はじめに
多くの企業は、内定者を集めて内定式を敢行していますが、何らかの事情により参加したくない方もいるでしょう。
この記事では、企業の内定式は欠席しても良いのか、もし欠席するならどのように連絡するべきなのかをご紹介します。
内定式への出席を悩んでいる方は、ぜひ読んでみてください。
内定式は欠席しても良い?
内定式に出席したくない場合、気軽に欠席しても良いものなのでしょうか。
基本的に、内定式の欠席は極力控えるべきです。
内定式は入社に関するさまざまな説明が行われる場であり、同期になるはずの就活生たちと交流できる場でもあります。
入社前に企業の方や同期と交流できる場は貴重であるため、人脈作りのためにもなるべく参加するのが望ましいです。
ただし、身内の冠婚葬祭や学業に関する行事など、どうしても休めない用事がある場合は、欠席しても構いません。
内定式の欠席を考える理由
就活生が内定式に参加したくないと感じる理由とは、どのようなものなのでしょうか。
多くの場合、内定を獲得した企業への不満や入社への不安などが原因で、内定式への参加や内定の受諾自体を迷います。
また、内定式のためにスケジュールを調整するのが難しい場合もあり、誰しもが参加しやすい環境にあるとは限りません。
そういった理由がなくても、時間の無駄だと感じる場合は、参加したくないと感じる方が多いです。
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
他企業への入社を検討している
内定式への出席を迷うのは、ほかの企業への入社を検討しているからという就活生が多いです。
すでにほかの企業からも内定をもらっている場合、どちらに入社するかを決めかねており、優先度が低い企業の内定式を欠席する場合があります。
内定を辞退して就活を続けることを考えている場合も、式への出席を迷う場合が多いです。
しかしながら、内定式は企業の社員や同期らと交流し、その企業の実情を知ることができる機会でもあります。
内定を受諾するか迷っているのであれば、むしろ積極的に参加して、情報を集めにいくのがおすすめです。
同期と仲良くなれるか不安
同期と仲良くなれるか不安を感じていると、内定式への出席も嫌だと感じる場合が多いです。
内定式は、一緒に入社して働くことになる同期と、初めて顔を合わせる場でもあります。
現時点で人間関係の構築に不安を感じている場合、うまく馴染めるかどうかを心配して、欠席を検討することがあるのです。
しかし、内定式を欠席して、ほかの同期と顔を合わせるのが遅れると、人間関係の構築も遅れる可能性があります。
入社時点で、すでにある程度の関係性ができあがっているところに入っていかなければならなくなるため、なるべく早めに顔見知りを作っておくほうが良いでしょう。
内定ブルーに陥っている
内定ブルーになっている場合、内定式への出席も迷う場合があります。
トントン拍子に人生の大切な局面の話が進んでいくことにより、このままで良いのかと一時的に不安になる方も多いです。
企業から内定をもらったことでかえって不安が大きくなり「本当にこの企業でいいのか」と迷ってしまう内定ブルーに陥り、内定式への出席を避けたくなることがあります。
実際に内定式に出て、さまざまな方と交流する内に不安を払拭できる可能性があるため、そのような状況だからこそ内定式に参加したほうが良いでしょう。
内定ブルーについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
他の重要な予定と重なっている
内定式の日時がほかの重要な予定と重なっている場合、欠席を検討する方が多いです。
たとえば、研究の発表などの学業やほかの企業の選考、冠婚葬祭や家族行事など重要な予定と内定式が重なり、出席が難しいと判断するケースが挙げられます。
このような行事と内定式が被っている場合は、企業側に連絡して相談すれば、欠席できる場合がほとんどです。
ただし、内定式では入社に関する重要な説明が行われる場合が多いため、別の日時に都合をつけて、説明を聞きに来るよう言われることもあります。
遠方にいて参加が困難
内定式の会場から遠方にいる場合、欠席を考える方が多いです。
住んでいる場所が遠いだけであれば、その日に合わせて、内定式の会場近くに宿泊するなどの形で都合をつけられるでしょう。
一方で、海外への留学中や部活で地方の大会に出場中といったように、どうしても帰れない遠方での用事がある場合は、欠席しても構いません。
企業には内定式の頃に予定があること、遠方にいて物理的に参加が難しいことをしっかり伝える必要があります。
ただめんどくさい
のっぴきならない事情はないものの、ただめんどくさいという理由で、内定式を欠席したいと考える方も少なくありません。
内定式が形式的で無駄なイベントだと感じられる場合、遠方からの移動や準備にわざわざ時間や労力を割くことを億劫に感じ、参加を避けたいと考えることがあります。
