・人間関係の良さは志望動機で使えるか
・人間関係の良さを志望動機で使わない方が良い理由
・志望動機作成のポイント
・企業の人間関係の良さに惹かれた人
・志望動機をこれから作る人
・例文を見て参考にしたい人
はじめに
企業の説明会などに参加した結果、人間関係が非常に良さそうで魅力を感じ、その企業に入りたいと考えた方も多いでしょう。
しかし、志望動機に人間関係の良さを盛り込むのは果たして魅力的なアピールとなるものなのでしょうか。
そこで今回は、志望動機に人間関係を盛り込む際のポイントや注意点などについて詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
【志望動機で人間関係の良さをアピール】企業内の人間関係の良さは志望動機に使える?
まず、企業内の人間関係の良さが志望動機に使えるかどうかについて考えてみる必要があります。
以下のポイントを踏まえた上で、自分が本当に志望動機に希望企業内の人間関係の良さを盛り込むのかについて考えてみてください。
企業には刺さりにくい
結論として、人間関係の良さを志望動機に盛り込んだところで企業に良い印象を与えられる可能性は非常に低いと言わざるを得ません。
次の見出しで紹介しますが、メリットよりもデメリットの方が大きいため、他に志望動機があるならばそちらを話しておく方が無難と言えるでしょう。
しかし、それ以外に何も魅力を感じない場合は、人間関係を志望動機にするのも選択肢の1つです。
ただし、人間関係以外に特に魅力を感じないということは、その企業はあなたに合っていない可能性も高いでしょう。
他に魅力を感じる企業がない場合以外は、他の企業を受けるのも選択肢の1つかもしれません。
【志望動機で人間関係の良さをアピール】人間関係の良さを志望動機で使わない方が良い理由
では、なぜ志望動機に人間関係の良さを用いない方が良いのでしょうか。
大きく分けて4つの理由があるため、理解した上で本当に自分が志望動機に人間関係の良さを用いるべきか、考えてみてください。
理由2: 入社後に何がやりたいのかわからない
理由3: 必ずしも自分の配属先がそうとは限らない
理由4: 辞めやすいと判断されやすい
理由1:企業の魅力と直結しない
人間関係の良さに魅力を感じていることを強調してしまうと、企業の本質的な魅力や強みとは直接的な関係がないため、説得力に欠けることが多いです。
企業の魅力は、事業内容や市場での地位、企業文化、成長機会など多岐にわたります。
面接官は応募者がこれらの企業の特性を理解した上で自分のキャリア目標と結びつけて志望していることを望んでいます。
社員の人柄の良さは企業の魅力の一部ではあるかもしれませんが、それだけでは企業を選ぶ理由として不十分です。
企業の特性を深く理解し、それに対する具体的な興味や貢献意欲を示すことが重要です。
したがって、志望動機は誰が見ても納得できるような、企業の事業戦略やビジョンに基づいたものにしましょう。
理由2:入社後に何がやりたいのかわからない
人間関係に惹かれたと説明する志望動機は、どのように貢献できるのか、どのようなことをしたいのかが伝わりにくいという欠点もあります。
企業は応募者が具体的にどのようなスキルや経験を活かし、どのように企業に貢献するつもりなのかを知りたいと考えています。
人間関係の良さを理由にすると、企業に対する具体的な貢献や将来のビジョンを持っていないと受け取られる可能性が高いのです。
志望動機には具体的な業務内容や企業の課題に対する理解、そしてそれにどう貢献できるかを示すことが求められます。
人間関係の良さを志望動機の主軸としてしまうと、具体的な行動や貢献方法を考えていないように思われてしまうのです。
理由3:必ずしも自分の配属先がそうとは限らない
いくらあなたがインターンや企業の説明会などで人柄の良い人々に囲まれていたとしても、いざ入社してみると配属先の人間関係が大して良くないこともあります。
企業は多様な人材が働く場所であり、部署やチームによって雰囲気が異なることもあります。
説明会やインターンなど、限られた時間で、限られた人々としか接していないにもかかわらず、人間関係に大きな期待を抱いて入社してしまうと裏切られることもあるのです。
このように、人間関係の良さを重視して企業選びをすると将来的にモチベーションが下がってしまう可能性もあるため、一度注意が必要です。
理由4:辞めやすいと判断されやすい
人間関係の良さを志望動機とする人は、入社後にその期待が裏切られた場合、すぐ辞めてしまうと判断される可能性が高いです。
企業は長期的に働いてくれる人材を求めているため、安易な理由で離職する可能性がある応募者は採用しない傾向にあります。
