと把握できているのであれば、それを外す必要はありません。
【面接時の服装】服装のチェック
最後に、面接前に確認しておくべき服装のチェック事項について解説します。
どれだけ服装や身だしなみに気を使っていても、面接前には緊張してミスをしてしまったり、重要なことを忘れてしまったりするケースは少なくありません。
ミスをなくすためには、重要なポイントを1つ1つリストアップし、チェックする方法が有効です。
今回は、チェック事項を前日に確認する内容と当日に確認する内容の2つに分類しました。
落ち着いて面接に臨むためにも、これらのポイントを1つずつチェックし、万全な準備を整えましょう。
前日までのチェック事項
面接の前日までに確認しておくべきチェック事項は、主に服装の種類や状態に関するものです。
当日に気づいてもどうしようもないことも多いので、前日と言わずになるべく早い段階からチェックしておいたほうが良いでしょう。
具体的には、服にシワが付いていないか、汗ジミができていないか、靴は汚れていないかといった事項が挙げられます。
シワや汚れが見つかった場合は、面接に間に合うようにアイロンをかける、クリーニングに出すといった対策を実施しましょう。
また、服のサイズを確認しておくことも大切です。
久々に着るスーツやオフィスカジュアルの服装は、サイズが合わなくなっている場合もあります。
サイズの合わない服を着ると採用担当者の印象が悪くなってしまうので、必要であればサイズの合ったものを新しく購入しましょう。
当日のチェック事項
面接当日に確認するべきチェック事項には、すぐに対応が可能な身だしなみに関するものが主に該当します。
具体的には、髪の毛がしっかりまとまっているか、派手すぎない適切なメイクになっているか、ヒゲの剃り残しはないか、といったポイントを確認するようにしましょう。
すぐに対応するのが難しい服装などに関する事項は、前述のとおり前日までに確認しておくことをおすすめします。
また、今回はあまり触れませんでしたが、持ち物に関しても過不足がないようにしっかりチェックしておくことが大切です。
なお、確認自体は当日で間に合いますが、髪型の選択やナチュラルメイクの習得には時間がかかる場合もあります。
後回しにすると間に合わなくなる可能性もあるので、早めに準備を進めておきましょう。
まとめ
面接時の服装は、就活生の印象を左右する重要なポイントです。
どれだけ質問に対して良い回答ができた場合でも、服装がだらしなく第一印象が悪ければ、一緒に働きたい人材だとは思ってもらえない可能性が高いでしょう。
採用担当者に好まれる着こなしにはある程度のセオリーが揃っているので、一度身につけてしまえば企業によって細かく変える必要は基本的にありません。
さらにOB・OG訪問などを活用して情報を集めれば、より理想的な着こなしに近づけるでしょう。
適切な服装で面接に臨み、ぜひ志望企業から内定を勝ち取ってください。