しかし、このような理由での欠席は、できる限り避けるべきです。
内定式は、社員の方や同期との顔合わせであり、入社に関する重要な説明を受ける可能性がある行事なので、無駄なものではありません。
できる限り都合をつけ、参加できるようにするのが望ましいです。
内定式の欠席を控えるべき理由
内定式には参加したほうが良いとはいいますが、欠席を控えるべきとされる理由は何なのでしょうか。
理由に納得がいかないのに、無理矢理参加はしたくないと考えている方も多いでしょう。
内定式に参加したほうが良いのは、同期や企業の社員の方との関係構築の機会であるためです。
いくつかある理由について、詳しく見ていきましょう。
同期の仲良くなれる機会を失う
内定式に参加したほうが良いのは、同期と仲良くなるための機会だからです。
内定式は、一緒に入社する予定の同期と顔を合わせる最初の機会でもあります。
そのため、ここで自己紹介を済ませて人間関係を築くことで、入社後のチームワークがスムーズになるのです。
内定式に参加した後で内定を辞退する方もいるため、出席者全員が入社の時点で残っているわけではありません。
しかし、誰とも顔を合わせていない状態よりも、スムーズに社会人生活を始められます。
多くの就活生は、内定式で人間関係を構築することを目的としているため、この時点である程度のまとまりや関係性が生まれる場合が多いです。
そのため、内定式に参加せず入社すると、初手で孤立する可能性が高まります。
企業側に不信感を抱かせてしまう
よほど納得のいく事情でない限り、内定式に欠席すると、企業側から「本当に入社する意思があるのか」と疑われる原因になります。
また、業務に対する責任感に欠ける印象を与えてしまう可能性があるため、欠席は推奨されません。
内定式に不参加だったからといって、ただちに内定を取り消されるわけではないものの、企業側から不信感をもたれる可能性があることは留意しておきましょう。
多くの企業では、内定式に参加できない事情がある就活生に対し、別日を設けて入社に関する説明を行っています。
そういった予備の説明を何度も欠席したり、入社までに必要な課題をすっぽかしたりすると、内定を取り消される可能性が高いです。
もし内定式に参加できなかったとしても、その後の説明などにはしっかり参加するようにしましょう。
入社後の重要な情報を得られない
内定式の欠席が望ましくないのは、入社に関する重要な情報を得られなくなる可能性があるためです。
企業の内定式は、社員の方や同期と交流するためだけの行事ではありません。
内定式では、入社に関する具体的な情報やスケジュール、企業の方針が説明されることが多いです。
そのため、内定式を欠席すると、これらの重要な情報を直接聞けなくなります。
どのようなスケジュールで準備をするべきなのかが分かっていないと、入社準備に遅れが生じる可能性があるのです。
入社前にさまざまな書類を作成する必要があったり、課題を課されたりする場合があるため、情報を得られる機会を逃すのは得策ではありません。
内定式を欠席せざるを得ない場合は、別日に説明を受けたり、必要な資料を郵送してもらったりするようにしましょう。
【理由別】内定式を欠席する際の例文
続いて、内定式を欠席せざるを得ない場合に、どう断ったら良いかの例文をご紹介します。
メールで内定式の欠席を伝える場合は、どうして欠席するのかを簡潔に伝え、謝罪の意を述べる必要があります。
また、自分の氏名や連絡先についても明記しなければなりません。
欠席時の例文について、欠席の理由別に見ていきましょう。
①他の予定と重なっている場合
○○株式会社 採用ご担当者様
お世話になっております。
〇〇大学4年の〇〇と申します。
この度は内定式のご案内をいただき、誠にありがとうございます。
大変恐縮ですが、○月○日にどうしても外せない予定があり、内定式に参加することが難しい状況です。
内定式に参加できず申し訳ございませんが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
今後の案内にはしっかり対応していく所存ですので、引き続きよろしくお願いいたします。
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氏名
大学・学部・学科・学年
電話番号
メールアドレス
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②体調不良の場合
○○株式会社 採用ご担当者様
お世話になっております。
〇〇大学4年の〇〇と申します。
この度は内定式にご招待いただき、誠にありがとうございます。
しかし、体調不良のため、医師からの指示もあり、内定式を欠席させていただきたく存じます。
ご迷惑をおかけしますが、何卒ご了承いただけますと幸いです。