人間関係を重視するということは、1人でも「自分に合わない」と思う人がいた場合、仕事のモチベーションが下がってしまうと判断されやすいということです。
人間関係が良くなかった場合、すぐに辞めてしまう、またはすぐに転職してしまうのではないかと懸念を抱かれるでしょう。
志望動機は企業に対する深い理解と長期的なキャリアビジョンに基づいたものであるべきです。
【志望動機で人間関係の良さをアピール】どうしても人間関係の良さを志望動機で使いたい場合
ここまで志望動機に人間関係をあまり用いない方が良い理由について詳しく紹介しました。
結論として、他に志望動機を何か思いつけるならば、そちらを用いた方が無難ですし、人間関係をわざわざ志望動機の筆頭に持ってくる必要はありません。
しかし、どうしても人間関係の良さを志望動機で使いたいという人も多いでしょう。
そこでここからは、人間関係の良さを志望動機に使う場合に注意すべきポイントについて紹介します。
・魅力を感じた要素を具体的に言語化する
・惹かれた際の状況を明確に伝える
・他の要素も加える
人柄や人間関係の良さを志望動機に選んだ理由を深掘る
人柄や人間関係の良さを志望動機に選んだ理由は、必ず深掘りするようにしておきましょう。
自分が人間関係の良さを重視する理由を明確にすることが重要です。
例えば、過去の経験から「人間関係が業務の効率化や成果に大きな影響を与える」と実感したことがあるとしましょう。
具体的な経験を通じて自分がどのようにその価値を見出したのかを振り返り、言語化することが大切です。
これにより、単に「人柄が良いから」という抽象的な理由だけでなく、自分の経験に基づいた具体的な背景を持つ志望動機となります。
また、人間関係の良さが自分にとって重要である理由を整理することで、その価値観がどのように仕事や職場環境に影響を与えるか説明することも可能です。
自分の中で明確な理由があれば、志望動機も説得力を増し、採用担当者に対しても納得感のあるメッセージを伝えることができるのです。
魅力を感じた要素を具体的に言語化する
ただ一言「人間関係が良いと思ったから御社に入りたいと思っています」と曖昧な説明をするのではなく、どのような点に魅力を感じたのか具体的に言語化してみましょう。
「優しい」や「明るい」といった表現も一般的すぎて説得力に欠けるため、具体的にどのような点に魅力を感じたのか詳しく説明する必要があるのです。
例えば、面接やインターンシップで出会った社員の姿勢や態度に感銘を受けた具体的な事例を挙げることで、具体的なイメージを持ってもらえます。
どのような場面で、どのように人柄の良さを感じたかを明確に描写するようにしましょう。
例えば「チームで協力して困難を乗り越える姿を見て、自分もそのような職場で成長したいと感じた」などと話すと良い印象を与えられます。
具体的な説明を通じて、どのような価値観や人間関係を求めているのかを具体的に伝えることも可能です。
惹かれた際の状況を明確に伝える
人間関係の良さに惹かれた理由を志望動機にしたい場合は、その状況をより具体的に説明することが重要です。
「5W1H」に沿って惹かれた状況を整理し、採用担当者がその根拠をイメージできるように解像度を高めます。
例えば、インターンシップや職場見学で出会った社員がどのように仕事に取り組み、どのような姿勢で他の社員と接していたのかを具体的に描写してみましょう。
詳しく説明することで、より分かりやすい説明となります。
また、この具体性のある説明は単なる感情的な印象ではなく、しっかりとした根拠として通じ、志望動機として評価される可能性が高まります。
したがって、その経験を通じて自分がどのように価値を見出したのかについて詳しく説明するようにしましょう。
・When(いつ)
・Where(どこで)
・Who(誰が)
・What(何を)
・Why(なぜ)
・How(どのように)
他の要素も加える
人間関係を志望動機にすると言っても、それだけの説明ではやはり説得力がどうしても欠けてしまいます。
そこで、他の要素も加えるようにしましょう。
社員の人柄だけでなく、その背景にある企業文化やビジョン、事業戦略などについてもしっかりと理解していることを示すことが重要です。
例えば、企業のミッションに共感し、その実現に貢献したいという姿勢を示すことで、企業に対する理解と関心をアピールできます。
また、企業がどのように社会に貢献しているのか、どのような価値を提供しているのかを説明することで、視野が広く、深い理解を持っていることを示すことも可能です。
多面的なアプローチにより、採用担当者に対してバランスの取れた信頼性のある志望動機を提示しましょう。
【志望動機で人間関係の良さをアピール】志望動機で見られているポイント
志望動機を作成する上では、どのような点を見られているのかについても理解を深めておく必要があります。