今後の予定には万全の状態で対応させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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氏名
大学・学部・学科・学年
電話番号
メールアドレス
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③家庭の事情の場合
○○株式会社 採用ご担当者様
お世話になっております。
〇〇大学4年の〇〇と申します。
この度は内定式にご招待いただき、誠にありがとうございます。
誠に申し訳ございませんが、家庭の事情により内定式への参加が難しい状況です。
欠席することになり、申し訳ございませんが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
今後の予定にはしっかりと対応させていただきますので、よろしくお願いいたします。
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氏名
大学・学部・学科・学年
電話番号
メールアドレス
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④遠方にいて参加が困難な場合
○○株式会社 採用ご担当者様
お世話になっております。
〇〇大学4年の〇〇と申します。
この度は内定式にご招待いただき、誠にありがとうございます。
恐縮ですが、留学でアメリカのロサンゼルスに住んでおり、参加が難しい状況です。
内定式を欠席させていただきたく存じますが、今後の案内にはしっかり対応してまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
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氏名
大学・学部・学科・学年
電話番号
メールアドレス
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⑤内定辞退を検討している場合
○○株式会社 採用ご担当者様
お世話になっております。
〇〇大学4年の〇〇と申します。
この度は内定式にご招待いただき、誠にありがとうございます。
大変恐縮ではございますが、現在進路について熟考しており、内定式への参加を控えさせていただきたく存じます。
正式なご報告は追ってご連絡申し上げますので、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
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氏名
大学・学部・学科・学年
電話番号
メールアドレス
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内定式の欠席を伝える際の注意点
ここからは、内定式の欠席を伝える際の注意点についてご紹介します。
内定式の欠席を企業に伝える際は、信頼を損ねないためにも、誠意をもって対応することが大切です。
また、企業の迷惑にならないタイミングでの連絡を心がける必要があります。
企業はあなたに入社してもらうため、さまざまな準備をしていることを忘れてはいけません。
それぞれの注意点について、詳しく見ていきましょう。
なるべく電話で直接伝える
内定式の欠席は、できる限り電話で直接採用担当者に伝えることが望ましいです。
メールでも伝えられますが、それだけでは誠実さが伝わりにくい場合があります。
そのため、なるべく電話で丁寧に対応することが重要です。
また、今後別日に説明を受ける場合などのスケジュールを調整するのも、電話のほうがスピーディにやりとりできて便利です。
スケジュールや入社の手続きについて質問がある場合は、その場で質問もできます。
企業や担当者への礼儀という面はもちろん、実用的な面でも電話での連絡がおすすめです。
内定式までに、日中電話できる時間がない場合などは、メールで済ませても構いません。
ただし、文面には、メールでの連絡になったことへの謝罪を入れておくようにしましょう。
欠席が決まり次第連絡をする
内定式への欠席が決まった場合は、決まり次第連絡する必要があります。
もともとその日に予定が埋まっていた場合など、欠席が決まったときは、できるだけ早く企業に連絡することがマナーです。
企業も内定式の準備があるため、迅速な対応をしてもらったほうが助かります。
直前になって欠席の連絡を入れられても、すでに決まっている予定や席次などを変更するのが難しい可能性が高いです。
また、直前での連絡は、企業からの信頼を損ねる結果になりかねません。
事前に余裕をもって欠席を伝えておけば、それだけで気遣いや迅速な連絡を評価してもらえます。
事情を汲んでもらえる可能性も高まるため、できる限り早めに連絡して、欠席する旨を伝えるようにしましょう。