相手の立場になって考えることができれば、求めている回答を用意でき、より良い印象を与えられる可能性が高まるからです。
ぜひ以下の4点を踏まえた上で志望動機を作成するようにしましょう。
志望度の高さ
志望動機において最も重要なポイントの1つは、応募者の志望度の高さです。
企業は応募者がどれほど熱意を持って選考に臨んでいるか見極めようとしています。
応募者がその企業に対してどれだけの関心を持ち、企業研究をどれほど深く行っているかによって判断されます。
企業のビジョンやミッション、事業内容、業界内でのポジションなどをしっかりと理解して、自分のキャリアビジョンや貢献意欲を語れるかどうかが重要です。
志望動機では企業の価値観や文化に共感し、自分がその企業でどのように成長してどのように貢献したいのか具体的に示すことが求められます。
このような姿勢は、内定後に辞退する可能性が低く、入社後も長期的に熱意を持って働く意欲を伝えられるものです。
応募者の人柄
志望動機は応募者の人柄を知るための重要な指針ともなります。
企業は応募者がどのような人柄で、どのような価値観を行動の源泉としているかを理解しようと考えています。
志望動機では過去の経験やエピソードを通じて、どのような場面でどのように行動したかを示すことが求められます。
例えば、どのような困難をどのように乗り越えたか、どのように協力したかなど、具体的な経験を通じて人柄を表現することが求められます。
また、どのような価値観を大切にしているか、どのような目標を持っているかを伝えることで、採用担当者は応募者の行動原理やモチベーションを理解しやすくなります。
人柄が企業の文化や価値観と一致するかどうかは採用決定において重要な要素であり、企業はこの点を慎重に評価しています。
企業との相性
志望動機は企業との相性を判断するための重要な要素とも言えます。
企業は自身の文化や価値観に適した人材を採用したいと考えており、応募者がその企業にどれだけフィットするかを見極めようとしています。
変化を積極的に取り入れる風土や、逆に伝統を重んじて安定を重視する風土など、企業の姿勢や価値観は様々です。
したがって、志望動機には応募者が企業の特徴や理念を正しく理解し、自分の価値観や働き方がどのように一致しているかを示すことが求められます。
企業の価値観や目指す方向性に共感し、それに基づいて自分のキャリアプランや貢献意欲を語ることで、企業との相性が高いことをアピールしましょう。
また、企業分析をしっかりと行い、業界内でのポジションや競合との差別化を理解していることも求められます。
仕事への再現性
志望動機では応募者が企業でどのように活躍できるか、仕事への再現性を示すことも重要です。
自分が持つ熱意や強み、価値観を通じて、どのように具体的に貢献できるのかを判断してもらえるように心がけましょう。
過去の経験や実績を元に、どのようなスキルや知識を活かして、具体的にどのように企業に貢献したいのかを示すことが重要です。
また、企業のビジョンやミッションに対してどのように自分の強みを活かして貢献できるか示すことで、長く働く意思があることも同時に示せます。
【志望動機で人間関係の良さをアピール】人間関係の良さをアピール志望動機のおすすめ構成
続いて、志望動機を作成する際のおすすめの構成についても紹介します。
以下の構成は、人間関係の良さをアピールする場合だけでなく、どのような能力や志望動機を話す際においても活用できるものであるため、ぜひ参考にしてみてください。
企業を志望する理由
志望動機においては、まずは結論から述べて、なぜその会社を選んだか、またなぜその職種を希望しているのかを簡潔に示すことが重要です。
あなたの興味や意欲を明確に伝えるようにしましょう。
また、結論について述べる際には、あなたの将来のビジョンやキャリアプランが会社のミッションやビジョンとどのように一致しているのかを含めると、より分かりやすくなります。
例えば、「貴社のインターンに参加し、社員同士で協力し合って取り組む姿勢に感銘を受けた」というように、あなた自身の目標と会社の方向性が調和していることを示すと、説得力が増します。
きっかけとなるエピソード
志望動機において最も重要な部分の1つであるエピソードはとにかく詳しく書くようにしましょう。
あなたが持つスキルや特性を具体的に示し、そしてなぜその企業に入りたいと思ったのかを具体的に説明するために非常に重要なポイントです。
あなたがどのような経験をして、そしてその経験からどのような能力を身につけたのか、またはどのようにしてその企業に入りたいと思ったのかについて詳しく説明しましょう。
つい主観的に文章を書いてしまいがちですが、相手はあなたのことをほとんど知らない人物であるということを忘れずに客観的な説明を心がけましょう。
入社後の貢献
入社後の活躍について述べることも重要です。
企業は活躍してくれる人物を求めています。
あなたがどのような経験をしてきたか、どのような能力を有しているのかについて説明できたら、最後はその能力を活かしてどのように活躍するのかを説明しましょう。
これにより、企業研究をしっかり行っていることと、即戦力として活躍できることの両方を伝えられるため、企業の採用担当者はあなたを採用したいと思う可能性が高まります。
結論
志望動機の最後の部分においては再び結論を述べることで、あなたの強い意志を示すことができます。
また、企業の人事はただでさえ忙しい上に、就活シーズンになると大量のESを読まなければならないため、あなたの志望動機が流し読みされてしまう可能性もあります。
しかし、そのような場合でも、最後に結論を述べることで少なくとも「あなたがなぜその企業に入りたいか」だけは伝わります。
文字数が足りない場合、長々と書く必要はありませんが、簡潔に再度結論を述べましょう。
【志望動機で人間関係の良さをアピール】人間関係の良さをアピールする志望動機の例文
続いて、人間関係の良さをアピールする際の志望動機の例文についても紹介します。
以下の2つの例文は本記事の内容の復習という意味でも非常に参考になるため、ぜひ参考にしてみてください。
「説明会で社員の人柄に惹かれた」
貴社を志望する理由は、説明会でお会いした社員の方々の人柄に強く惹かれたからです。
社員の方々が互いに支え合い、協力し合う社風についての説明が印象的で、チームワークの重要性を強く感じました。
私は大学時代、学園祭の運営委員として活動していましたが、人数が足りず、準備が前日まで終わりませんでした。
しかし、お互いを理解し、苦手なことをサポートし合うことで、間に合わせることができました。
この経験を通じて、人との関係を大切にし、信頼関係を築くことが成果を生む鍵であると学びました。
貴社はそのような環境が整っていると感じ、まさしく私の理想の環境であると考えています。
入社後はコミュニケーション能力を活かし、チーム全体の目標達成に貢献し、より良い成果を生み出すために努力いたします。
「企業内の人間関係の良さに惹かれた」
貴社を志望する理由は、企業内の人間関係の良さに強く惹かれたからです。
私は職場の人間関係が業務の成果に直結すると考えています。
アパレルのアルバイトでは、売上目標達成のためにチーム全員で協力し、お互いの強みを活かしながら作業を進め、全国の店舗で最大売上を達成できた月も多くありました。
この経験から、円滑なコミュニケーションが成果を最大化するために最も重要な要素であることを学びました。
社員一人ひとりが尊重されている、貴社のような企業で働くことが、私の成長に大きく貢献すると考えています。
入社後はチームの中で積極的にコミュニケーションを図り、個々のスキルを最大限に発揮できるような環境づくりに努めます。
【志望動機で人間関係の良さをアピール】志望動機が完成したら
志望動機が完成したら、そのまますぐに提出したいと考える人もいるかもしれませんが、その前に2つの対策を行うことをおすすめします。
以下の対策を行ってから提出することで、より質が高く、企業の採用担当者の目に留まる志望動機へと改善できます。
周りの人に読んでもらう
志望動機が完成したら、ぜひ一度周りの人に読んでもらうようにしましょう。
自分では気づくことのできなかった、文章の構成が飛躍している点や誤字脱字を指摘してもらえることも多いです。
また、他の人に読んでもらうことで、初対面の企業の採用担当者が理解できるような客観的な書き方ができているかについても判断できます。
家族や友人など、親しい人はもちろんのこと、就活を経験した先輩など、可能な限り多くの人に読んでもらうことで、誰が読んでも理解できる良い文章になっているかを確認できます。
就活エージェントを利用してみよう
家族や友人に読んでもらうのは有効な対策の1つではありますが、最も重要なのは就活のプロであるエージェントに添削してもらうことです。
様々な観点から志望動機を添削してくれるため、よりクオリティの高い志望動機を作成することが可能です。
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まとめ
今回は志望動機を人間関係にする際の注意点や、できれば他の志望動機にした方が良い理由、そして人間関係を志望動機にするならばどのように気をつけなければならないのかについて詳しく紹介しました。
結論として、人間関係を志望動機にするのは最善の対策とは言えません。
しかし、どうしても人間関係を志望動機にしたい方は、本記事で紹介した内容を踏まえた上で質の高い志望動機を作成し、第一志望への内定を目指してください。