昼間や就業時間外の連絡を控える
内定式の欠席の連絡をする際は、連絡を入れる時間帯にも気をつけましょう。
とくに電話をかける際は、企業の就業時間内に連絡するようにする必要があります。
電話番号が企業の固定電話宛の場合、時間外だとそもそも誰も取ってくれない可能性が高いです。
個人が持ち歩いている端末であっても、昼休みや終業時間間際など、業務時間外には連絡を控えることが望ましいでしょう。
担当者の休憩時間中に連絡するのは印象が良くないほか、貴重な時間を奪ってしまうことになるため、迷惑になります。
内定者とのやりとりは、担当者の方にとっては業務の内であるため、企業が業務を行っている時間内に連絡するようにしましょう。
メールの場合は、相手も任意の時間帯に見ますが、なるべく常識的な時間に送るのが望ましいです。
具体的な理由を用意しておく
欠席の連絡を入れる際は、欠席の理由をしっかり伝えることが大切です。
具体的な理由がないのに、内定式を欠席しようとしても、企業は納得してくれません。
重要な説明を行う予定であるため、企業側は内定式に力を入れており、会社の行事を簡単に欠席することは信頼を損ねます。
そのため、曖昧な理由ではなく、具体的で分かりやすい理由を用意しておくことが大切です。
「それなら仕方ない」と思ってもらえるような明確な理由があれば、企業側も納得しやすくなります。
「冠婚葬祭の予定がある」「留学で国内にいない」など、どうしても企業の内定式を欠席しなければならない事情がある場合は、その理由をしっかり伝えましょう。
企業に話せるほど具体的な理由がないのであれば、欠席したいと思っても出席したほうが良いです。
内定式の欠席に関するよくある質問
ここからは、内定式の欠席に関するよくある質問についてご紹介します。
事情があって欠席したいものの、内定式を欠席したことによって、今まで就活にかけた苦労が水の泡になるのではと不安に感じている方も多いです。
内定式を欠席する際に、どのような態度を取るかによって、その後のデメリットを緩和できます。
それぞれの質問について、詳しく見ていきましょう。
内定式を欠席しても内定取り消しになりませんか?
内定式を欠席しただけで、内定が取り消されることは基本的にありません。
ただし、欠席の連絡を怠ったり、不誠実な対応をしたりすると、印象が悪くなることがあります。
印象があまりにも悪くなり、信頼を損ねると、結果的に内定を取り消される可能性が高いです。
そのため、内定式を欠席することになった場合、早めかつ丁寧に連絡することが大切になります。
企業との関係性は人と人とのやりとりであり、信頼によって成り立っていることを念頭に置いておきましょう。
また、内定式の欠席に限らず、イレギュラーが発生した場合は、迅速かつ綿密に連絡を取り合うようにする必要があります。
欠席後に他の内定者と差はつきますか?
内定式に参加するかどうかによって、同期と多少の差がつく可能性はあります。
企業の内定式では、同期と顔を合わせたり、企業の情報を直接得たりすることが可能です。
内定式で同期と会わないと、お互いを認識するのが遅れたり、説明を受けておらず、入社準備が遅れたりする場合があります。
しかし、その後の入社準備や研修でしっかり対応すれば、入社までに挽回は十分に可能です。
内定式に欠席する場合は、今後どうすれば良いか担当者としっかり打ち合わせを行い、必要な入社準備を期日までに済ませられるよう努めましょう。
その際も、個別に対応してもらって当然という態度を取るのではなく、誠実に対応することが大切です。
遠方から参加が難しい場合、オンラインで参加できますか?
企業ごとに、オンライン参加への対応は異なります。
就活生に理解がある企業の場合、遠方の内定者や、やむを得ない事情がある人のために、オンラインでの参加を許可する場合があるでしょう。
その場合、パソコンやスマートフォンなど、インターネットにアクセスできる端末があれば、遠方からでも内定式に参加できます。
ただし、オンラインで参加できる環境に制限がある場合も、少なくありません。
自分以外に人がいない個室でなければならないなど、無条件で参加できるわけではない点に注意しましょう。
細かい条件については、まず企業に確認することが大切です。
まとめ
企業の内定式は、よほどの事情がない限り、参加したほうが良いです。
同期との顔合わせや人脈作りができ、入社に向けた準備やスケジュールの説明を受けられます。
一方で、ほかの予定と被っている場合などは、その旨を丁寧に説明して欠席を伝えなければなりません。
内定式を欠席する場合は、なるべく業務時間内に電話で連絡する必要があります。
内定式を欠席した程度で内定取り消しにはなりませんが、不誠実な対応は望ましくありません。
適切な対応を取り、企業からの信頼を損ねないように立ち回りましょう。
なお、内定式に関する詳しい情報を知りたい方はぜひ以下の記事を参考にしてください。